CES(国際家電ショー)で毎年注目を集めていたスマートフォンですが、2015年のCESでは人々を驚かせるような新製品はどのメーカーからも発表されませんでした。スマートフォンは既に技術的に成熟していると見られており、各メーカーの製品には大きな違いがなく、また革新的な技術も見られません。一方で2014年に続いて2015年の展示会でも最も注目度が高かったのはウェアラブル端末でした。アリオンはこの最先端製品に焦点を当てて、未来のトレンドに関する4つのポイントを整理しました。
1. センサーとスクリーンの普遍化
将来的にはスクリーンとセンサーが至る所に溢れることになると考えられています。例えば寝室のスマートミラー、調理台を映し出すキッチン用プロジェクター、巨大なデジタル看板など、携帯可能な小型サイズから大型のスクリーン、更にはコンピュータで制御された自動車に至るまで、すべてが通信制御できるようになることでしょう。クラウドを利用することで、携帯端末か備え付けの端末かに関わらず、すべてのインターフェイスを制御することが可能となり、製品同士の境界線はますます曖昧になります。
2. 新たな移動手段の登場
新たな移動手段の提案として、電動スクーターが更に進化して電動ローラーシューズとして再構築されるなど、CESでは数多くの画期的な製品を見ることができました。このような製品は手の届かない場所にあるように思えますが、例えばGogoroの電動スクーターは、旅行における新たな移動方法の選択肢を提供しています。
3. スマート家電の拡大
「スマート」と「ネットワーク」の二つは、CESにおいて最も重要なキーワードでした。今やどこへ行っても様々なタイプのセンサーを目にすることができます。例えば玄関の扉では、コンピュータビジョン技術を搭載したカメラが顔認識でゲートを自動的に解錠したり、腰に巻いたベルトがユーザーに対して運動するように促したり、リビングのTVがおすすめの番組の視聴を提案したりします。このような技術は『人間的思考』をベースにしているため、日常生活の中に自然に入り込むことで、『何をするのか自分で考える』というごく当たり前の機械を減らすきっかけになるかもしれません。それ故に考えさせられることもあります。たとえば、人間の思考がネットワークとプログラミングによってコントロールされてしまうような、映画のような未来が現実となってしまうことも、あり得ない話ではありません。
4. 使い勝手を考慮したヒューマンインターフェイス
これまでの操作方法といえばマウスとキーボードによる操作が主流でしたが、今では徐々に直感的なジェスチャを使った方法に変わってきています。スマートウォッチ、アイトラッキンググラス(Tobii)、ジェスチャーリング(Ring)やリストバンド(Fitbit)といった製品は、我々の生活の中に徐々に溶け込みつつあります。デザインの力でウェアラブル製品はどんどん洗練され、お洒落な製品として販売されるようになりました。ウェアラブル製品はスマートフォンなど他の製品と組み合わせて利用するケースが多いため、他の製品との接続互換性や、製品同士を連携するためユーザーインターフェースの使い勝手がますます重要な購入要因となることでしょう。
今回のCESでは数多くのネットワーク家電を見ることができました。アメリカの調査機関であるIDCが公表したデータによると、スマート家電市場は2013年から2020年までに年間成長率が17.74%に達し、2020年には517億米ドルの市場規模となることが予想されています。2015年現在、市場は既に新しいスマート家電製品で溢れかえっています。携帯電話を使って電源のOn/Offができるといったこれらの新製品に対して、消費者は欲しいと思いながらどこか思いとどまっている部分があるようです。スマート家電技術をもっと普及させるためには、人々の生活や利用習慣を取り入れることで、よりシンプルでスマートなシステムを提供する必要があります。
スマート家電を開発する際、家庭内には複数の人が暮らしているという点を見落としがちです。アリオンは認証試験と技術コンサルティングの専門機関として、ユーザー利用状況をシミュレーションした包括的な検証サポートを提供します。各種認証サービスや相互接続性試験の豊富な経験を持つアリオンに、ぜひお気軽にお問い合わせください。
G.hn規格とコンティニュア規格の紹介
HomeGridフォーラム(以下HGフォーラム)からアジアで初めて認定を受けた試験場所として、アリオンはCES 2015においてG.hn規格のプロモーション活動をHGフォーラムと共同実施しました。HGフォーラムは次世代の有線ホームネットワーク規格「G.hn」を推進する業界団体であり、世界最大級の通信サービス業社、システム・チップセット製造業者など数多くのメンバー企業で構成されています。CES2015ブースではG.hn規格を組み込んだスマートTVとWi-Fiルーターを展示しました。また、G.hn規格における3種類の主要なシステムタイプ(電源線、同軸ケーブル、電話回線)を含めた複数ベンダー間の互換性機能デモを実施しました。これは、G.hn電源線とPLC(電力線通信)スマートホームシステムを介してHD映像を複数のTVに映すという大規模なネットワークを構築しています。
アリオンのグローバル技術統括本部長であるMark Lai は、CES 2015におけるHGフォーラムとの共同展示について次のように語っています。「アリオンは本イベントに際してHGフォーラムと共同展示したことを光栄に思います。G.hn規格は家庭用送電線、同軸ケーブル、そして電話回線上による信号伝達網を構築する有線ネットワーキングプロトコル技術規格です。G.hn規格は簡単な導線配列というワイヤーの持つ長所を備えており、既存の家庭内ネットワークに依拠・干渉することなく導入できます。従って、ますます多くの中~大規模通信サービス業社がG.hnのテクノロジーに興味関心を抱いています。」
G.hn規格はここ数ヶ月で大きな躍進を見せています。アリオンはアジアで最初にHGフォーラムから認定を受けた認証試験場所として、特にアジアの通信サービス業社と製造業者を対象に、確認試験、アプリケーションプロセスのサポートといったG.hn規格にまつわる幅広い範囲の技術的なコンサルティングサポートを提供しています。
一方で、アリオンの日本ラボと台湾ラボは、国際標準化推進団体であるPersonal Connected Health Alliance(以下PCHアライアンス)よりコンティニュア・テスト・ラボ(以下CTL)として認定され、日本で初めてのコンティニュア認証試験機関となりました。本認定を受け、コンティニュア認証試験サービスおよび認証取得に関する技術コンサルティングサポートの提供を開始します。
PCHアライアンスは、パーソナル・ヘルスケアの質的向上のために、健康機器や医療機器のデジタル化促進と通信規格の統一を目的に設立された国際標準化推進団体であり、標準規格であるコンティニュア規格を推進しています。会員数は全世界で200社以上にのぼり、日本の会員企業としては富士通、エー・アンド・デイ、オムロン、パナソニック、シャープといった大手IT機器メーカーが参画しています。
アリオンはCTLと認定されたと同時に、当社の技術者がCCE(Continua Certification Experts)として日本で初めて認定を受けました。CCEとは、PCHアライアンスによって認定されたコンティニュア認証の専門家であり、認証プロセス、設計ガイドライン、認定テストツールの利用に精通しています。アリオンは認証取得を希望するメンバーを支援するために、CCEを通じた認証試験および技術コンサルティングサポートを提供します。
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