Allion Labs/Doyen Tsou

プログラマーやゲーマーのようなコンピュータ使用者にとって、キーボードは欠かすことのできないツールとなってきています。2.4 G Hz Wi-Fi やBluetoothの無線キーボードは無線技術が成熟するにしたがって増加してきており、ユーザはより高速でより便利なキーボードを選択するようになってきています。

近年、無線は家でもオフィスでもe-sports会場などいたるところで使用されています。Wi-FiもBluetoothも同じ2.4GHz帯を使用しており、同じ環境の中でたくさんの無線デバイスが使用されているため、干渉問題が発生します。干渉は、無線接続の品質に影響を与え、ユーザエクスペリエンスを悪いものとしてしまいます。

無線キーボード使用中に干渉が起こると、下記のような問題が発生します。

  • 文字抜けや入力エラー
  • 入力遅延
  • BTドングルのPCへの接続に失敗

これらの問題によってユーザエクスペリエンスは劣化し、ユーザはメーカーの品質管理に疑問を持ったり、最終的にはブランドイメージも低下することになってしまいます。

そのため、無線干渉下でも安定した動作をすることが非常に重要となります。

アリオンは豊富な無線関連試験の経験をもち、Bluetoothキーボードが2.4GHz帯域のほかの無線干渉がある環境でどのような性能を持つかを適切にテストすることができます。メーカーはこれらのテスト結果をもとに、無線干渉下での性能をチューニングすることによって、ユーザエクスペリエンスの低下を防止し、ブランドイメージの低下を回避することができます。

ここでは、3種類のBluetoothキーボードを使用し、それらの無線干渉下での性能検証についてご紹介します。

環境構築

キーボード押下のスピードや頻度の違いは、テスト結果に大きく影響を及ぼします。

アリオンでは、ロボットアームを利用することによって、単一のスピードを提供し、一定の頻度で連続したキー入力を可能とするため、性能測定においてキーボード押下のスピード違いなどの影響を排除し、純粋な無線干渉の影響だけを評価することができます。

さらに、Bluetoothキーボードのテストは、電波暗室で行われ、これにより外部からの電磁波の影響を受けず、安定したテスト結果を得ることができます。

テストでは、家庭やオフィス、ショッピングモールなどの異なるユーザシナリオを想定した干渉信号(主にWi-FiおよびBluetooth)を作成しました。また、それだけでなく、RF機器のシミュレーションの制御方法も提供します。

■電波干渉のシミュレーションのために、ルーターの電波強度をコントロールします

■R&S、CMW100といったテスト機器を使用し、干渉の信号を制御、送信します

図1:環境構築のイメージ

Bluetoothキーボードの性能判断基準

アリオンが提供する基本的な無線の干渉テストの判断基準は、ユーザエクスペリエンスに基づいています。テスト項目は、キー入力の正確性、遅延、およびこの2つから導かれるクリティカルポイントの分析です。

■正確性:ロボットアームによって連続して300回キー入力し、それぞれのテストポイントを確認し、入力回数が正しいか、文字の欠けがないかを確認します。

■遅延:アリオンが開発した測定ツールを使用して、キー入力とモニターに表示される時間の差を記録します。

■クリティカルポイント分析:キー入力の正確性と遅延の結果がユーザエクスペリエンスに与える影響を分析します。

テスト結果

図2に3つの異なるメーカーのBluetoothキーボードのキー入力の正解性を示します。これによると干渉がない状況での性能はM社製のキーボードが一番良いことを示しています。

また、3種類の異なる干渉下では(干渉がそれほどひどくない家庭環境)、すべてのキーボードの性能は、干渉がない場合と比較して悪くなっていることがわかります。

図2:左は干渉がない状況での正解性テスト結果、右は3種類の異なる干渉下の正解性テスト結果

表1:遅延度に関するユーザエクスペリエンス

Latency User feelings
100m秒以下 ほとんどのユーザが違いを認識しない
100~200m 一部のゲーマーが遅延を感じる
200~400m ほとんどのユーザが遅延を感じる
400m 遅延が明らかとなり、ユーザが苦情を言う

表1に示すようなユーザエクスペリエンスの違いを検証するために、アリオンは遅延測定用のAIツールを開発しました。

図3に示すテスト結果では、干渉がないクリーンな環境ではM社製のキーボードの遅延は40~200m秒となっていました。低干渉の家庭使用環境下では、3つのすべてのキーボードの遅延は増加しましたが、それでもM社製のキーボードが総合的にはもっともよい結果を示していることがわかりました。

図3:左は干渉がない状況での遅延テスト結果、右は3種類の異なる干渉下の遅延テスト結果

上記の結果から、無線干渉がある環境下でも、M社製のキーボードは比較的良好な性能を維持できることがわかりました。

昨今は、家庭でもオフィスでも非常に多くの無線機器が存在するため、干渉の問題は避けられません。そのような環境下で優れたユーザエクスペリエンスを提供できれば、お客様の製品がより競争力のある製品となることでしょう。アリオンは、豊富な無線製品の評価の経験を持ち、お客様の製品が様々な環境下でより良い性能を出すための支援をさせていただきます。