家電製品の中には、スピーカー機能が内蔵されている製品も少なくありません。近年では、Bluetoothスピーカーやスマートスピーカーが流行っていて、市場においてスピーカー機能が内蔵されている製品種類は日々増えています。あらゆるスピーカー製品の中から、消費者が選択肢に入れて購入を考える決め手となっているのは、スピーカー製品のワット数や有効帯域幅などにほかならないでしょう。しかし、各メーカーのスピーカー製品の実性能は、本当に製品パッケージや説明書などに表示されている通りでしょうか?

過去には一部のスピーカーメーカーがマーケットシェアを占めるため、誇張した性能表示をして消費者から好評を得ようとしていました。製品に関連する規範が無い状態では、知らずに購入してしまったエンドユーザーは仕方なく受け入れるしかありませんでしたが、近年ではビジネスモデルの変革とインターネットの普及に伴い、製品評価の透明化が進み、各スピーカーメーカーは企業としての信頼性やブランドイメージを気にかけ、次第にスピーカー製品の電気音響性能の表示を重視するようになりました。

アリオンは実測の事例からポイントとなる試験項目をピックアップしてスピーカーの性能測定について以下に説明します。

スピーカーの性能は本当に数値化できるのか?

1. スピーカーのワット数

当社の市場調査の結果から、この性能指標が一番「水増し」される可能性が高い項目だと分かりました。テスト結果に信憑性を持たせるため、この性能指標に対して、当社では国際規格であるIEC 60268-5:2007規格を参照しスピーカーのワット数の検証テストを行っています。

まず、スマートフォンをHost側として、Bluetoothスピーカーを接続し、Host側で1kHzと0dBFSの信号を出力し、音量を最大まで上げます。

次に、Bluetoothスピーカーに内蔵されているアンプとスピーカー単体間の接点の電圧(Vrms)を測定します。続いてアンプを取り付けていない状態のスピーカー単体の定格インピーダンスReを測定します。計算式P = (Vrms^2) / Reを用いて、スピーカーの最大入力信号の条件下の最大出力電力を計算します。

1つの検証事例を例に挙げると、上記の公式で計算した結果、以下の数値が得られます:

V= 3.6 V,R = 3.9 Ohm,Max Rated Power = V^2/R ≒ 3.3 W

2. 有効な周波数範囲:

IEC 60268-5の定義に基づき、最大値とそれが位置しているオクターブバンド(octave band)の平均値を求め、そこから10dB引くと、その音圧レベルの及ぶ上限と下限が分かります。また、お客様の要求される電圧や距離など特定の測定条件で設定とテストも行うことで、そのスピーカーの有効周波数範囲が得られます。

最後、上記のテスト結果を基に、製品の潜在的問題点に焦点を当てており、最適な検証プランを提案します。

スピーカーの音質向上に不可欠な性能検証

現在、スピーカー関連製品が多種多様であり、どのように様々なシーンで快適なオーディオ体験を楽しめるかは、音声やオーディオの評価を通じて顧客満足度向上のために客観的に行われる必要があります。これら実測で得たデータは、スピーカーの客観的な性能を表すことができるほか、消費者の信頼を得るためにお客様のブランドメーカーの競争力を築くことを協力できます。アリオンのオーディオ品質検証ラボでは、必要な試験設備を保有し、様々なオーディオ試験環境を構築しました。シミュレートしたユーザーシナリオにおいて音質品質を分析でき、各種音声や音響に関するソリューションを提供しています。

オーディオ品質検証テストサービスにご興味がある方は、アリオンのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。お客様の製品向けにあらゆる面を考慮した最適なテストプランを提供いたします。