Category Archives: 技術ブログ

あなたのSSDは本当に大丈夫? 長時間高温テストで明らかに

Allion Labs / Blake Chu 昨今主流のSSDは、従来の2.5インチSATA SSDから半分以下のサイズのM.2 NVMe SSDに進化しました。サイズが小さくなって、速度が大幅に向上し遅延も少なくなることから、小型SSDは車載システムや将来の5Gアーキテクチャシステムのアプリケーション等、幅広い用途での応用が期待されています。NANDフラッシュはSSD内部のデータストレージコンポーネントで、データストレージが影響を受ける要因として、一般的には、消去回数(PE/サイクル)がありますが、他にも温度が一つとして考えられます。極端な条件下で使用した場合、長時間の異なる温度変化もNANDフラッシュのデータ保持(Data Retention)に影響します。これらの2つの要因がSSDデータのストレージに影響を与える原因について、NANDフラッシュの基本原理から簡単にご説明します。 NANDフラッシュ基本操作の主な3つのアクション:書き込み、読み取り、削除 書き込み:データは電子形式(electrical charge)でNANDフラッシュに保存されます。保存された電子の高電位と低電位は、Control Gateに加えられる電圧に依存します(図1)。Control Gateに正の電圧が加えられると、電子は最初の絶縁体を通してFloating [...]

【連載企画 – サーバー検証:設備編】PCIe5.0テスト機器はどう選ばれたのか?

Allion Labs / Eric Chen 近年のクラウドサービスの台頭に伴い、データ量が大幅に増加したことで、データコンピューティングやストレージのニーズが高まり、サーバー業界は顕著な成長を続けています。アプリケーションサービスの分野では、スマート時代の到来により、様々なニーズが生まれてきました。AIの分野では、コンピューティング速度と画像伝送帯域幅に対する需要も日々高まっています。また、5GのコネクテッドカーとIoTの急速な普及も相まって、リアルタイムの応答時間と帯域幅の要件が更に高まっています。新世代アプリケーションのニーズに対応するため、企業はサーバーのストレージを拡張するだけでなく、サーバー自体のデータコンピューティングの応答時間及び伝送速度の仕様も継続的な向上が求められています。 昨今サーバーマザーボードの高速信号伝送インターフェース規格は様々ありますが、中でもPCI Express(PCIe)は最も重要な伝送インターフェース標準仕様であり、その拡張性アプリケーションも増加しています(例:NVMe SSD、CXL等)。そのため、サーバー全体のパフォーマンスを向上させるための最速かつ最も効果的な方法は、更に高いPCIeの標準仕様を採用することです。現在、サーバー業界全体が続々とPCIe 5.0仕様の導入を開始しており、その帯域幅は前世代の2倍となっています。各チャネルが16Gbpsから32Gbpsに変わり、これは、X8では合計256Gbpsとなります。つまり、PCIe5.0x8と100Gbpsまたは200Gbpsのイーサネットとの組み合わせにより、サーバーは、これまで以上に高いスループットを必要とする現在の市場の需要を満たすことができます。                 図1:ラックマウント型サーバーのイメージ PCIe 5.0の信号伝送速度は4.0の2倍であるため、仕様ではチャネルとコネクタの損耗および反射の定義がより厳密になります。また、受信機と送信機のイコライゼーション仕様にも新しい規定があり、データレートが16GT/sから32GT/sに増加することを考慮すると、立ち上がり/立ち下がり時間が速くなり、ユニット間隔(UI)の狭まり、挿入損耗が大きくなります。発生が想定される問題全てに対し、設計およびテストプロセスにおいて特別な注意を払わなければなりません。 それでは、PCIe5.0テストに必要な機器から見てみましょう。 高精度な特定の信号測定のためのビット誤り率テスト(BERT)およびパルスパターン発生器(PPG) [...]

