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高速Thunderbolt PCの転送効率が、古いコンピューターよりも遅いのはなぜ?

USB4およびThunderbolt 4製品は、個人のノートパソコン、拡張ポート、モニター、外付けハードドライブ、外付けグラフィックスカードなどへ広く普及しています。最近インテル社は、Thunderboltケーブル1本で高速データ転送と高解像度の画面を楽しむ最大で単方向120Gbpsの転送をサポートする、Thunderbolt 5を2024年にリリースすると正式に発表しました。高速転送が主なセールスポイントとなっていますが、アリオンが実際にテストした結果、実際の転送効率が低いと、ユーザーエクスペリエンスが大きく損なわれる可能性があることが分かりました。 Thunderbolt転送効率がもたらすリスクと解決策 高速転送の恩恵を受けるにあたり、優れたユーザーエクスペリエンスを実現するには安定性が鍵となります。データ転送中に速度低下やデータ損失、高画質ビデオ視聴時の画面ちらつきや画質の低下などが起これば、ユーザーは不快に感じてしまうように、信号品質の良し悪しで安定性が保証されます。アリオンの豊富な実際の協業事例の中で、ある消費者がThunderbolt 4を搭載した新しいノートパソコンを購入し、Peer to Peer機能を使って古いパソコンのデータを新しいパソコンにバックアップしようとしたところ、読み込み時間が古いコンピューターに比べて2倍以上の時間がかかり、客からクレームが発生した、という事例を扱ったことがあります。  解決策  アリオンはThunderboltの認証試験ラボとして、デバッグコンサルティングサービスも提供していますが、これまでの経験から、問題の大部分は製品自体のハードウェア設計に関連していると見ています。問題を特定するために、お客様にBit Error Rateテストの実施を提案し、ノートパソコンを最も厳しいテスト条件でテストしたところ、案の定ビットエラーが発生していることが確認されました(下の図の赤枠)。 Faster、Easier、Better ― 最も信頼できる検証コンサルタント アリオンは長年にわたる豊富なテスト経験を蓄積しており、専門的な認証テストを提供するだけでなく、お客様のニーズに応じたテストプランをご提案します。また、製品品質向上をサポートし、効率と品質を兼ね備えつつ、お客様にご満足いただけるサービスを提供します。  Faster ー より迅速  [...]

なぜThunderbolt SSDの転送性能がこれほど低い?アイパターンテストで解明
なぜThunderbolt SSDの転送性能がこれほど低い?アイパターンテストで解明

Allion Labs  まず本題に入る前に、以下の使用シーンを想像してみてください。おそらく皆さんもよく経験された状況だと思います。 あるユーザーはストレージ体験を向上させるため、自身が持つノートブックがThunderbolt 3/4をサポートしていたことから、市販されているThunderbolt 3のNVMe SSDを購入しました。使用してみたところ、SSDの読み書き速度がUSB3.2 Gen2程度止まりで、Thunderbolt 3のスペックに達していないことが判明しました。これはユーザーの期待に応えられていないばかりか、「使える」とすら言えない状態でした。 これは単にそのユーザーの運が悪く、問題のある商品を購入してしまったからというだけという話ではなく、率直に言えば、このようなケースは珍しいものではありません。一般論として、ソフトウェアなどの要因(たとえば特定のドライバーをインストールしないとThunderbolt 3/4の転送速度に到達できない場合など)を除けば、多くのユーザーが似たような経験をしています。では、自分のコンピュータがUSB3.2 Gen1で、購入したSSDのスペックも同様にUSB3.2 Gen1であるにもかかわらず、なぜ転送速度がUSB3.2 Gen1の速度に達しないのでしょうか?また本案のように、コンピュータとSSDの両方ともThunderbolt 3およびThunderbolt [...]

インテルによる高速信号インタフェース: Thunderboltの展望

Thunderboltの原型は、2009年にIntelからLight Peakの開発コードで高速転送技術として発表された。その後 2011年に正式にAppleの新MacBook ProにThunderbolt技術が搭載され、関係業界から新たな高速大きく注目された。しかし、注目された割には、ケーブルとコネクタが高価、サポートする周辺機器が少ない為、普及率は大きく伸びる事はなかった。   しかし2013年になって、Intelが推進するUltrabookのコンセプトが普及しコンピューター機器が軽薄、軽量の方向へ発展し、大容量なマルチメディア対応の高品質な映像、音声ファイルを転送するニーズが増え、高速転送技術を備えたThunderboltにとって、有利な要素が揃い始めた。Ultrabookの中でThunderboltが外部インタフェースとして位置付けられた事で、より多くの新世代製品、及び周辺機器が採用し市場での普及率も2013年下半期から大きく向上すると期待されている。加えて注目するべきなのは、Intelが最近さらに進んだ第二世代のThunderbolt技術規格を発表したことである。この新規格では20 Gbpsの双方向データ転送が可能で、4k画質の動画を録画と同時に表示できるだけでなく、現在のThunderbolt 1.0のケーブル、ストレージ及びモニター等周辺デバイスとも互換性がある。 技術面から見ると、ThunderboltはDisplay portにより高画質の画像インタフェースに対応し、PCIeのインタフェースを内部システムバスから外部へ引き出して、それぞれを同時に使う事が出来る。既存のPCIeインタフェース対応の各種製品は、Thunderbolt上で使うことが出来る。言い換えれば、Thunderbolt技術はグラフィックスプロセッサー、メモリー及びモニター等周辺部品の全てを単一のインタフェースに統合することができる。現行のその他システムバス装置、たとえばDVI、SATA、USBあるいはHDMIなどを置き換え、コンピューターあるいはノートブックコンピューターの外部接続の単一システムバスになることができるのである。これは異なるデバイス間の接続と互換性を高めるだけでなく、薄型化、軽量化のシステム設計のために自由度を上げる事につながる。 Thunderbolt対応機器を複数使用する場合には、上図のようにデイジーチェーンを使い接続が可能であり、1つのケーブル辺り6台まで接続可能であり、2チャンネル利用の場合には、最大12台まで拡張が可能となる。 光ファイバーケーブル(オプション)により、伝搬遅延の殆どない接続が可能である。 Thunderbolt技術を採用するマイクロソフトOS、x86システムのサーバー、コンピューター、モニターとノートブックコンピューターはますます増加し、関連システム支援、チップモジュールの登場はそれを加速するだろう。 現状のThunderbolt 1では双方向の10Gbpsの2チャンネルの伝送が可能であるが、今次世代のThunder2では20 [...]