台湾経済日報(Economic Daily News)が主催するイベント、台湾テクニカルフォーラム2015(The 2015 Taiwan Technical Forum)が7月28日に閉幕しました。今年のメイントピックは「モノのインターネット(IoT)」に関連するデバイスとアプリケーションでした。とりわけ、IoT分野の中でも最も注目を集めているのが、『スマートホーム』です。我々の生活において身近に使用されるこれらのデバイスは、近年、様々なメーカーが対応デバイスを作り出しており、新たなビジネスチャンスを掴むべく市場を拡大させています。

スマートホーム市場は成熟が早いことから、2016年中にはスマートホームデバイス需要増大が見込めるとメーカー各社は予測しています。市場シェアを効率的に獲得するためには、マーケティング戦略に注力するだけではなく、製品性能や安定性、互換性といった部分にも注力する必要があります。

 

Smart Home Market

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例えば、パーソナルヘルス・フィットネスに絡む多くのデバイスは、無線ネットワーク技術を取り込むことで、よりスマートなデバイスへと進化する潜在性を持っています。国際的なヘルスケア機器の標準規格であるコンティニュアは、体温計や血圧計などのヘルスケア機器と、携帯電話やPCなどのIT機器との間によるシームレスな接続を促す技術規格であり、日常生活で得られた身体測定データを活用した生活習慣病の予防や、慢性疾患の管理等を簡単に行うことができる環境の構築を目指しています。このため、あらゆる種類のスマートデバイス群が互いに通信できるよう、技術を標準化することにスマートホームの将来性がかかっていると考えられています。

近年、大手ブランド各社はスマートホームデバイスを次々と発表しています。

 

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Source: www.amazon.com

2014年の年末、Amazonは人工知能スピーカー『Echo』を発表しました。Echoはインターネットに常時接続されていて、天気予報や交通情報、スケジュール、ネット検索、照明など家電の操作まで、人の言葉で命じることができます。Forbesによると、AmazonEchoを、様々なサービスに繋がるプラットフォームとすることを目標としているようです。

 

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Appleは、自社の提供するHomeKitプラットフォームに厳密なセキュリティ要件を課しています。一例として、Bluetooth LE認証またはWi-Fi認証を取得した製品だけが、HomeKit対応デバイスと接続することができます。加えて、Apple3072-bitの認証キーと、高いセキュリティを誇る暗号化方式『Curve 25519』を利用することをメーカー各社に求めています。

 

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Source: https://nest.com/

Googleは、2015年のGoogle I/O conferenceIoT向けプラットフォーム『Brillo』と、JSONベースのクロスプラットフォームである『Weave』を発表しています。この二つにより、Wi-FiあるいはBluetooth LEネットワークを利用した機器通信が可能となります。

 

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Windows10では、『AllJoyn』と呼ばれるIoTフレームワークをサポートしています。AllJoynとは、150社以上の会社から成り立つ非営利団体『AllSeen Alliance』が推進するオープンソースのIoTプラットフォームです。これによって、Windows10ユーザーはPC上からスマートデバイスを操作できます。

 

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Source: www.mi.com

急成長を続ける中国の通信機器メーカーである小米科技(Xiaomi、シャオミ)もスマートデバイス市場に参入し、エアコン、ウィンドウセンサー、浄水器、TVといった製品ラインの拡張を続けています。Xiaomiは近い将来、自社製品を統合し、スマートホーム市場へと展開することを計画しています。

 

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Source: http://www.z-wave.com/

Z-Wave(www.z-wave.com)はスマートホーム技術で主に使われる無線通信プロトコルの標準規格です。認証された1000以上の製品が様々なサプライヤから販売されており、製品同士は相互接続性を持っています。

IoT市場は非常に大きな市場だと考えられています。スマートサービスが急成長を続ける中で、メーカー各社は相互接続性とユーザーエクスペリエンスの改善にさらなるリソースを注ぐことになるでしょう。接続形態が多様化した結果、Wi-FiBluetoothUSBといった幅広い標準規格の接続性とパフォーマンスについて、メーカーは常に確認することを求められています。

IT 製品に対する国際的な技術評価・品質検証企業であるアリオンでは、スマートデバイスに関わる製品に対する相互接続性の確認や、G.hn認証を初めとした各種規格ロゴ認証試験など、総合的な試験サービスを提供しています。また、協会認定のCTLContinua Test Lab)としてコンティニュア認証試験を提供しており、認証取得に関するコンサルティングサポートを実施しています。

アリオンのスマートホーム検証については、以下の記事もあわせてご参照ください。

リアルな生活環境をシミュレート、アリオンの新たなスマートホーム検証