無線LANアクセスポイント(AP)/ルーター検証ソリューション

2020年代は、5Gの普及に伴いIoTの本格的な時代の到来と予測されています。高速大容量通信システムが浸透することで、回線速度の向上や高信頼低遅延が図られ、高密度環境への対応力が強化された Wi-Fi 6(802.11ax)対応製品の機能は飛躍的に成長すると予想される一方、関連製品に対する検証・評価テストがより厳しくなり、テスト項目や所要時間が増えてまいりました。

アリオンは、無線LANアクセスポイントおよびルーター向け検証ソリューションを提供いたします。

お問い合わせ

Wi-Fi 6対応の無線APを使って本当に快適な無線環境を楽しめるの?

通信技術が急速に発展する一方、8Kストリーミングに対応する製品や、多数のIoTデバイスといったWi-Fi 6無線製品は、周波数誤差、電力制御、Orthogonal Frequency Division Multiple Access=直交周波数分割多元接続接続伝送を用いた膨大なテスト、MU-MIMO多重入力・出力テストなど、これまでより複雑かつ多様な課題に直面しています。

Wi-Fi 6の特徴

  1. 2.4GHzおよび5GHz帯域に対応し、11a / b / g / n / acの製品と下位互換性を持つ
  2. Orthogonal Frequency Division Multiple Access=直交周波数分割多元接続技術を採用。同じチャネル帯域幅でより多くの端末が利用できるようにネットワーク効率の向上と待ち時間の低減を実現
  3. 1024 QAM(1024直角位相振幅変調)を使い、通信速度を35%以上向上させる
  4. 最大伝送速度が9.6Gビット/秒に達す
  5. TWT(Target Wake Time)の省電力機能が追加されているため、IoTデバイスの電力効率性が高まる
  6. 8X8 MU-MIMO (マルチユーザー多入力/多出力)に採用され、ダウンロードとアップロードの両方に対応
  7. BSS Colorでは、隣接するアクセスポイントごとに違う「色」を設定し、チャネル干渉による影響を最小限にする

多くの新機能を備えたWi-Fi 6は、高速化と遅延の減少を実現します。しかし、Wi-Fi 6に対応したAPやルーターを使用した場合、ユーザーは本当に最適な体験を得ることができるのでしょうか?

数多くの無線製品は実際に基準を持たない?アリオンが検証してみました!

アリオンの無線検証経験により、一般家庭には少なくとも30種類以上の無線製品を所持していることが明らかになりました。ユーザーごとにさまざまなアプリケーション(オンラインで、音楽あるいは動画の再生、ゲーム、データ転送など)を利用するためには、製品の性能と安定性がますます求められています。

ブロードバンドネットワーク仕様の開発に特化した業界団体であるBroadband Forum (BBF)が、2019年にWi-Fi性能規格基準『TR-398』をリリースしました。TR-398では、家庭内における実際のWi-Fi利用シーンを考慮し、ネット回線の低速化、カバレッジ率の不足、干渉の要因が多いなどといったWi-Fiのユーザーに影響を与える原因について、基準を設け、製品のWi-Fi性能を確保するように定めております。

アリオンは802.11仕様に準拠した市販のワイヤレスAPを使い、TR-398基準を満たせるかどうかを検証してみました。テスト結果より、各製品の実際のパフォーマンスは、約60%〜75%の失敗率となり、TR-398の基準を満たしていないことが分かりました。

Wi-Fi機器の信頼性向上には、評価・検証が必要

無線LANを利用する製品は年々増加傾向にあり、製品の競争優位を持つためには、事前検証が不可欠となります。

当社のテスト結果から分かるように、多くのAPやルーターは、高いレイテンシーや遅いデータ転送速度などの問題を抱えています。これはユーザーにとってどのようなイメージでしょうか。オンラインで4K動画を見ている際に、動画や画像の読み込みが遅く、2倍以上の時間がかかってしまったり、再生されても動きがスムーズにならなかったりといった症状です。また、無線モバイル機器を使ってオフィスや家の中を移動する際にも、スムーズに受信できない恐れがあります。これらの苦情が、ブランドの評価に大きな影響を与えている例は少なくありません。

十分な検証試験を行うことで、製品は市場において競合他社との差別化を図ることができるようになり、また、製品の持つ競争力も強化できると考えられます。

アリオンは、厳格な無線技術の検証に取り組んでおり、Wi-Fi Allianceの認定試験機関として、アジアで唯一のWi-Fi全シリーズ認証プログラムを提供できるラボとなります。またWi-Fi性能の評価についても対応しています。経験豊富な無線専門家チームが、無線製品の特性によって、異なる品質検証項目に対応した最適な無線AP/ルーター製品向け検証ソリューションおよび技術コンサルティングサービスを提供します。

 試験項目 

2. 性能に関する検証項目
  • AX性能テスト(Throughput, RF Performance)
  • 複数の端末を同時接続性能テスト (multi-user, multi-client)
  • 距離による無線伝送性能テスト (RvR)
  • 端末の接続状態を頻繁に変化させる環境においての安定性検証テスト
  • 複数信号の耐性テスト(co-existence, interference)
3. シナリオテスト
  • 家庭用の無線ネット環境
  • オフィスの干渉環境
  • 収容人数の多い会場

検証業界初のAI自動化ソリューション

アリオンのAIチームは、ワイヤレスAP製品検証向けAIソリューションを開発しました。従来の手作業によるテストの欠点を打破し、テスト精度の向上に貢献します。

1. テスト機器の制御のAI化:人為的エラーの排除

人工知能(AI)をテストに活用することで、テスト自動化を根本的に改善し、従来の手作業による技術的な問題から取り扱うことが難しかった問題を解決へ導いています。

2. テスト環境のAI化:従来のテスト制限の克服

自走車を用いることにより、時間、場所の制限を気にすることなく、情報をより安全かつ効率的に収集可能です。長期間の記録ができ、収集したデータの分析を通じて製品のパフォーマンスは良好または不良かが確認可能です。

3. テスト手順のAI化:効率アップ、重大な問題をより迅速に特定

複数のテスト項目とユーザーシナリオを構成した複雑なテストには、多くの手作業でのミスが伴います。高品質なテストを提供するために、アリオンのAIソリューションはロボットアームと画像認識を組み合わせることで、それぞれの試験における変数を定量化しています。試験時間を数週間から数日、あるいは数時間に短縮し、重要なリスク課題を再現することができます。

無線LANアクセスポイント(AP)/ルーター検証ソリューションまたは関連認証・検証試験についてご興味をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。

アリオン株式会社 お問い合わせ窓口:service@allion.co.jp