Allion Labs / James Ou
PCI Express® (以下PCIe)は、PCやPCサーバー製品で最も広く使われているインターフェースのひとつです。PCIe 5.0と6.0仕様が発表されて以降、現時点では転送速度が最大32GT/sと64GT/sまで達しています。サーバーの応用エコシステムでは、PCIe®技術の進化に伴い、従来のCEMスロットだけでなく、コンピュータアクセラレータや高速ネットワークカード、高速ストレージデバイスなどの高速伝送製品を接続するためのOCP NIC3.0 や EDSFF E1/E3 Slotへ発展しています。このため、PCIe電気信号の測定は、高速信号の品質検証において、重要な位置を占めています。
PCIe 3.0への進化後、11通りのプリセット値が定義され、システムとデバイス間の接続を確立するために最適なプリセット値を使用でき、信号の安定性を確保します。
電気信号の品質検証では、PCIeの下位互換性とすべてのプリセット信号を検証しなければなりません。現在は1つのレーンを測定する場合、36個のTx信号アイダイアグラム(PCIe 1.0~PCIe 5.0)を測定することが必要です。たとえば、8枚の演算処理用アクセラレータカードを接続できるサーバーでは、8つのx16スロットで合計4,068個のTxアイダイアグラムを測定する必要になり、テスト部門にとって、工数または高周波オシロスコープのような測定機器の長期使用などは解決すべき課題となります。
Source:PCI-SIG
アリオンが業界初のPCIe SI自動化テストソリューションでテスト時間の短縮に貢献
アリオンは、PCIeテストの複雑性とお客様が直面する課題を考慮し、測定時間をさらに加速する業界初のPCIe自動化テスト・ソリューションを開発し、テストサイクルの短縮と設備の利用率を向上させました。このPCIe自動化テスト・ソリューションにより、手動によるテスト時間を5分の1に、従来1カ月かかっていた測定時間を1週間以内に短縮することで、製品開発のスケジュールに大きく貢献します。
またテスト部門や品質保証部門にとって、テストの自動化により、人為的エラーの排除だけでなく、テストの品質と一貫性を確保できます。これに加え、テスト設備の可能な利用率を最大5倍まで高めることができ、人員の過度な配置や設備への投資を抑制できます。
アリオンのPCIe SIテスト自動化ソリューションでは、8つのポートを搭載するスイッチと自社開発した自動化用のソフトウェアを組み合わせます。このスイッチは40GHzの帯域幅に対応し、PCIe 5.0および6.0のテスト要求を満たすことができます。自動化ソフトウェアはスイッチポート間を自動的に切り替え、1回の実行で8つのレーンをテストすることが可能です。また、自動化用のソフトウェアは、自社設計のPCIeテストツールを活用し、被測定側であるシステムを自動的に測定に必要な信号を生成し、高周波オシロスコープを自動的に制御して信号を取り込みます。同時に信号解析ソフトウェアを自動的に起動して計算を行い、レポートを作成します。
図:アリオンPCIe SIテスト自動化ソリューション
PCIeテストツールに関して、アリオンの専任技術者は、自動化可能とするを設計、開発を行い、同様な規格のモジュールを使用するほか、電気の特性も考慮することで、ユーザーが異なるフォームファクター(例:CEMからOCP NIC 3.0へ)を測定する場合でも、再校正や再設置の必要がなくします。これにより、テストツールを直接交換でき、テスト手順の簡素化に貢献します。
また、スイッチを固定するための仕組みを設計し、X/Y/Z軸でのスイッチの移動をサポートすることで、様々なシステムにテストツールを挿入する際にメカニズムの問題を解決しました。
アリオンのPCIe自動測定ソリューションは、大量のPCIeアプライアンスの品質を検証する必要がある企業に最適なソリューションです。 品質の一貫性と5倍の測定能力のメリットは、人員と設備への投資を効果的に削減します。本記事の内容やテストに関してご質問などございましたら、アリオンのお問い合わせフォームからお問い合わせください。
▼関連する動画▼