Allion Labs/Dreaming Chou
今では誰もがスマートデジタルデバイスを手にする時代になり、機能やアプリケーションが増えるにつれて、消費電力も増加し、充電器へのニーズは充電だけではなく、速度が求められるようになりました。USBは小型のモバイルデバイスやスマホ、タブレットなどへの標準的な充電方法であり、現在ではモバイルバッテリー、ノートパソコン、モニターやその他の製品にもUSB Type-Cによる電源供給ができるような設計になっています。
電源の供給量がどんどん増えたため、USB PDを進化させることで電源供給のニーズを満足するようになりました。2021年にUSB-IFにより発表されたUSP PDリビジョン3.1では、高い電源供給のニーズに応じるため、 EPR(Extended Power Range)が定められ、USB PDでは以下の機能も発表されています:
- 最大電源供給能力を100Wから240Wに引き上げ
- 電源の出力電圧として新たに28V、36V、48Vが追加され、最大電力はそれぞれ140W、180W、240Wに対応
- 可変電圧モード15V~48V
- 双方向給電・受電DRP(Dual Role Power)
- 複数のデバイスを跨いだ電源管理の最適化
- パソコンとハブ間のコミュニケーションのシステム化を通してスマートな電源管理を達成
- 低消費電力デバイス(イヤホンなど)が必要なパワールールについてネゴシエーションできる
最大240Wの電源供給に対応するためには、使用しているケーブルにeMarker(イーマーカー)を組み込むことでEPRに対応していることを示し、5Aの電流に対応していることも示さなければなりません。 240W(EPR)ケーブル認証試験の関連情報はこちらからご参照ください。
充電問題はどのくらい多い?
製品の種類によって充電の需要が異なるため、従来のように1つのUSB充電器が全てのUSB製品に対応できるとは限らなくなりました。世代が違う多様な製品においては、製品の充電ニーズと充電器の供給電力が合うとは限らず、合ったとしてもケーブルが対応しているかどうかを確認する必要があり、ケーブルも従来のようにUSBケーブルなら全てのデバイスで使えるとは限りません。
消費者が適した充電器とケーブルを選択できるように、USB-IFから240W(EPR)Logoが発表されています。
これらの情報があったとしても、全てのユーザーがそれを知っているとは限りません。現在では充電器が付属されていない商品も一部あるので、ユーザーは知らずに任意に充電器を使うことで互換性の問題が発生することがあります。もし充電ができないもしくは充電が非常に遅いと感じると、製品に不満が生じてしまいます。
[問題1]
PD充電器をPCに接続すると、「充電できません。推奨された充電器およびケーブルを使用し、きちんと挿入されているかご確認ください。」というメッセージがポップアップしました。
USB PDプロトコルの相互接続に問題があるため、一分ほど時間をかけてPDO 20V/3Aが確立し、ようやく充電が開始されます。
[問題2]
スマホの充電中、充電の電流が不安定で何度も瞬時に低下します。
[問題3]
充電器でスマホの充電中、充電のマークがずっと点滅し、きちんと充電できません。電圧も頻繁に0Vになります。
[問題4]
充電電流が0.5A以下になっており充電が遅くなっています。
まとめ
以上の実例から、潜在的な問題が存在していることが分かりますが、様々な要因があり、どこにバグがひそんでいるか分かりません。
アリオンは基本的な検証ソリューションを提供するだけでなく、一歩踏み込んだ高度な検証を実施することで潜在的なリスク、不具合を発見し、製品のライフサイクルを伸ばすことに繋げます。
充分な相互運用性検証を行うことで、製品が市場において競合他社との差別化を図ることができるようになり、また、競争力を強化できることでしょう。商品を販売し始めてからエンドユーザーの満足度を向上させることで、返品コストも削減できると考えられます。
アリオンは以下のテストを実施することが可能です。
機能性テスト
アリオンはUSB Power Delivery AnalyzerでCCピンの通信を分析すること、PDネゴシエーションが正常に完了できているか確認し、PDOが規格と一致するか検証します。
接続相互性テスト
アリオンでは、給電・充電テスト用に、1500台以上の様々なブランドと型番のデバイスを保有しています。テスト目的は、お客様の製品が正常に市販の他のブランドのパソコン、MAC、タブレット、スマホなどのUSB充電デバイスに給電・充電できるかを確認することです。
耐久性テスト
新世代のPD充電アプリケーションでは、高消費電力ニーズがあり、高電圧高電流の給電・充電における耐久性と安定性はユーザーが注目するポイントとなっています。検証の方向性:高電力製品を長時間充電/充電したときの監視
アリオンでは、上述のテスト項目の他にも、お客様の製品専用にカスタマイズしたテストプランの提案や競合他社品とのテスト比較などを提供することができます。