Tag Archives: VESA

MacもVRRに対応!性能と実際のパフォーマンス、MacとWindowsの選び方は?(下)

Allion Labs / Ralph Liao  先日ご紹介した記事「(上)、(中)」で触れた様に、VRR技術がますます重要視されています。現在、市場におけるグラフィックカードの大手メーカー2社は、それぞれ独自のVRRサポート技術を持っており、Intel陣営も、第11世代(およびそれ以降)のプロセッサに内蔵されたIntelグラフィックでサポートしています。アリオンは、実験データに基づき、様々なブランドのモニター性能の違いを、ゲームの更新頻度を用いて分析しました。 VRRの設定について お使いのモニターとグラフィックカードがVRRをサポートしている場合、パスを示した以下の図の様に、グラフィックカードのGUIからこの機能のオン/オフを選ぶことができます。 AMD社のグラフィックカードのFreeSyncのパフォーマンスは、MacのVRRとは異なります。Macでは、ユーザーが変更を選択すると、画面はサポートされている最低FPSに下がり、マウスを動かしたり、Webページをスクロールすると、画面のFPSは上がります。しかし、AMDのFreeSyncでは、システム設定の画面リフレッシュレートを固定リフレッシュレート(例144Hz、165Hz、240Hz)に設定する必要があります。ユーザーがマウスを動かしたり、Webページをスクロールすると、画面のリフレッシュレートが指定された最高のリフレッシュレートから下がり、何も動かさなければ、指定されたリフレッシュレートに戻ります。画面のリフレッシュレートを60Hzに設定したとしても、画面のサポートする最低変動リフレッシュレートが48Hzであれば、画面がこの低いリフレッシュレートにまで下がることはほとんどないため、画面のVRRが動作していないという印象をユーザーに与えてしまいます。 NVIDIA G-Sync 設定のパスは以下の通りです。 NVIDIAのグラフィックカードについて、G-Sync、G-Sync Compatibleモニターの設定方法はAMDグラフィックカードと同じです。まずシステムのディスプレイリフレッシュレートを最高固定リフレッシュレートに設定する必要があります。一般的な使用では、モニターは常に最高のリフレッシュレートを維持しますが、ゲームを遊ぶ時にだけ、モニターがVRRをサポートするためにリフレッシュレートを自動に調整します。また、NVIDIAのグラフィックカードでは、「チェックボックスにチェックを入れなければ、ゲームを遊んでいるとモニターのVRRが動作しなくなります。 Intel [...]

MacもVRRに対応!性能と実際のパフォーマンス、MacとWindowsの選び方は?(上)

Allion Labs / Ralph Liao  VRRとは? VRR(Variable Refresh Rate)または可変更新レートは、この技術でテレビや画面のリフレッシュレートを自動的且つ即座に調整し、PCグラフィックカードやゲームコンソール (フレームレート) が出力するフレームレートに一致させることを指します。これは、画面が異なるフレームレートに応じて対応する画像を出力できることを意味し、ゲーム中にフレームレートが上がったり下がったりしても、画面をスムーズに動作させること保証するものです。 画面上の画像更新がPCグラフィックカードの伝送速度と同期していない場合、画面にティアリングが発生します。画面のティアリングは、視覚的な感覚の問題であり下の図に似ています。同じ画面で、下半分の画像が上半分の画像と同期して表示されず、切り取られたように表示されます。 ゲームは毎秒60フレームのレートで出力され、複雑なシーンではフレームドロップが発生することがあります。VRRをサポートしていない画面を使用する場合 (通常固定の更新レートは60Hz)、グラフィックカードによって落とされたフレームレートが毎秒60フレームを下回ると、画面とグラフィックカードの間で同期されない事象が発生し、画面のティアリングが発生します。逆に、使用する画面がVRRをサポートしている場合、画面のリフレッシュレートはシーンの複雑さによって変わります。グラフィックカード側は、グラフィックカードのリフレッシュレートに合わせて異なるフレームレートを出力するため、画面のティアリングが発生せず、ゲーム体験が向上します。 VRRをサポートしているテクノロジーは? [...]

VESA AdaptiveSync技術と実測経験について

Allion Labs/Lexus Lee VESA AdaptiveSync技術について語る場合、有名なグラフィックカードGPUメーカーのAMDについて話す必要があります。最初にAMDが2014 年にAdaptiveSyncのアイデアをVESAに提出し、その後、この技術を応用したい人が使えるように、AdaptiveSyncホワイトペーパーにしました。この技術は、主に下の図のようにモニター上でゲームをプレイする際、ティアリング(tearing)やスタッター(stutter)という現象を解決するためのものです。現在AMDはAMD FreeSyncとして、NvidiaはNVIDIA G-Syncテクノロジーとして、それぞれ独自に開発しましたが、依然として主にティアリングとスタッターの問題を解決するために使用されています。 もちろん、AdaptiveSync技術には他の利点もあります。例えば、ノートパソコンがAdaptiveSyncをサポートしている場合、垂直リフレッシュレート動作に関しては、ノートパソコンは再生中コンテンツのフレームレートに応じて画面を更新し、比較的高い垂直リフレッシュレートでは動作しないため、省エネ効果を得ることができます。 VESA AdaptiveSync 認証プログラムの誕生 2021年から2022年にかけて、VESAワーキンググループはAdaptiveSync伝送要件を再検討してこれを策定し、この仕様をDP2.1仕様に組み込みました。これにより、AdaptiveSyncの伝送要件は、AMDのホワイトペーパーで以前に提示されたものよりも完全なものとなりました。そしておよそ2022年4~5月の間、VESAはDisplayPortインターフェースをサポートする、ディスプレイ製品向けのVESA AdaptiveSync認証プログラムを正式にリリースしました。 このプログラムにはMediaSyncおよびAdaptiveSyncという2つの仕様が定義されています。製品が認証テストに合格すれば、下の図に示すようにVESA [...]

DisplayPort 1.4とUSB Type-Cの融合 “DP Alt mode”

アリオンは2016年6月、映像関連の周辺機器やインターフェースに関する業界標準化団体であるVideo Electronics Standard Association(以下VESA)と共同でワークショップを開催しました。VESAはDPを推進するためにアジアで推進活動を行っており、アリオンはこれに協力する形で、日本、台湾、中国で開催したワークショップに参加しています。この中でVESAはUSB Type-CとDisplayPort 1.4(以下略称DPまたはDP1.4)の連携について大きくアピールしました。DPが持つ数ある機能の中で、『DP Alt Mode』ではUSB Type-Cデバイスと接続することで、映像と音楽をType-Cケーブルを通して出力が可能となります。Type-C関連のデバイスは現在最も注目を集めるテーマの一つです。Type-CとDPによって、携帯電話、モニター、ヘッドマウントディスプレイといった製品群はより高度な使い勝手と視聴体験の提供を実現しています。 今回のワークショップでは、VESA標準認定部長であるJim Choate氏から、DPの最新技術が紹介されました。Jim氏は始めに、DP 1.4は以前のバージョン(Version 1.3)と比べ大きな性能の向上があり、さらに今回のバージョンには多くの機能面のアッグレードが含まれていることを述べました。例えば、ビデオインターフェイスの圧縮規格である「Display Stream Compression」(DSC)への対応、信頼性を向上させる前方誤り訂正(FEC)、単一のビデオインターフェイス上に複数のモニターなどを接続することができるマルチストリーミング(MST)の機能拡張などです。これら以外にも、Version [...]