BBF.398 認証

今まで、室内のWi-Fi性能に関する規格基準が統一されておりませんでしたが、Broadband Forum(以下BBF)は世界初の規格基準「BBF.398無線性能試験プログラム」を発表いたしました。BBF.398の検証内容には受信機の感度(RF機能)や帯域幅、カバー範囲、マルチユーザーサポート、安定性/堅牢性、メッシュエクステンダー、パラメータの精度など7つの性能指標で構成されます。アリオンはBBFの認定によりBBF.398の認証試験機関として世界の通信事業者やネットワーク製品ベンダーに向けて、最適なWi-Fi性能試験および検証ソリューションを提供いたします。

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アリオン、Broadband ForumよりBBF.398 認証試験機関として認定

アリオンは、2021年3月、ブロードバンドネットワーク仕様の開発に特化した業界団体であるBBFから認証試験機関の認定を受けたことをお知らせいたします。この認定により、アリオンは世界の通信事業者やネットワーク製品ベンダーに向けて、最適なWi-Fi性能試験および検証ソリューションの提供を開始いたします。

「BBF.398」とは?

ブロードバンドネットワーク仕様の開発に特化した業界団体であるBBFは、2019年2月にスペインのバルセロナで開催されたMWC 2019 (The 2019 Mobile World Congress)において、世界で始めてWi-Fi性能検証規格「TR-398」を発表しました。この新しい規格は、ネット回線の低速化、カバレッジ率の不足、干渉の要因が多いなどといったWi-Fiのユーザーに影響を与える原因に対し、Wi-Fi性能検証の規格基準となるものです。

従来の規格であるWT-398とTR-398から進化したBBF.398は、主に802.11n/ac/ax(Wi-Fi 4/Wi-Fi 5/Wi-Fi 6)に対応するルーターの性能を評価する規格です。

Wi-Fi 6Eの登場に伴い、BBFは2024年2月末に最新バージョン「TR-398 Issue 3」を発表し、主な変更点は以下の通りとなります。

1. 既存の試験項目に 6GHz 周波数帯を追加。
2. 伝送遅延、Quality of Service(QoS)、マルチバンド同時伝送トラフィック試験などの試験項目を追加。
3. メッシュに関する試験項目を追加。

この更新により、BBF.398はWi-Fi技術の進化に対応し、家庭用無線ネットワークの品質をより厳しく管理します。

BBF.398は、試験対象の性能を以下の7つの点からで定量的に評価します:

品質は大丈夫?BBF.398の評価で検証してみよう!

アリオンはご満足のいただけるWi-Fiパフォーマンスのテストを実施いたします。BBF.398テスト基準をベースとして無線検証環境を構築し、24のテスト項目からルーターや各種類の端末製品の検証試験を行い、お客様の製品の品質維持を強力に支援いたします。

