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アリオンは2016年6月、映像関連の周辺機器やインターフェースに関する業界標準化団体であるVideo Electronics Standard Association(以下VESA)と共同でワークショップを開催しました。VESAはDPを推進するためにアジアで推進活動を行っており、アリオンはこれに協力する形で、日本、台湾、中国で開催したワークショップに参加しています。この中でVESAはUSB Type-CとDisplayPort 1.4(以下略称DPまたはDP1.4)の連携について大きくアピールしました。DPが持つ数ある機能の中で、『DP Alt Mode』ではUSB Type-Cデバイスと接続することで、映像と音楽をType-Cケーブルを通して出力が可能となります。Type-C関連のデバイスは現在最も注目を集めるテーマの一つです。Type-CとDPによって、携帯電話、モニター、ヘッドマウントディスプレイといった製品群はより高度な使い勝手と視聴体験の提供を実現しています。

今回のワークショップでは、VESA標準認定部長であるJim Choate氏から、DPの最新技術が紹介されました。Jim氏は始めに、DP 1.4は以前のバージョン(Version 1.3)と比べ大きな性能の向上があり、さらに今回のバージョンには多くの機能面のアッグレードが含まれていることを述べました。例えば、ビデオインターフェイスの圧縮規格である「Display Stream Compression」(DSC)への対応、信頼性を向上させる前方誤り訂正(FEC)、単一のビデオインターフェイス上に複数のモニターなどを接続することができるマルチストリーミング(MST)の機能拡張などです。これら以外にも、Version 1.4ではDPがもともと備える独自性を維持しつつ、以前のHDオーディオフォーマットをサポートでき、かつコンバータによりVGA、DVI、HDMIなどの映像規格もサポートすることができます。

Jim氏は会場で、DPの伝送速度が進化したことで、現在最新のVersion 1.4では既に8.1Gbpsを提供することができ、また5Kあるいは8Kの最大解像度をサポートできることを紹介しました。消費電力の問題に対しては「4Kであれ8Kであれ、すべて送信側と受信側に相応の電力を確保する必要があります。携帯を例とするならば、HBR3で8Kをサポートすることはできますが、携帯の電池の電力量やGPUでは8Kが必要とする要件に完全には対応できない可能性があります。そのため、高解像度を追求する際には、どのような状況で8Kのような高い解像度を使用するのか、また、8Kの映像内容が簡単に取得できるかどうかを考慮する必要があります。」と述べました。

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また、Jim氏によると、USB Type-Cを搭載したDP Alt ModeはUSB Type-Cのコネクタを利用してDP機能を実現するため、USB Type-Cのコネクタ側からすれば追加機能の一つであると見なすことができるとしています。USB Type-Cのコネクタは、表/裏の両面での抜き差し、10Gbit/sでの高速出力、供給電力率がPower Delivery対応によって100Wまで飛躍的に上昇する、といった特性により、他の製品との機能的な差別化を実現できます。

Jim氏はUSB Type-CとDPの導入事例についてもいくつか紹介しています。一つは充電装置の事例、二つは機器間に設置されたドック(Dock)機能の事例紹介です。ノートパソコンからUSB2.0 / 3.1のデータと映像・音声信号を同時に出力させ、ドックを通過してモニターに映像・音声信号を伝送する際にHDMI, VGA, DVIなどのビデオ出力に変換することができます。三つ目の事例は1本のUSB-C to Cのケーブルに、最多で4本のDPのチャンネルを載せることができる機能です。DPはUSB3.1 と同じType-Cのケーブル上で使用することができ、これにより2本のチャンネルをDPへの使用に割り当てられます。また、USB PDの機能は最大で20V/5A(100W)の電力を提供できます。

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2016年下半期にDP Alt mode CTSの完成を予定

Type-Cの認証試験は複雑であることから、VESAは今回のワークショップではDP Alt Modeの標準認証プロセスに関する情報も提供しました。アリオンの営業マネージャーである周成怡も現場に参加し、アリオンはいかにしてType-C製品の開発初期段階にあるメーカーのお役に立つのか、また各種試験にある問題を解決するかを発表しました。周は「アリオンの試験実績から、この新たな規格の製品には問題点が少なからず存在しており、またこれらの問題は不快なユーザー体験を引き起こし、さらには安全性への疑いがある可能性があります。このためVESAにより推進されているロゴ認証は基本的かつ重要です」と述べました。

第三者機関による公平な試験を通して、メーカーが市場で製品を販売する前の段階で品質管理をすることができ、また今後メーカーが直面する可能性のあるクレーム、メンテナンスなどの問題を効果的に低減させることができます。

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Jim氏も「DP Alt mode CTSのリリース目標は2016年4Qです。DP Alt Modeの製品に対しては、テストと認証は非常に重要なステップであり、数多くある細かな点に対しての注意が必要となる」と述べています。アリオンでも引き続き進捗を追跡し、お客様に素早く情報を提供してまいります。

現在、アリオンの提供するType-C/DP Alt Modeの関連規格の中で行うことのできる試験項目には、VESAより提供されているDP Alt Mode早期認定プログラムの他に、USB Type-Cのプレ試験が含まれます。このほか、製品がIntel Thunderboltのインターフェースをサポートしている場合、これに関する試験の実施が可能です。

新スペックには画期的な利便性がありますが、同時に難題も抱えています。周は「多くのお客様から新規格に関するご要望を耳にしています。USB Type-C / DP Alt Modeに対応した製品は、相互の組合せによる変化が非常に大きく、以前のインターフェースのように高度な信頼性を保った試験方法を策定することができず、加えてこれらの周辺機器の品質にはバラつきがあるため、多くのメーカーにとって非常に頭の痛い問題となっています。」と語ります。

アリオンはお客様のリクエストに応じるため、既に保有するリソースを活用することでトータルソリューションへと発展させました。USB Type-C / DP Alt Modeの製品を開発するメーカーに対しては、経験豊富な試験実績に基づき、以下の5つの分野にそれぞれ応じた包括的な製品品質の確認を行います。

  1. 開発初期段階におけるケーブル・コネクタの材料確認
  2. 独自開発した電力供給用のツールを使用
  3. 各種製品との接続互換性試験の実施
  4. USBとPower Deliveryのプレテストを実施
  5. DP Early Certificationの実施

Allion Total Soultion

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