Allion Labs 

消費者が動画音楽といった娯楽コンテンツの品質をますます重視するようになり、高品質な音楽を楽しめるように、サウンドバーやアンプなどのオーディオビジュアル製品の品質に対する現代人のニーズも厳しくなっています。しかし、消費者が高品質な音楽を楽しむ一方で、サウンドバー/アンプを他のデバイスと接続する際に、さまざまな問題が発生することがあります。連動機能に問題が生じたり、正常に操作できなかったりすると、その製品のブランドイメージが悪化したり、さらには怒りから返品される可能性もあり、こうした状況は消費者とメーカーにとっても決して望ましいものではありません。

HDMI CEC機能とは?

サウンドバー/アンプの有線接続方法にはHDMIやデジタル光ファイバーSPDIFがあり、ワイヤレス接続にはBluetoothやWi-Fiなどの方法があります。HDMIでの有線接続の場合、連動機能要件に対応するために、HDMI協会はCEC(Consumer Electronics Control)仕様を策定しています。CEC機能に対応した機器であれば、ユーザーはHDMI接続されたすべてのデバイスを1つのリモコンで操作することができます。

よく使用されているCEC機能は次のとおりです。

・ワンタッチプレイ(One Touch Play):テレビのリモコンで<再生>ボタンを押すと、Blu-rayプレーヤーが起動し、スタンバイ状態のテレビ、サウンドバー/アンプも一緒に起動する。また、Blu-rayプレーヤーが接続しているHDMIポートの画面が自動的に表示される。

・システムスタンバイ(System Standby):テレビのリモコンで電源ボタンを押してテレビの電源を切ると、ビデオ再生中のBlu-rayプレーヤーとサウンドバー/アンプも一緒に電源が切れる。

・ディスクプレイヤーの制御(Deck Control):テレビのリモコンで<早送り>、<巻き戻し>、<一時停止>、<停止>、<再生>などのボタンを押すと、Blu-rayプレーヤーが同じ操作を実行して映像再生を制御できる。

・リモコンパススルー(Remote Control Pass Through):テレビのリモコンで<上>、<下>、<左>、<右>、<選択/確認>、<メニュー>、<信号>などのボタンを押すと、Blu-rayプレーヤーやサウンドバー/アンプの操作を制御できる。

・音量制御(System Audio Control):テレビのリモコンで<音量を上げる>、<音量を下げる>、<ミュート>などのボタンを押すと、サウンドバー/アンプの音量出力を制御できる。

HDMI CECがあれば問題は解決する?

しかし、実際にはどうでしょうか?アリオンは、2021年第3四半期以降に主要メーカーから寄せられた3000以上のクレームを分析したところ、サウンドバー/アンプに関する消費者のクレームが合計150件あり、そのうちCEC機能に関する問題が26件(17%)あることが分かりました。

アリオンはこうしたCEC機能に関するクレームを分類・要約しました:

1.リモコンパススルー機能の故障:テレビリモコンを使用しても、サウンドバー/アンプの音声出力設定を調整できない。

2. ワンタッチプレイ機能の故障:テレビの電源を入れても、接続されたサウンドバーが自動的に起動しない。

3. リモコンパススルーコマンドの自動送信:テレビを視聴している時に、サウンドバー/アンプが自動的に他の信号ソースに切り替わる。

4. シグナルソース形式切り替え時のCEC機能異常:ソースを切り替えたり、シグナル形式の内容を変更したりすると、すべてのCEC機能で異常が発生する。

5. ディスクプレイヤー使用時にクラッシュ:早送り、一時停止、シグナルソースの切り替えを行うと、サウンドバーが動作しなくなる。

アリオンのHDMI品質検証サービス

このことから分かる通り、実際にすべてのメーカーが仕様に準拠した製品を正確に設計できるとは限らないため、消費者がHDMI-CEC認証製品を購入しとしても、異なるブランドのデバイスに接続すると、CEC機能の誤作動や機能不全が発生することがあります。

メーカーが製品の潜在的な問題を特定できるように、アリオンの提供する検証サービスには、以下のようなサウンドバー/アンプのCEC機能に関するシナリオテストがあります。

 使用シナリオ1:TWO BOX互換性テスト 

ソース:テレビ

シンク:サウンドバー/アンプ

テストの概要:

ARC/eARC機能を使用し、HDMIケーブルでテレビとサウンドバー/アンプを接続します。テレビのソース側で生中継のテレビ番組や、YouTube/Netflixなどのストリーミングビデオを再生すると、HDMI ARC/eARC(*1)機能により、音声がサウンドバー/アンプに送信されて音声が再生されます。

このテストは、消費者がテレビリモコンを介し、CEC機能でテレビとサウンドバー/アンプを制御する場面をシミュレーションしています。

 使用シナリオ2:THREE BOX互換性テスト 

ソース:Blu-rayプレーヤー、PS5、Xbox Series X/S、テレビボックス

シンク:テレビ、ディスプレイ、プロジェクター

リピーター(パススルー):サウンドバー/アンプ

テストの概要:

ソースデバイスをサウンドバー/アンプに接続し、リピーターデバイスであるサウンドバー/アンプを介してシンクデバイスに接続します。ソースでBlu-ray、ゲーム、ストリーミングビデオなどを再生し、音声および映像をデコードする信号がサウンドバー/アンプに送信され、デコードされた映像がシンクに送信され、サウンドバー/アンプから音声が出力されます。

このテストは、テレビのリモコンを介し、CECですべてのソースやシンク、および伝送デバイスであるサウンドバー/アンプを直接制御する場面をシミュレーションしています。

アリオンはHDMI関連機器を幅広く取り揃えており、お客様のご要望に合わせてCEC互換性テストに必要なブランド及びモデルを提供することができます。

サウンドバー/アンプでよく起こるその他の問題にも注意が必要

また、サウンドバー/アンプの消費者からのフィードバックの中で、CEC機能に加えて、Wi-FiやBluetoothの問題に関するクレームも多く寄せられていますが、アリオンはWi-FiやBluetoothの問題に対応するソリューションも提供しています。▼関連記事:ワイヤレスサウンドバーはより快適な音声体験を確保できるか(上)

アリオンには専門のテスト環境、機器設備、豊富な製品検証の実務経験があり、お客様に最適なテストソリューションを策定して、製品の性能を最適化し、製品品質を厳格に管理し、ユーザーエクスペリエンスを向上させることができます。

関連の検証テストサービスについてより詳しい情報をお求めの場合は、アリオンのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。