性能指標#テスト項目必須/選択 テスト内容
受信機の感度(RF Capability)
6.1.1受信機感度のテスト
Receiver Sensitivity Test
選択可DUTとシステムの間の受信機の感度を測定
帯域幅(Baseline Performance)6.2.1マルチユーザーとの接続テスト
Maximum Connection Test
必須DUTと32台のWi-Fi設備との間の無線通信量を検証し、各端末システムの無線通信量が予想通りの結果を達成できるかの確認
6.2.2極限性能テスト
Maximum Throughput Test
必須DUTがシステムと接続する際の各Wi-Fi設備の最大通信速度を測定
6.2.3エアタイムフェアネス
Airtime Fairness Test
必須電波の使用時間が公平になっていることを測定。テストではシステムの無線通信パフォーマンスの変化に通じて、複数のユーザーに対するエアタイムフェアネスの能力を判定
6.2.4デュアルバンドスループットテスト
Dual-band Throughput Test
必須DUTが 2.4GHzと5GHzの両方の帯域で複数のデバイスと接続する際のスループットを検証
6.2.5双方向スループットテスト
Bidirectional Throughput Test
必須DUTがデバイスと接続する際のアップリンクとダウンリンクのスループットを検証
6.2.6遅延テスト
Latency Test
必須DUTと複数のWi-Fi設備と接続する際に、APのトラフィック負荷が低負荷、高負荷、最大負荷の下でレイテンシとスループットが良好に動作することを検証
6.2.7QoS テスト
QoS Test
選択可DUTが良好なスループットを維持しながら、より高いQoSストリームが低いQoSストリームよりも優先されることを保証する能力を検証
6.2.8複数バンドスループットテスト
Multi-Band Throughput Test
条件付きで必須DUTが 2.4GHz/5GHz/6GHzの帯域で複数のWiFi設備と接続する際のスループットを測定
カバー範囲
(Coverage)
6.3.1カバー能力テスト
Range Versus Rate Test
必須DUTの無線通信が基準を満たせるかどうかを検証
6.3.2360度方向性テスト
Spatial Consistency Test
必須端末製品とDUT通信距離などにおいて、無線通信量が基準を満たすかの検証
6.3.3802.11axピークパフォーマンステスト
802.11ax Peak Performance Test
条件付きで必須DUTが802.11axで4空間ストリームと160 MHzのチャネルにおいての通信性能を検証
マルチユーザーサポート
(Multiple STAs Performance)
6.4.1マルチユーザー性能テスト
Multiple STAs Performance Test
選択可複数のユーザーを同時接続して、DUTとのWi-Fi通信性能が予期された結果を満たせるかどうかの検証
6.4.2マルチユーザー安定性テスト
Multiple Association/Disassociation Stability Test
必須16つのWi-Fi機器の接続状態を頻繁に変化させる環境においての安定性を検証
6.4.3DL MU-MIMO性能テスト
Downlink MU-MIMO Performance Test
条件付き必須Wi-Fi機器のMU-MIMOの下り通信性能の検証
安定性/耐性テスト(Stability/Robustness)6.5.1長時間安定性テスト
Long Term Stability Test
必須DUTが長時間作動した後の無線通信の安定性の検証
6.5.2複数信号の耐性テスト
AP Coexistence Test
必須Wi-Fi信号に干渉された時に、DUTの通信量が期待値を満たせるかどうかの検証
6.5.3自動チャネル選択テスト
Automatic Channel Selection Test
選択可DUT(AP)が Wi-Fiチャンネルの利用状況によって自動的に最適なチャンネルへ変更できるかどうかの検証
網狀拓樸
(Mesh/Extender)
6.6.1メッシュエクステンダーWi-Fiスループット性能テスト
Mesh Extender Wi-Fi Throughput Performance Test
選択可DUTが単一ノード・メッシュ・トポロジーを形成する際に、Wi-Fi設備に接続された端末ノードの最適な伝送性能を測定
6.6.2メッシュ2ノードリピーターWi-Fiスループット性能テスト
Mesh 2-node Repeater Wi-Fi Throughput Performance Test
選択可DUTがメッシュ2ノードを形成する際に、Wi-Fi設備に接続された端末ノードの最適な伝送性能を測定
6.6.3ローミングタイムテスト
Roaming Time Test
選択可DUTとWi-Fi接続間のローミングにかかる時間を測定
待測AP參數準確度
(Parameter Accuracies)
7.1.1RCPI 精度テスト
RCPI Accuracy
条件付き必須DUTの受信チャネル電力インジケータ(RCPI、Received channel power indicator)の相対精度を測定
7.1.2チャネル利用精度
Channel Utilization Accuracy
条件付き必須異なるチャネル利用率をテストするために、複数のトラフィックレベルが注入されることで、DUTのチャネル利用率の正確さを測定
7.1.3ノイズ精度
Noise Accuracy
条件付き必須DUTから報告されたノイズレベルの正確さを測定
AppendixMultiple STAs Multicast Performance Test選択可

テスト内容はBBFが2024年2月発表したWi-Fi Residential & SOHO Performance Testing, Issue 3を抜粋したものとなります。

BBF.398認証試験 ラボ設備「AWE (Allion Wireless Equipment)」

AWE(Allion Wireless Equipment)ソリューションは、Wi-Fi APのパフォーマンス計測に必要なハードウェア・ソフトウェアの一体型ソリューションです。BBF.398基準の包括的な認証サービスを提供できます。

AWEは小型シールドボックスと減衰機(アッテネータ)を使用することで、距離と環境パラメータをシミュレートし、性能試験に必要なパラメータを把握します。これにより、エラーを検出し、一貫した試験結果を簡単に再現することができます。また、自動化ソフトウェアによって、ボックス間の経路を簡単に制御し、テスト環境のセットアップする時間を短縮し、最小限の労力で試験を実施できます。さらにメッシュWi-Fi検証試験および Wi-Fi 7(802.11be)にも使われます。

テスト項目

◆ TR-398◆ Airtime Fairness
◆ RvR (160/320MHz MIMO RvR)◆ QoS
◆ RvRvO (160/320MHz MIMO RvR)◆ Stability (Long Time/ Client Dynamic Operation)
◆ Coexistence RvR◆ Channel Selection
◆ Multiple Bands Throughput◆ Maximum Client Connection
◆ Multiple Client Throughput◆ MU-MIMO Capability
◆ Bidirectional Throughput◆ Support Wi-Fi 7
◆ Mesh (up to 2 Nodes) Throughput

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