Tag Archives: matter

Matter記事シーズ(1)― セットアップで失望

Allion Labs Matter:スマートホームの統一規格 Matterは、Connectivity Standards Alliance (CSA) によってリリースされたスマートホーム製品向けの仕様です。最初のバージョンであるMatter 1.0が2022年にリリースされ、認証プログラムの実施も開始されてから、多くのメーカーが自社の製品がMatterプロトコルをサポートすることを相次いで発表しました。Matterは異なる通信プロトコルを横断できるため、さまざまなスマートホーム製品やブリッジ、制御されたモバイルデバイス、そして各エコシステム内のクラウドサービスを相互に接続できます。Matterはスマートホームの利便性と相互運用性を向上させるように見えますが、本当にそうなのでしょうか? Matter製品レビュー正体 Matter製品が市場で流通し始めたのはつい最近ですが、購入した多くの消費者がすでに使用しています。当社は、さまざまな販売経路におけるユーザーレビューをまとめたところ、否定的なレビューが多く、さらにレビューを分析した結果、多くのユーザーはMatterがどのような規格なのかよくわかっていないことがわかりました。外箱または広告から生活をよりスマートで便利にするものであることはわかりますが、パッケージや製品のウェブサイトには豪華な製品活用シーンのみが載っており、詳細設定や、購入後すぐには使用できないということを示す説明はいっさいありません。 その結果、ユーザーが喜んで新製品を購入しても帰宅後にそれだけでは使えず、他のデバイスと組み合わせる必要があることにやっと気づきます。 以下、ユーザーレビューからまとめた3つの主要な問題です。 1. Matter [...]

スマートホームブームの波に乗る(その1)ー罠だらけの製品紹介

Allion Labs スマートホームデバイスを購入する際、製品の説明欄に自身が使っているスマートホームエコシステムと互換性があると書いてあれば、それだけで購入してしまう人が多くいますが、このタイプの製品を購入する場合、実は多くの場合で罠や不確かなリスクが潜んでいるのです。 市場調査のデータによると、現在マーケットで最もシェアが高いスマートスピーカーは、Alexaスマートホームエコシステムです。これに合わせて、多くのユーザーがAlexaアプリケーションエコシステムと互換性のある製品を購入し、自分のスマートホームを構築しています。   スマートホーム製品を購入する際に知っておくべきこと Alexaをスマートホームプラットフォームとして購入する場合、構成要素を理解しておく必要があります。それは、Alexa Built-in Devices(ABI)、Alexa Connected Device、Alexa Skillsの三要素です。これらの要素のいずれかに問題があると、消費者はAlexaスマートホームの応用シナリオを享受できなくなります。メーカーは製品の検証を十分に行わなければ、製品リリース後に、購入した客から多くのクレームが寄せられることになります。 製品1(Product 1):製品メーカーは特定のAlexaデバイスでのみテストを実施し、問題がなければ、「この商品はAlexaスマートエコシステムと互換性があります!」と大々的に宣伝します。結局のところ、多くのメーカーは時間コストや人件費の制限から、全方位でAlexaスマートデバイスの互換性検証を実施していない可能性が非常に高いです。 製品2 [...]

テレビもMatter対応を開始!無線接続の裏に潜むリスクをいくつ知ってますか?(1)
テレビもMatter対応を開始!無線接続の裏に潜むリスクをいくつ知ってますか?(1)

Allion Labs  スマートホームの重要なマイルストーン – Matterプロトコル 調査機関Fortune Business Insightsによると、世界のスマートホーム市場は2022年時点に802.1億ドル相当で、年間平均成長率20.1%で成長を続け、2023年の939.8億ドルから2030年には3,382.8億ドルに達すると予測されています。 急速に成長する世界のスマートホーム市場では、主要なスマートホームIoTエコシステム間に互換性がないという問題を解決するために、Amazon、Apple、Google、Samsungなどの主要メーカーが中心となり、新しい標準「Matter」を立ち上げました。これにより、スマートホームエコシステムが簡素化され、Wi-Fi、Bluetooth、Threadを介した接続を通じて、さまざまなスマートホームデバイスの相互運用性と使いやすさが向上しました。現在、「Matter」規格団体であるCSA(Connectivity Standards Alliance)はすでに250を超える企業が参加しており、Matter技術を導入した製品がますます増えて、消費者がスマートホーム製品を購入、設定、使用する際により便利になることが期待されています。 これまで、消費者がスマートホームエコシステムを構築する場合、各ブランドに専用のゲートウェイ製品を組み合わせる必要があり、異なるエコシステム間では相互に通信することができませんでした。しかしMatterによるスマートホームエコシステムは、専用のゲートウェイ製品に縛られず、Matter認証を受けたホームコントロール製品を使用するだけで、相互にユーザーインターフェース(リモコンやスマートスピーカーなど)を組み合わせ、元々異なるエコシステム内のスマート家電製品を制御することができます。 引き続き中心的な役割を果たすテレビ、スマートホームエコシステムを結びつける テレビは長い間スマートホームエコシステムにおいて中心的な役割を果たしてきましたが、Matterエコシステムでは、次のように、より多様な役割を果たすことになります。 ホームコントロール:クラウドかローカル接続を介して、ヒューマンコンピュータ相互コントロールインターフェースを利用し、Matterエコシステムにおけるデバイスを制御します。 [...]

