GPSの2000年問題と呼ばれる「GPS週数ロールオーバー問題」が、今年の4月7日(日本時間)に迫ってまいりました。使用中の機器がこの問題に対応していない、もしくはパッチが提供されていない場合、タイムスタンプがリセットされ、システムとナビゲーションにエラーが起きることが予測されます。アリオンは最新の検証ソリューションを提供しており、GPS日付をシミュレーションすることで製品性能を確認しています。

GPSでは「GPS時」と呼ばれる独自の時刻体系が使われています。年・月・日や時・分を使わず、現在の時刻を、起点から○週目の○秒目といった具合に「週」と「秒」だけで表現するのが特徴です。「週」数(=週番号)を表現するために割り当てられているのは10ビットなので、0~1023までの数値しか扱えません。値が増えていくと2の10乗、1024週目(約19.7年)でゼロに戻ります。この現象は「GPS週数ロールオーバー」と呼ばれています。前回ロールオーバーを迎えたのは1999年8月で、そこから1024週経った2019年4月7日に次のロールオーバーが発生します。

図1 – 「週」数を表現するために割り当てられているのは10ビット(0~1023まで)
(Source:GPS公式サイトより https://www.gps.gov/technical/icwg/IS-GPS-200J.pdf)

基本的には前回発生した問題の時点で対応済みであることがほとんどですが、GNSS専門家である台湾Allion Labs Inc.のThomas Chang (トーマス・チャン)は「スマートフォンや車載機器、カーナビゲーションシステム、ウェアラブルデバイスまで様々な目的で利用されているGPSに対し、万が一の対応は必要だと考えています。実際の検証現場では問題を抱えた製品が少なくないので、確認を怠らない姿勢が重要です」とコメントしています。
一般企業にとってGPS信号のシミュレーションは技術的に困難です。アリオンはGPS信号検証の専門機器、ソフトウェアを保有しているので、ご希望に沿ったGPS/GNSS信号をシミュレーション可能です。指定された時間・場所の信号を発生することで、デバイス性能を確認しています。

アリオンはWi-Fiを始めとした様々な無線関連の標準化団体に加盟しており、ロゴ認証各種やデバッグサービス、相互接続性検証などを提供しています。また、客観的なアドバイスと検証をサポートするパートナーとして、開発期間の短縮や製品品質の向上、顧客満足度の改善といった技術支援を提供しています。

GPS週数ロールオーバーに関して何かご不明点があれば、遠慮なくご連絡ください。

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