Tag Archives: Bluetooth

全面検証で無線の死角を発見 Bluetoothキーレスエントリーを安定化

電動自動車への需要が、環境意識の高まりに伴い増加の一途を辿っています。電気自動車がもたらしたのは、これまでの車体構造やデザイン上の成約を取り払ったことによる技術革新に加え、車載周辺機器の進化です。Bluetoothなど無線を活用して操作可能な軽くて薄いアクセサリがスマートデバイスの主流となっており、様々な製品が開発されてきました。 これまで使用されていた物理キーに代わり、Bluetooth技術を採用したキーレスエントリーを導入し始めているのは、まさにスマートデザインの隆盛を物語っています。様々な無線技術の導入によって確かにスムーズで負担の少ないユーザー体験を得られるようになりましたが、一方で設計上困難な点も増えました。設計者は無線パフォーマンスの安定性についても注意が必要です。 全面検証で無線の死角を検出 アリオンの検証チームがテストを行った結果、Bluetoothキーは実際の使用場面においては、使用上の制限によってユーザーエクスペリエンスが損なわれていることが判明しました。検証チームは、電動バイクのBluetoothデバイスの総合放射電力(TRP:Total Radiated Power)と全等方感度(TIS:Total Isotropic Sensitivity)を検証するためにシールドルームでOTA(Over the Air)試験を行いました。その結果、車体にあるBluetoothデバイスの受送信には死角があることが分かりました。下図が表す凹んだ部分が死角になります。つまりこの角度からアンロックやロックの指示を送っても、バイクは何の反応もしません。想像してみてください。路傍にバイクを置き一時的に愛車から離れます。用事を済ませて帰ってきて普段どおりアンロックしようと思っても動作しなかったとしたら…。原因が分からないあなたはきっと焦燥感を覚えることでしょう。 TRSとTIS試験で分析した結果、この電動バイクは特定の方角からのBluetooth信号をキャッチできないようです。ユーザーがその方角にいた場合、アンロックできない可能性が高いということです。 無線品質のことなら - アリオンRF検証ラボ 無線製品の性能は様々な外因・内因から影響を受けます。例えばノイズ・同一チャネル干渉・隣接チャネル干渉、さらに使用者の習慣・使用環境などが無線性能低下の原因になり得ます。開発者は製品に導入する無線技術が標準仕様・法令制限に適していることを確認するほか、製品検査を全面的に行って問題点をいち早く特定し、解決策を打ち出すことが大切です。 [...]

スマートアシスタント ✕ スマートフォン 互換性検証 結果レポート

(この投稿は前回の続きです) スマートアシスタントはエンタメ情報の提供や天気やレシピといった情報検索、そして家庭内やオフィス、ホテルにあるスマートデバイスの操作や管理といった様々な用途で利用されています。一般的に、スマートアシスタントが命令を実行するためには、無線ルーターと接続してオンライン状態にする、Bluetooth経由でスマートフォンと同期させる、といった他のデバイスとの連携が必要です。 アリオンで接続性を確認するために無線ルーター20台、スマートフォン20台、そしてスマートアシスタント6台を様々な組み合わせでペアリングした際、一部の組み合わせで互換性に問題があることが浮き彫りになりました。今回は、Wi-Fi/Bluetoothの認証を取得した製品であっても、市場にある様々な製品同士による複雑なマッチングによっては、互換性の問題が発生する、という現象について述べています。アリオンが行なったWi-Fi/Bluetoothの互換性検証の結果をベースに、通信遅延、接続の失敗、UXの不一致、製品同士の接続性に起因する機能の欠陥について説明します。   よく使われるスマートアシスタントの機能 スマートアシスタントの機能の中で、成熟期に達している技術はエンターテインメント系の用途(例:音楽、ラジオ等)で、スマートアシスタントを所有する人たちの多くは、これらを利用している傾向にあります。米Voicebot AI.の調査によると、2018年1月には75%を超えるユーザーがスマートアシスタントを経由して音楽を聴いていることがわかります。Kim Bayley氏(CEO of Entertainment Retailers Association)とGeoff Taylor氏(CEO of BPI [...]

現実社会にある要因でスマートデバイスを検証しよう

IHSマークイットの調査によると、IoTデバイスの将来的な総数は、2017年の270億台から年間平均12%増加し続け、2030年には1250億台に達すると予想されています。無数のデバイスがインターネットに接続されることで、一部の無線チャンネルにアクセスが集中して接続上の問題が起きてしまい、結果的にユーザーエクスペリエンスの悪化へと繋がることが懸念されています。 従来の1対1形式の通信と異なり、IoTデバイスは1対Many形式の通信形態を取ります。IoTデバイスの性能は3つの要素に左右されます。製品そのものの性能、ネットワーク接続性、そしてユーザー環境/行動です。このため、製品を市場で販売する前に、これらの検証を行う新たな必要に迫られています。この記事では、現実社会にある要因を認識することで、ワイヤレス接続問題を解決するために使用されるIoTデバイス検証手法「ヒートマップ分析」の利用方法について説明します。 ユーザーがよく遭遇する一般的な接続問題を次で解説します。   1. 不安定な接続性 デバイスとデバイス(あるいはデバイスとAP)の距離と家庭内などの装飾物は、信号品質に影響を与える大きな要因です。例えば、リビングではWi-Fiアンテナがすべて表示されている状態なのに、ベッドルームでは1本しか立っていない、といったことがあります。無線信号は建築物のドアや壁面、その他構造物によって容易に状態が変化します。 2. 通信遅延問題 もう一つは、通信の待ち時間に関する通信遅延問題です。スマートフォンのアンテナ表示が全て立っている場合でも、ネットワークの寸断などが見られることがあります。通信遅延は、同じ空間で共存する信号(Wi-FiやZigbee、Threadなど)によって発生します。 3. ローミングキャパシティ不足 無線APの対応範囲には限りがあるので、接続デバイスは移動時の接続を維持するためにAPをローミングする必要があります。しかし、デバイスが様々なAPの中でスイッチングしていくことで、通信遅延や寸断などが発生することがあります。例えば、ロボット掃除機がキッチンの清掃からダイニングルームの清掃へと移行中(AP AからAP Bへとローミング中)にコマンドの送受信ができない、といったことが時折見られます。このような場合、掃除機はネットワークに再接続する必要があるため、ユーザー側の手間がかかってしまいます。 [...]