新しいスタンバイモード「モダンスタンバイ」の紹介とテストケースの分析

Allion Labs / Abel Hsu 新しいスタンバイモード「モダンスタンバイ」とは? システムスタンバイはPCシステムの電力管理に必要不可欠な部分です。PCのパフォーマンスと限られたバッテリー容量の適切なバランスをとることが、重要且つ大きな課題となっています。例えば、PCシステムは使用されない時にスタンバイモードに入り、消費電力を効果的に制御して使用時間を長くします。また、スタンバイモードから通常の動作環境への復帰は、シャットダウンして再起動するよりもはるかに待機時間を短くします。 「モダンスタンバイ」とは、Windows 8で「コネクテッドスタンバイ」として最初に導入された従来のスタンバイモード(S3)から開発されました。OSが改訂アップグレードした Windows10の時代になると「モダンスタンバイ」へと発展しました。モダンスタンバイのコンセプトは、主にPCシステムがスタンバイモードから通常の操作ができる状態にすぐに戻るという、即時復帰のユーザーエクスペリエンスを提供することです。 この概念は、私達の生活の中にあるスマートフォンの操作方法によく似ています。画面のロックを解除した直後に使用できます。画面がオフになっても、バックグラウンドでインターネットへの接続が維持され、SMSの受信や通信ソフトウェアのメッセージをリアルタイムで送受信できます。 モダンスタンバイは、バックグラウンドでネットワーク接続を維持し、且つ新しい省電力テクノロジーで制御し、ネットワークに接続されている範囲で、ソフトウェア操作を維持します。ハードウェアとソフトウェアにおいては、ACPI低電力アイドルを介して、パワーエンジンパフォーマンス(PEP)やD3デバイスの電力ステータス等をサポートします。モダンスタンバイは回転式ストレージメディア(HDD)も、ハイブリッドのストレージメディア(SSD + HDD)のシステムにも適用できます。 従来のS3と比較し、モダンスタンバイモードの最大の違いは、ネットワーク接続がバックグラウンドでも維持されることです。システムがモダンスタンバイモードに入ると、システムは一連の手順で確認し、関連する動作を最適化することで、システム以外の重要な機能(周辺機器のI/Oなど)や、モダンスタンバイに属さない関連するリマインダーを順延し、ネットワークアクティビティや電子メール等を監視します。システムに関連するアクティビティがない場合は、最良の省電力モードである「最深実行時間アイドルプラットフォーム状態」(DRIPS)」に移行します。 [...]

あなたの血圧計は十分にスマートですか?

Allion Labs / Henry Hung 血圧の大きな変動は、健康上の問題が起こっていることを示します。高齢者や高血圧の患者にとっては、日常的に血圧を測定することが重要です。そのため、多くの医者は人々に家で血圧を測定するために血圧計を購入することを推奨しています。 血圧計には、手動と自動の2種類がありますが、家庭で一般的に使用されているのは自動のデジタル血圧計です。従来のデジタル血圧計は、通信機能などを持っておらず、測定した血圧を血圧計に蓄積するだけだったため、血圧変動の管理を行うためには測定結果を別途、紙に書き留める必要がありました。 しかし、昨今一般的になってきた、通信機能を持つスマートデジタル血圧計のアプリケーションを使うことにより、データ管理がより簡単になり、ユーザはいつでもスマートフォンで血圧の変化を確認することができるようになりました。 スマートデバイスはなぜ不具合を起こすのか *注: 厚生省が交付した医療機器の管理に関する規則によると、アリオンは医療機器の検査を行う資格がありません。そのため、血圧計の精度についてはこの記事では説明しません。 スマートデジタル血圧計で当たり前に使っている機能が使えなくなったとき、ユーザは不満を感じます。下記に、ユーザがスマート血圧計について不満に感じていることをまとめました。 血圧計がBluetoothでスマートフォンにペアリングできない デバイスペアリングに失敗する アプリケーション操作の失敗 [...]

品質管理―製品を成功させる秘訣

Allion Labs / Jacky Hou & Vanex Hsu 品質管理 – 検証の重要性 製造はサプライ制御、生産、梱包、出荷など様々な段階から構成される複雑なプロセスです。製造プロセスのすべての段階は、厳格な運用手順と品質要件で管理されています。監査と検査は製造プロセスの欠陥を未然に防ぎ、製品の品質を確保するために最重要のプロセスです。しかし、1つの検査では不十分であり、メーカーはQAエンジニアリングチームや外注リソースの力を借りて、ランダムな監査やFATPによって歩留まりを上げる努力をしています。 独立したテストラボであるアリオンには、QAに従事する専門的なエンジニアのチームがあります。我々は、経験に基づき、異なる製造プロセスや製造ラインに対するQA確保のための手順を確立してきました。我々のQAチームは、現在の新型コロナウィルスのパンデミックな状況下でもサービスの提供を行っています。ほとんどすべての出張が禁止され、世界的な活動が制限される中、企業は人手不足を補うための代替案を模索している状況です。アリオンはこれまで、過去30年もの間、様々な国に向けたローカライズされたサービスを提供してきた実績があります。そのため、我々のチームはこのような環境にも素早く順応することができ、お客様が直接、海外拠点に向かうのが難しい中、お客様に代わって海外拠点の工場の監視を行います。 工場での品質管理の手順 1. 受け入れ品品質管理 [...]

