Allion Labs

キーボードとマウスは、PC使用上で最も一般的な周辺機器です。これらのデバイスは、過去には主に有線接続が採用されていますが、現在では無線接続が徐々に主流となっています。無線キーボードとマウスは通常、Bluetoothまたは無線周波数(RF)を使用していますが、これらの技術も無線干渉を受けてしまいます。これにより、ユーザーが不便に感じてしまい、ブランドイメージにも悪影響を与え、返品の問題を引き起こす可能性もあります。これは調達担当者が調達要求書(RFQ)を作成する際に注意しなければなりません。

無線キーボードとマウスの無線干渉リスクと解決方法

近年、無線通信技術の普及が進んでおり、市場では特定の消費者層向けの静音キーボード・マウスや低遅延のゲーミングキーボード・マウスなどさまざまな無線キーボードとマウスが販売されています。アリオンは豊富なテスト経験と市場調査を行った結果、どんな用途でも、ユーザーが無線キーボードとマウスを使用する際に主に以下4つの不満を抱えていることがわかりました。

1. 接続が不安定

2. 電波の干渉を受けやすい

3. バッテリーの持続時間が短い

4. 安全性リスク

その中で、接続安定性と電波干渉は関連しています。一般的にはRF性能のみ検証を行い、基本のアンテナパターンとシールドチャンバーの品質を確保を行いますが、実環境で無線干渉を引き起こすものは様々あります。住宅、会社、交通機関などにおいて、2.4GHz帯を使用するたくさんの無線デバイスが存在しており、無線共存の問題が発生します。これにより、無線接続の品質に影響を与え、ユーザエクスペリエンスの低下につながります。

以下のような問題に直面していませんか。

  • 数多くある干渉シーンは想像通りなのか。
  • 干渉の可能性がある想定外のシーン。
  • 干渉シーン検証のために、実際に現場に人を派遣するしかないのか。
アリオンは様々な環境に応じた無線検証ソリューションを提供します
図:アリオンは様々な環境に応じた無線検証ソリューションを提供します

アリオンのコンサルティングチームは、お客様の課題に対処し、無線環境の再構築ソリューションを提供します。オフィス、空港、地下鉄、インターネットカフェ、展示会場、病院などの環境を中心に、専門的な機器を使用して実際のシーンでの無線干渉信号を記録します。加えて専門的な分析と手法を通じて電波遮断室で現実の干渉状況を再現します。これにより、お客様は現地に行かなくても、ラボでテスト実施を実現でき、ユーザーエクスペリエンスを大幅に向上させることができます。

以下は、アリオンがオフィスの実際の干渉状況を記録し、ラボで再現した例です。

上の図は、オフィスで観察された無線干渉の状況を示しており、オフィス空間内には34台の2.4GHzのアクセスポイント(AP)、電話、コンピュータなどの機器が多くあり、長時間接続された固定APがネットワークとして利用されている場合が多いことがわかります。Wi-Fi 2.4GHzの各チャネルで高い電波と使用率が見られ、多くのAPがチャネル11を使用していることで、電波が高いチャネルは主にチャネル11に分布し、チャネル11の周辺では比較的高い電波と利用率が観測されます。また、同時に多くのBluetoothデバイス(2404、2426、2480MHz)が操作されていることがわかります。Wi-Fiによって2.4GHz帯のチャネル幅の帯域が占有されてしまい、Wi-Fi以外のチャネルおよび多くのヘッドセット/キーボードがペアリングを行っている可能性があると推測できます。

無線環境再構築の技術を通じて、無線キーボードとマウス製品のユーザー体験や性能に影響を与える主要指標を特定し、客観的な評価で製品性能の最適化を支援します。

 無線マウス 

  • レポーティングレート(別称ポーリングレート)

「ポーリングレート」とは、マウスからのデータがPC(接続先のデバイス)に送信される頻度で、1秒間に何回マウスからPCへデータ送信されるかを表します。ポーリングレートはマウスの応答速度と精度に影響を与えるため無線マウスにとって重要です。より高いポーリングレートは、マウスがより頻繁にPCへデータ送信できることを示します。つまり、ユーザーの操作がより速く反応できるようになり、速さが必要なゲーム、高精度を求められるタスクを満たすことができます。

 無線キーボード 

  • レイテンシ(Latency)

レイテンシは、キーボタンを押してからPCがその入力を認識・反応するまでの時間を指します。ユーザー操作による応答速度に直接影響するため、ワイヤレスキーボードにとって重要な基準です。遅延時間が長すぎると、ユーザーはキーの反応が遅れていると感じるでしょう。特に迅速な入力が必要な状況で作業効率やゲーム体験に影響を与えます。したがって、低遅延のワイヤレスキーボードはよりリアルタイムでスムーズなユーザー体験を提供できます。

  • キー入力の正確率(Key Correct Rate、略KCR)

キー入力の正確率は、キーボードが入力信号を伝送する際の精度を指します。ワイヤレスキーボードの場合、各キーを押下するたびにキーボードが正しくキー信号を識別したり転送したりすることで、信号損失やエラーが発生しないことを保証します。高いキー入力の正確率は、入力の正確性と一貫性を確保し、仕事やゲームをする際に無視できないポイントです。

Faster、Easier、Better ― 無線製品の実環境シミュレーション・サービス

アリオンのワイヤレス製品コンサルティングチームは世界有数の大手企業との豊富な協力経験があり、ラボの専門的な環境と設備を備えております。これをもとにカスタマイズされたユーザーシナリオテストを提案することが可能です。開発段階において製品評価と品質検証を両方とも効率的かつ総合的にサポートし、時間、労力などのコストを大幅に削減できます。

アリオンはさまざまなワイヤレスフィールドシミュレーションコンサルティングサービスを提供しています。

1. ワイヤレスデバイスの主要なパフォーマンステスト

2. 想定される干渉条件の提供、製品の耐干渉性の限界を把握

3. さまざまな実際の干渉シーンを記録

4. 隔離部屋内で実際の干渉シーンを再現

 Faster ー より迅速 

さまざまな場所で検証を実施する必要がなくなり、テスト結果を迅速に取得できます。

 Easier ー より簡単 

干渉シーンを簡単に選択して再現できます。製品に問題が発生した場合は、ラボ環境で問題点を繰り返し再現することで、開発担当者によるデバッグがより簡単になります。

 Better ー より正確 

アリオンは仮定の干渉状況ではなく、より現実に近い実環境の干渉状況を再現します。

関連の検証テストサービスについてより詳しい情報をお求めの場合は、アリオンのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。

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