Allion Labs/Tina Yu

市販されている電子製品の中には、HDMIインターフェースにHDMIのラベル(下図)が貼られているのをよく目にします。このロゴは当該製品が認証試験を合格し、HDMIの管理団体であるHDMI Licensing Administrator, Inc.(HDMI LA)から要求された規格に準拠し、市場で販売することができることを示しています。

(資料出典: HDMI公式サイトhttps://www.hdmi.org/)

すべてのHDMI製品はHDMI認証試験に合格しなければなりません。通常HDMI認証試験を行う際に、テストエンジニアは専用のHDMIテストフィクスチャを通じて、各試験項目の手順に従い、必要な電気特性数値及び関連パラメータを測定しPass/Failの判定を行います。HDMIテストフィクスチャはHDMIコネクタの19 pinを取り出し、測定器への信号の橋渡しを行う役目を担います。このため、試験テストフィクスチャは認証試験では極めて重要な役割を果たしていると言えるでしょう。

HDMIテストフィクスチャにおける潜在的なリスクとは?

優れたテストフィクスチャを用いることにより、自身の特性を排除し、忠実にHDMI製品の電気パラメータを測定することが可能です。一方、欠陥のあるテストフィクスチャを使用する場合、自身の特性がHDMI製品のパラメータに影響を与えてしまい、誤った試験結果となりかねません。

HDMI規格では、差動インピーダンスが75Ωより低い場合はFailと判定します。下図を例として、テスト機器にSMAケーブルのみを繋いだ場合では赤い波形となり問題ありませんが、HDMIテストフィクスチャに接続した場合では、白い波形のように測定結果が75Ωより低くなり、テストフィクスチャ自体には問題があることがわかりました。

テストフィクスチャは規格に準拠しなければ、DUTを測定する際に測定値を正しく得られないでしょう。実際の測定結果の通り、テストフィクスチャ自体の良し悪しは直接に試験に影響することが分かります。

テストフィクスチャがHDMI規格を見たいしているかどうかをどうやって確認するのか?

HDMI LAのリリースした仕様書の他、現在最新のHDMI 2.1aの仕様書にもマッチングコネクタについて定義の規範があります。詳細は下記の通りです。

1. インピーダンス: 100Ω±10% (Note:A single excursion is permitted out to a max/min of 100Ω±15% and of duration less than 150ps) 

  • マッチングしたコネクタとケーブルに対する規格を両方参考した上で、コネクタ側の要求が同じということが分かります。つまりインピーダンスが規格を満たせば、試験に影響しません。
  • <アリオンのアドバイス> 設計で注意すべきこと:
    コネクタはCAT3の品質を満たすコネクタを選び、PCB板材は高周波用の材質を選択(例: Rogers)することを推奨します。必要な線幅はソフトウェアに応じて必要な抵抗値を試算することができます。

2. インサーションロス: from 0.3dB to 6dB at 12GHz 

  • コネクタとケーブル規格を比べてみると(下図の通り)、コネクタの設計はケーブルより厳しいことが分かります。このため、試験に影響しないように関連設計は規格を満たすか、または上回る必要があります。
  • <アリオンのアドバイス> 設計で注意すべきこと
    設計でPCBのルーティングで信号のロスを避けることを推奨します。例えばできるだけ信号が連続しない媒質伝送による過剰なロス、又はPlating ViaによるStubでロスが大きくなることを避けます。

3. ACR (far-end) : from -35dB to -10dB over the frequency range 0-12GHz

  • コネクタとケーブル規格を比べてみると(下図の通り)、コネクタの設計はケーブルより厳しいことが分かります。このため、試験に影響しないよう規定の品質を満たすか、またはそれ以上の品質に合わせて設計する必要があります。
  • <アリオンのアドバイス> 設計で注意すべきこと
    設計ではIL規範を満たすかどうかを確認します。クロストークはルーティングの間の3Wの原則を守り、又はビア、ブロックなどを追加する方法で、信号が影響されないようにします。

アリオンの高周波検証サービスと自社開発したテストフィクスチャ

アリオンは業界最先端かつ全面的な高周波検証・評価テストと関連テストフィクスチャの開発設計サービスを対応しております。アリオンではお客様のニーズに合わせたカスタマイズ可能なテストフィクスチャを提供し、新製品開発に貢献します。

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