ブルースクリーンはなぜ起こる?WindowsのBSODメモリダンプを解析

Allion Labs / Joseph Lin ブルースクリーン(BSOD)は、Windows PCでOSに致命的なエラーが発生して復帰できないときに発生します。BSODはOSが正常に動作できない状態に陥ったことを示しています。BSODを引き起こす要因は様々です。ハードウェアが原因のこともありますし、ドライバが原因のこともあります。また、重要なプロセスが予期せず終了したことが原因のこともあります。 Windows 10のBSODエラー画面 WindowsOSでBSODは一般的なエラーではありますが、ブルースクリーン上に表示されるメッセージからだけでは、原因を知ることは困難です。しかし、システムの詳細設定にて、システムエラーが発生した際のデバッグ情報の書き込みで“完全メモリダンプ”オプションを選択すれば、BSODが発生した時に完全なメモリダンプを取得することができ、このメモリダンプを解析することでブルースクリーン発生の原因を知ることができます。 デバッグ情報の書き込みで“完全メモリダンプ”オプションを選択すれば、BSODが発生した時に完全なメモリダンプを取得可能 WindowsのBSODメモリダンプ解析 メモリダンプを入手したあと、WinDbgのようなWindows用のBSODデバッガを用いてBSODの原因を解析することができます。 WinDbgはMicrosoftのWindowsOS用の多目的なデバッガです。デバッグはシステム内のエラーを発見し、解決するためのプロセスです。WinDbgではユーザモードのアプリケーション、デバイスドライバ、カーネルモードでのOS自身のデバッグが可能です。 WinDbgはデバッグタスクを実行します [...]

IIoTへの取り組み

変革の時代にIIoTへの取組を進めるにすべきことはなんですか? 新規事業開発プロセスにおいて、新しいテクノロジーの動向やよりいい効率に対応できることなどは、グローバル化市場での競争力とつながると考えられます。 第三次産業革命に続き、IoTによる技術の革新を踏まえるIIoT(Industrial Internet of Thingsの省略。「産業分野向けIoT」ともいう)が誕生しており、製造業界で大きな変化が起きました。 調査会社であるIndustryGlobalNews24によると、製造業において経営者の約67%以上が生産プロセスにIoTを導入したことが分かりました。IIoTでは設備・デバイス・人間などのあらゆるモノの集合体が相互に接続しながら通信します。このような複雑な相互連携によって、デバイスを通じて収集されたデータを分析できるようになり、生産オペレーションの最適化と効率化を向上させ、自社の競争優位性を高めることが期待されています。 工場のIoT化には二つの重要な要素:敏捷性と高度な自動化 また、海外の調査会社によると、工場のIoT化への期待を満たすため、「敏捷性」と「高度な自動化」が必要な変革ということが明示されています。その2つの目標を達成するために、下記のようなことに取り組む必要があります。 プロセスの最適化:一連の反復プロセスを自動実行する、ロボットの導入でさらなる効率化を実現 品質確保の最適化:AIの活用による製品品質検査で品質をより確実に把握 生産性の最適化:製品の生産履歴を正確に追跡可能 クラウドプラットフォーム:生産段階工程における情報を収集・統合し、生産ライン全体の生産能力、効率性、コストなどを分析することで、リスク管理や経営戦略策定を立てる際に参考になるツール。 インダストリー4.0の時代には、生産工程において既存の問題だけでなく、「潜在的な問題」を取り除くことでトラブルの再発防止になることが望ましいです。つまり、企業規模を問わず、リスクを「リアルタイム」に把握・解決できる能力が必要でしょう。 製造プロセスの革新には統合型のソリューションが必要 [...]