USB4® 電気検証自動化ソリューション(ASUE)
USBの規格はより高速かつ複雑になりつつあり、それに伴いUSB電気認証試験における要求事項も増えています。
アリオンは、USB-IF認定の試験機関(Independent Test Lab:ITL)として、USB4®電気試験仕様に従いUSB4®電気検証自動化ソリューションを開発しました。このソリューションは、USB-IFから認定を受けており、USB4®のようなマルチレーンの規格に対して、最速のテストスループットを提供できるように設計され、テストの効率化に貢献します。
お問い合わせ送信電気試験(Tx)、受信電気試験(Rx)は初期のUSB規格では、数時間で完了しましたが、USB4®では数日かかるようになりました。そのため、テストラボは、より速いテストスループットを提供できるように求められます。
最新のUSB4®仕様のハイライト
USB4® 仕様の最新版は2022年9月にUSB Implementers Forum(以下USB-IF)によりリリースされました。これには次の機能が含まれます。
- 2レーンオペレーションにより、既存のUSB Type-Cケーブルの使用転送により速度最大40GBpsまで動作可能
- 複数のデータ、ディスプレイプロトコルを1つのバスで効率的に共有
- USB 3.2やUSB 2.0、Thunderbolt 3との下位互換性を維持
Tx/Rx テストの効率を最適化
USB4(Thunderbolt3/4)電気試験のテスト範囲は非常に広く、通常1つのポートを手動で検証する場合少なくとも5日以上かかるほか、いくつかのテスト構成、テスト速度が必要です。テスト担当者がマニュアルでテストを行うと、間違ったセットアップを使用する可能性が非常に高いため、これらの問題を解決するには自動化が非常に重要です。そのため、アリオンはこのソフトウェアを開発しました。
USB4®電気検証自動化ソリューションはどのように役立つのか?
アリオンUSB4®電気検証自動化ソリューションは、自社開発したソフトウェアを利用し、USB4 バージョン1、Thunderbolt 3、Thunderbolt 4の電気的コンプライアンス試験(Transmitter compliance test、Receiver compliance test、Receiver calibrationを含む)に対応しています。
- このソフトウェアは、直感的なUIにより簡単に操作でき、間違いやすいセットアップおよび手順を回避できます。夜間の運用が可能になり、テスト時間が有効活用されます。
- 正式な認証試験を依頼する前に、お客様が社内で試験を行えることで、PHYの品質を確保でき、試験委託後のハードウェア仕様の変更を避けることができます。
- 複数のレーンをより正確で迅速にテストすることが可能です。キーサイト社のV/Z/UXRシリーズオシロスコープとアンリツ社のMP1900A BERTなどの試験設備との互換性を持っています。
Txテストでは、キーサイト社の高性能スコープを組み合わせ、両方のレーンを同時にキャプチャし、解析することが可能です。Rxテストでは、アンリツ社のMP1900A BERTがストレス信号発生器として機能し、長い波形の繰り返しが受信キャリブレーションの一部としてキャプチャされ解析されます。
USB4®電気検証自動化ソリューションにより、TxおよびRx試験は、ボタンを1つ押すだけで、完全に自動化されており、USB4®試験を行います。
※対応設備を拡充する予定:
2023 Q3~2023 Q4:キーサイトM8000A シリーズBERT
2023 Q4~2024 Q1:テレダイン・レクロイ スコープ関連設備
USB4®電気検証自動化ソリューションができること
USB4®電気検証自動化ソリューションは、開発期間の短縮および全体作業時間のスピードアップを実現します。
本ソリューションの5つの具体的なアドバンテージ
テスト完全自動化
クリックだけで自動的に行うことで、人手不足解消に貢献します。
プラットフォーム互換性
インテル社、AMD社、といったプラットフォームのほか、インテル社やParade社、Kandou社のリタイマーにも対応しています。
高効率化
開発期間の短縮および作業時間のスピードアップを実現します。
テスト品質の一貫性
統一されたテスト手法と詳細なログにより、一貫した品質を確保し、人為的なミスを排除します。
設備の稼働率最大化
単価の高い機器を最大限に活用できます。
USB4® 電気検証自動化ソリューションの主な機能
すべてのトランスミッター試験に対応可能
- USB Gen2 およびGen3(20G/40G) Speeds
- TP2 およびTP3
- Transmitter EQ, SSC, TX Frequency Variation, Rise/Fall Time, ジッターおよびアイパターン
すべてのレシーバー試験に対応可能
- Gen2 および Gen3(20G/40G) Speeds
- TP3’ およびTP3
- Receiver Calibration, Receiver BERテスト
対応設備
- トランスミッター(Transmitter): キーサイトV、Z およびUXRシリーズ
- レシーバー(Receiver): アンリツMP1900A (キーサイトのスコープを利用)
対応設備を拡充する予定
- 2023 Q3~2023 Q4:キーサイトM8000A シリーズBERT
- 2023 Q4~2024 Q1:テレダイン・レクロイ スコープ関連設備
アリオンは、USB-IFと強固な関係を築いており、USB4®の仕様策定にも貢献してきました。USB-IF認定の第三者試験機関として、ホスト、デバイス/周辺機器、ケーブル/コネクタ、パワーデリバリなどを対象に、USB4 Gen3からUSB4 Gen2、USB3.2 Gen2、USB3.2 Gen1、 USB2.0、USB Type-C®などの試験サービスを行っています。認証試験に加え、接続互換性の確認や技術コンサルティングを通じて、お客様の製品開発を支援いたします。