素早く簡単なWi-Fi接続で強固なセキュリティを実現

携帯電話やタブレット、ウェアラブル機器といったモバイル機器が市場に普及していくのに伴い、多くの電機メーカーはNFCNear Field Communication、近距離無線通信)技術を製品の基本スペックとして標準搭載し、製品同士がより素早く、かつ便利に接続できるようになりました。市場リサーチ会社であるIHSのレポートによれば、NFC搭載のスマートフォンは世界市場で大幅に成長する見通しとなっており、出荷台数は2013年から2018年にかけて4倍以上に拡大し、12億台に到達すると予想されています。また、データ送信機能の他に、データ受信、処理能力、ストレージ機能、トランザクションといったNFCが持つ便利な機能に対する需要が高まってきています。ここで重要なのが、データの送受信を行う上でのセキュリティ問題です。NFCを利用することによって、重要なデータを漏洩することなく個人やグループ、更には公共のエリアで直接やり取りが可能となり、セキュリティ上の不安要素を取り除くことができます。

NFC技術を搭載したモバイル機器の世界出荷台数 (Source: IHS Inc., February 2014)

Wi-Fiアライアンス(WFA: Wi-Fi Alliance)は市場のニーズ予測を受け、Wi-Fiのセキュリティ方式であるWPS(Wi-Fi CERTIFIED Protected Setup™)の仕様を更新し、NFCで接続する新機能である「Tap-to-Connect」をWi-Fi仕様の範疇に加えました。実際、WPS2007年から業界標準規格として簡単かつ安全な接続方式をいくつか提供していました。電機メーカー各社は、最高のセキュリティレベルを追求し、WPSWi-Fi認証の主要項目の一つとして捉えています。Wi-FiNFCとのコラボレーションによって、より安全性の高い「Tap-to-Connect」という新しい接続方法が実現されるとWFAは注目しています。

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WFAの定めたセキュリティ方式であるWPSでは、今ではユーザに向けて三種類の簡単なワイヤレスネットワークの設定方法を提供しています。暗証番号(PIN)方式、プッシュボタン方式、そしてNFC方式の三つです。これによりパスワード入力やボタン操作の手間をかけず、2台以上のNFC機器による「Tap-to-Connect」だけでWi-Fi接続ができるようになります。これは、WPS機能が自動的にネットワーク名称を生成し、暗号化されたWPA2Wi-Fi Protected Access)によって強力にセキュリティ保護された状態でデータの送受信が行われます。

こうして、カメラ、ゲーム機器、スマートホーム製品、白物家電といった一般消費者向けの製品はNFCを通じて簡単に素早くWi-Fi接続が可能になります。従来の製品で必要だった設定の手間を省くことにより、これまであったユーザーインターフェースの制限や、従来必要だった設定の手間を気にすることなく、「Tap-to-Connect」だけでWi-Fiとの接続がより安全にできるようになります。

数百万台に及ぶ市場のWi-Fi対応機器が持つ優位性によって、WPS認証はNFC技術を普及させるための大きな助けとなっています。例えば、スマートホームや車載エンタテイメントを利用する場合、NFCによって素早くWi-Fi接続できるようになります。このように、機器同士や生活空間におけるWi-Fi通信接続の需要はどんどん広がり、技術的にも進歩している状況です。アリオンはWFAから認められた正式な第三者認証試験ラボとして豊富なWi-Fiロゴ認証試験の実績があります。また近日、NFC対応のWPS認証及びWi-Fi Direct認証の正式な認証試験ラボとして初めて承認されました。

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