IQCとは?

IQCとは、入荷品質管理(Incoming Quality Control)のことです。一般的な管理は入荷材料の「品質管理」より入荷材料の「品質検査」のほうが重点を置きがちです。IQCでは、受動的な検査から能動的な管理への仕組みです。すなわち、品質を事前に管理し、原材料の品質問題を最前線で発見することで、追加コストの削減や、サプライヤーの内部品質管理の改善・支援に貢献します。

 

なぜIQCが重要なのか? 

製造業では、通常、量産後の入荷材料品質の問題が60%以上を占めており、次いで製品の試験生産時において入荷材料品質の問題(50%以上)、設計・製造工程の問題(30〜40%)、保管・輸送の問題(1〜5%)の順となっています。入荷材料品質の問題が製品品質に極めて大きな影響を与えることがわかります。

IQCは、製品生産前に、原材料や付属品の外観、機能、寸法、包装などをサンプリングによって検査します。サンプリング基準に従って、検査結果や、生産の要求、お客様のニーズなどを基に、原材料を受け入れることができるか、追加の検査、リワークまたは返品・交換処理が必要かを判断し、入荷材料の品質を生産開始前に管理します。入荷材料の検査による品質管理は、生産性を向上させるだけでなく、入荷材料の問題による不良完成品や、エンドユーザーからのクレームなど、直接的・間接的なコストを削減することにも繋がります。

 

IQCの標準検査手順

IQCの標準検査手順は次のとおりです。

IQC(Incoming Quality Control)の標準検査手順

検査比率の基準:現在のサンプリング基準は、お客様が設定したサンプリング要件や、工場で一般的に使用されているMIL-STD-1916(Ac=0、Re=1)、またはAQL(合格品質水準)に従って実施されています。

 

 1. MIL-STD-1916国際品質管理標準とは 

MIL-STD-1916は、1996年に米軍より正式に公布・発行されたものです。この使用にあたっては、製品の決定および現状の調査した上で、品質特性を計数値、計量値、連続サンプリングプランなどのサンプリングプランのタイプとして定義し、ロットN、検証レベル(VL)などを策定する必要があります。最も重要なことは、AQLの合格品質水準とは異なり、「Ac=0、Re=1」を合格品質基準としていることです。

 

 2. AQL(Acceptable Quality Limit、合格品質水準)とは 

AQL(Acceptable Quality Limit、合格品質水準)抜取表で、世界的に最も多く使われている検査規格はISO2859-1です。これは、製品のオーダーが全体的にお客様の要件を満たしているかどうかを調べるために、生産オーダーのサンプルを定義する方法として広く用いられます。お客様は、サンプリングデータから当該ロットの製品を受け入れるかどうかを判断することができます。AQLのサンプリングを行う場合、サンプル数が同じであれば、AQLに続く数値が小さく、許容される欠陥の数が少ないほど、品質要求が高く相対的に厳しい検査であることを意味します。

アリオンのIQCサービスでは、AQLに準拠するだけでなく、入荷品質管理を強化するよう規制および潜在的なリスクなどを考慮し、不良を出さない品質管理活動に貢献しています。

 

アリオンIQCサービスの特徴

アリオンIQCサービス

1. 合格品質水準が不明確な場合や検査漏れがあった場合、上席と相談してから未検出の原因や次回検査での対応などを確認し、ゲートキーパーの役割をしっかりと果たします。 

2. サプライヤーが材料をリワークする場合、厳格にリワーク方法をチェックしながら、完成後の品質を確認します。お客様から提案された新しい外観検査基準や仕様をIQC検査計画に盛り込み、検査上の問題が再発しないかをフォローアップします。

3. ベテランQC担当者は検査業務に精通しているため、重点事項にある検査だけを行い、基本管理には問題が発生することがあります。当社はもれなく全面的な製品検査を行います。策定された検査計画の規定に厳密に従った上で、各項目の検査をしっかりと行います。ロットのサンプリングで問題がない場合、最初のケースと最後のケースで追加の検査を行い、可能な限り材料のロットに問題が発生しないことを確認します。

4. 検査で発見された品質問題、および生産現場と市場からフィードバックのあった材料の重大な品質問題をフォローアップし、IQC内部で予防措置を講じます。

5. 入荷材料の受入、検査工程での品質に関する統計データは、週報・月報としてお客様にフィードバックされ、サプライヤーの入荷品質基準の参考とします。

6. ODM側のIQC担当者と緊密に連携し、材料検査や物流管理段階での関連手順の最適化について提案します。

 

以上IQCの簡単な説明でした。詳細につきましては、アリオンのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。

次の記事では、IQCの応用領域をより理解いただけるように、アリオンのIQCサービスの特徴とよくある製品の問題を紹介します。

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