Allion Labs/Ralph Liao

リチウム電池とは?

リチウムイオン電池(LithiumIonBattery、略LIB)、別名リチウム電池は、リチウム金属またはリチウム合金を負極とした非水電解質溶液を用いた電池の一種です。リチウム金属の化学特性が非常に活発であるため、リチウム金属の加工、保存、使用は環境へ考えさせられることが多くあります。リチウムイオン電池中の電解液は、ゲルとポリマーの混合物です。電池の正極と負極は、リチウムイオンを受容、放出するためのスポンジのような物理構造を有する必要があります。充電中、リチウムイオンは負極から電解液中に移動し、スポンジにその水が入り、リチウムイオンは正極の穴に入っていき、放電の方向が全く逆になります。

現在電子産業でよく取り上げられているリチウム電池は、実はリチウムコバルト電池です。広義で充放電可能リチウム電池とは、黒鉛負極、コバルト、マンガンまたはリン酸鉄を用いた正極、およびリチウムイオンを輸送できる電解液から構成されています。リチウムイオン電池構造は現在正式に商業化に成功し、リチウムイオン二次電池として何度も充電して繰り返し使用することができます。これは、リチウムイオン二次電池の正極と負極に使用される化合物が材料構造に無理な変化を起こさずにリチウムイオンの出入りを促すことができるため、充放電中にリチウムイオンが正負極間を往復させることができるからです。

リチウム電池の標準的な電圧は3.7 Vですが、充電満タン時の電圧は4.2 Vまで貯めることが可能です。エネルギー密度は高く、サイクルの寿命が長いため、現在では多くの3 C製品がリチウムイオン電池を電源としています。リチウム電池の欠点としては過放電と過充電に耐えられないことであり、誤った使用は電池の寿命を減らすだけでなく、熱暴走による爆発、発火などの安全性にも問題があります。市場のほとんどのリチウムイオン電池には保護回路や電池のコアに防爆機構が搭載されています。

リチウムイオン電池の動作原理には正極と負極の間のイオン運動によるものです。理論上このメカニズムは永遠に有効ですが、時間が経つにつれて、使用頻度、高温、老化が性能を低下させる可能性もあります。そのため、メーカーはほとんどはリチウムイオン電池の寿命を300〜500回の放電/充電サイクルに指定した保守的な方法を採用しています。

リチウムイオン電池は熱を受けると同時にその圧力を受けるため、電池を高充電電圧にしているのと同じようになってしまいます。もし電池温度が30°C(86°F)以上であれば高温となり、ほとんどのリチウムイオン電池では4.10 V/cell以上であれば高電圧となります。バッテリーを高温にし長時間フル充電の状態にしていると複数回充電するよりもバッテリーが故障しやすくなる原因になります。

Battery Universityの研究によると、0°Cの温度で40%まで充電すれば、1年後の電池の状態は出荷時の98%を保持することができます。同じ0°Cの温度で100%まで充電したとしても、1年後の電池の健康度は出荷時の94%を保持することができます。しかし、40%と100%に充電する際、充電温度の増加に伴い60°Cの状態で100%に充電すれば、3ヶ月で電池の状態が60%になってしまうことがわかりました。ワイヤレス充電は電磁誘導による技術であるため、通電後の磁気コイルには磁場変化が生じ、電子の流れが充電可能な電流を発生させています。電流の発生時は必ず熱エネルギーが発生し、充電が速ければ速いほどその熱エネルギーは強くなるので、

出典:Battery University

ワイヤレス充電器は電池を速く充電するだけでなく電池の状態を長持ちさせます。そのため、充電時の温度をコントロールすることもワイヤレス充電器の考察点となっています。

充電温度vs充電速度

充電時の温度と充電速度に関連性があるかどうかを筆者は以下の設備を用いて相関実験を行いました:

 純正MagSafe充電器とその比較 

  • iPhone 12 Proを使用する上

電力量30%以内の充電時間が最も短く、80%以上の充電時間が最も長く、30から80%の充電部分は10%あたりの充電時間が20分近くかかりました。

また、充電時の温度は平均約40度程度であり、80%になると温度が低下し、Apple純正品が充電速度と温度のコントロールに関しても最も優れていることを示しています。急速充電をするために電池や充電器の状態を犠牲にすることはありません。

  • Samsung S9を使用する上

Samsung S9では、このワイヤレス充電器がSamsungの携帯電話に対してその相性に限られる可能性があり、0%から10%の部分では充電時間が比較的長く、約20分ほどかかります。携帯ケースを通して充電をする場合はケースなしで充電する場合より固定感が失われ、その充電時間は急に速くなったり遅くなったりする場合があります。

総合的な比較すると、iPhoneは一貫して良いパフォーマンスをしており、品質管理も比較的よく行われているといえます。

 B社のMagSafe Compatible充電器とその比較 

  • iPhone 12 Proを使用する上

B社のMagSafe Compatible充電器では、iPhone 12 ProとAppleの純正であるMagSafe充電器でのパフォーマンスの差はあまりないことがわかります。

  • Samsung S9を使用する上

保護ケースをつけた場合Samsung S9では10%ごとに20分程度の充電速度で維持できることがわかりました。iPhone 12 Proのように最後の80%以降の充電時間が長くなることはなく、温度の面でも40度前後を維持していました。またiPhone 12 Proのように80%後に明らかな温度低下があるわけではありませんが、Samsung S9は保護ケースをつけた後も同じ速度で充電しているため、iPhone 12 Proを保護ケースをつけて充電している時に比べて、電池のメカニズムが少し劣っている可能性があるため、電池への脅威という安全性の懸念点があります。

 C社のMagSafe Compatible充電器とその比較 

  • iPhone 12 Proを使用する上

Apple携帯電話に保護ケースをつけた場合、基本的にケースなしに比べて10%あたり40分近くの充電時間になっていて、温度も40度前後ではありますが、単純に充電時間が遅くなっています。保護ケースの厚さが加わると、MagSafe充電器とapple携帯電話の間の電磁誘導能力が十分ではなくなってしまうため充電が遅くなってしまうことが推測されます。

  • Samsung S9を使用する上

Samsung S9では、保護ケースを付けるとケースなしで充電する場合よりも正常に充電しており、充電時間は10%ごとで20分程度になりました。ケースなし充電時にはグラフ曲線からみて充電時間が一定でないことがわかります。Apple社純正MagSafe充電器とB社の充電器のテスト結果に比べて、大手メーカーでテスト検証された充電器の方が携帯電話と充電の安全性に保障されていることと言えるでしょう。

まとめ

将来幅広いデバイスは防水・防塵対応のために、ワイヤレス充電の普及を促すことが予測されますが、上記のテスト結果を比較すると、ワイヤレス充電器の温度コントロールや安全で速い充電速度が重視しなければならないポイントとなっていることはわかっていただけたと思います。

MagSafe/MagSafe Compatible充電器/ワイヤレス充電器について、アリオンは以下のテストに対応することが可能です。

  • 互換性テスト
  • 機能性テスト
  • 耐久性テスト
  • ユーザーエクスペリエンステスト
  • 競合製品の分析と品質向上コンサルティング

上記のテストのほか、アリオンはお客様の様々な製品に対してカスタマイズされたテストソリューションを提供します。製品設計の初期から製品仕様の策定や製造時の品質管理、不具合発見・分析までトータルサポートします。さらにアリオンは、システム、スマートフォン、USBハブ、Power Deliveryアダプタなど、包括的な設備とブランドをカバーしており、お客様の製品に対し最高の品質管理を行うことができます。

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