Matterの誕生でスマートホームはどう変わる?

Allion Labs / Ralph Liao    誰もが手に持つスマートフォンは、小さなプライベートパソコンを持ち歩いているようなもので、便利な現代において、以前はできなかったことの多くができるようになりました。古代の大富豪や王族貴族は、奴隷やメイド、家政婦を召し抱え、日常の厄介事をまかせていましたが、テクノロジーで便利になった現代では、人を雇うことなく、スマートホームデバイスを使ってタスクを完了させることができます。「手動じゃなく口で」や「手動じゃなく自動で」と、望むと望まざるとに関わらず、スマートホームデバイスは徐々に私達の生活に浸透しています。 想像してみてください。目覚まし時計を使って朝起床し、仕事に行く前にコーヒーを淹れて1日の気分を上げるしかない。今はスマートホームデバイスを使えば、スマートカーテン、スマートスピーカー、人感センサー、スマートソケットを通して、日常手で行っていた手作業を完了することができます。スマートカーテンを使用して起床時間とカーテンの開口率を設定します。スマートスピーカーと連携して、設定した時間に目覚ましソングを再生します。アラームにびっくりして目を覚ますのではなく、カーテンを使って徐々に日光の明るさをコントロールし、スマートスピーカーから流れる音楽の音量を弱から強へ調整します。1日の始まりです。そして、人感センサーが起床を感知し、スマートソケットでコーヒーマシンの電源を入れて香醇なコーヒーを淹れ、充実した1日が始まります。この様に、どのようなスマートホームデバイスの組み合わせがいいか、何かとIoT時代の忙しい現代人でもよくよく検討しなければなりません。 市場には何百ものスマートホームデバイスとプラットフォームがありますが、では一体どれを選ぶべきでしょうか?以下では、様々なプラットフォームと接続方法について分析を行います。自分の好みやコスパに応じて、普段から使い慣れたモバイルデバイスのOSやアプリに対応した商品を選びましょう。   スマートホームプラットフォームの紹介 市場には何千ものスマートホームプラットフォームがあります。多くの場合、メーカーがスマートホームデバイスをリリースすれば、それをコントロールするアプリがリリースされるため、ユーザーは様々なメーカーの使用方法を学んで慣れる必要があります。このため、大手ブランドが立ち上げたスマートホームプラットフォームに参加すれば、自身が使い慣れたインターフェースと使用法でスマートホームデバイスを仕様することができます。以下では、市場でよく見る一般的なスマートホームプラットフォームを紹介します。 ※参考リンク Homekitアクセサリ Google [...]

スマートホーム標準規格であるMatterの通信方式として選ばれた「Thread」とは?(上)

Allion Labs / Chris Wu    認知度の低かったThreadネットワークテクノロジーが、最近スマートホームの革新的な共通規格「Matter」のおかげで大きな注目を集めました。Threadは一体どういうものでしょうか。   スマートホームの通信ブリッジ「Thread」 Threadは、低消費電力デバイス(センサーなど)と低遅延に設計されたメッシュ(Mesh)ネットワークプロトコルです。この技術は、家にあるインターネットネットワークやWi-Fiに依存せず、専用メッシュネットワークを構築して家庭内のデバイスを接続することで、簡単、安全、高い信頼性且つ低コストの方法で、家庭内に分散して配置された様々なスマートホームデバイスを接続することができます。例えばセンサー、ドアロック、カーテン、電球、温度調節器、警報器などのデバイスは、数ヶ月やそれ以上の期間変わらず放置されたままの場合があり、必要な時だけ呼び出されて簡単な情報を送信した後に、可能な限り長時間電力を保存するように、またスリープ状態に戻ってバッテリーの電力を節約するよう設計されています。また、Threadネットワークは拡張性があり、250台以上のデバイスをサポートすることができます。 スマートホームのThreadデバイスには、主にルーターやエンドデバイスの機能があります。通常ルーターは外部の電源を必要とするデバイスで、電球やスマートプラグのように、エンドデバイスとの通信を提供する役割を果たしています。一方エンドデバイスは通常バッテリーで動くデバイスであり、センサーやドアロックなど、長時間スリープ状態を維持してバッテリー寿命を延ばすことができます。また、Threadネットワークには自己修復機能があり、ネットワーク内のどのルーターがオフラインになっても、別のルーターがすぐに代替して役割を引き継ぐことができるので、ネットワーク障害が発生することはありません。Threadネットワーク内のデバイスは、点と点で直接接続して通信し合うため、別のコントロールデバイスに接続する必要はなく、また、最適な接続経路を検索することができるため、接続の消費電力を直接低減し、遅延や衝突を減らすことができます。 下の図は、Threadネットワーク内の様々なスマートホームデバイスの役割と相互作用を簡単に示しています。 Threadネットワークで最も特徴的なものは、Threadボーダールーター(Thread Border Router)です。Threadネットワーク自体は独立して動作し、各エンドデバイス間で直接通信することができます。しかしながら、インターネットに接続する場合は少なくとも1つのThreadボーダールーターが必要で、その役割はThreadネットワークとインターネットを相互接続することです。そのため、ネットワーク接続を介して、家にいなくてもスマートホームデバイスを制御することができます。例えば、AmazonのEchoスマートスピーカー(第4世代)、AppleのHomePod [...]