従来のルーターは一般のユーザーにとって、設定が難しくて、専門のエンジニアに取付けて設定してもらう必要があるというようなイメージがあるでしょう。無線ルーターの普及に伴い、現在のルーターにはさまざまな付加機能が追加されています。従来のルーターにあるネットワーク機能の他に、現在のルーターでは設定や操作が簡易化されていて、よりユーザーフレンドリーなアプリUI(User Interface、ユーザインタフェース)になっています。またIoTデバイスもルーターに接続でき、一部のルーターはブリッジ/ゲートウェイを兼ね備えており、より多くのスマートデバイスが統合されるようになりました。

更に進化するルーターにもUSBポートが追加されており、オンラインストレージ、ファイル共有、ストリーミングなどに拡張しクラウドメディアを共有することが可能です。また、プリンターを接続すればネットワークプリンターにすることもできます。

今までユーザーは「192.168.x.x」を見ると意味が分からず距離を感じることがありました。現在はさまざまな機能が追加されており、設定内容には色んな専門用語が出てきますので、訳が分からなくなることもさらに増えていて、最終的にはブランドイメージも低下することになってしまいます。そのため、多くのルーターメーカーはユーザー体験の最適化とユーザー満足度を配慮し、スマートフォンアプリや設定アイコン化されており、簡単で分かりやすい設定方法になっています。アプリにも、スケジューリング機能やペアレンタルコントロール機能、トポロジー設定機能、シチュエーション設定機能、帯域幅グループ分け管理機能など、さまざまな機能が追加されています。

次世代ルーターのアプリ使用体験はどのようになっているでしょうか?

現在のルーターはWi-Fi 6のものになっており、ほとんどがMesh中継に対応していて、ペアレンタルコントロール機能も備わっています。今回はその中から5種類をピックアップし主な機能を以下にまとめました。

ほぼのルーターはアプリをインストールし、アプリの案内に沿って設定をするだけでよくなっています。以下の例のように、余計な選択肢はなく、簡単にSSIDやパスワードを設定することができ、セキュリティーの選択もデフォルトとそれにプラスして2つ3つの選択肢があるくらいです。これだけで一般ユーザー向けの用途には十分に足りていると思われます。

保護者が生活における管理を便利にするため、ルーターにはペアレンタルコントロール機能が追加されています。指定のデバイスの接続権限のスケジュールを設定することができたり、特定のWebサイトをブロックするなどの機能があります。

また、ユーザーがAP(アクセスポイント)のアップ・ダウンロードの速度を手軽に検出できるよう、ルーターの多くには接続速度テストの機能が内蔵されています。アップ・ダウンロードデータをリアルタイムに表示することもできます。

カスタマーマーケットになりつつあるスマートルーターは、情報セキュリティーも重視しており、以下のように、一部の製品には、マルウェア/不正侵入/セキュリティーホールなどを検出し記録するセキュリティー監視機能が予め搭載されています。メーカによってはより完全な保護として有料の情報セキュリティーサビースも提供しています。

さらに、一部のルーターはAmazon AlexaやGoogle Assistantなどの音声アシスタントにも対応しており、USBを接続してオンラインストレージとして共有することもできます。

潜在的な問題点は?

ルーターにはさまざまな機能が備わっていて、従来のルーターのような単なるネットワークを設定するだけのものではなくなっていますが、潜在的な問題点も隠されています。

以下にいくつか例を挙げましょう。

1. スマートフォンが即時にルーターを検出できません。

2. ルーターとスマートフォンの接続インフォメーションが同時にフリーズします。

3. アプリからAP(アクセスポイント)の設定を行っているのに、ブラウザに飛び、一部の設定機能はアプリとブラウザを行ったり来たりしてユーザーが不便と感じる場面があります。

4. 2.4G/5G/6Gデフォルトが同じSSIDになっているため、区別しにくく、どの接続も同じ設定画面になっています。

5. オンラインでアップデートすると、Webページがダウンロード画面で止まり、ダウンロードを開始しません。

6. Webサイトの言語を繁体字中国語に切り替えても、一部の文字が簡体字のままになっています。

7. ストリーミングの再生が突然フリーズしてしまいます。

以下にユーザーのよくある問題点をまとめました:

アリオンのネットワーク・通信製品向けの評価・検証ソリューション

 機能性テスト 

ルーターにはWi-Fiの設定だけでなく、それぞれのアプリケーションデザインの特徴、拡張機能や設定が含まれています。そのため、ユーザーの習慣に合わせて、事前に設計の問題点を洗い出すことが大事です。

検証テスト内容:設置/機能確認/オンラインアップデート/多言語検証

 互換性テスト 

アリオンではさまざまなメーカの各タイプのデバイスと多様なシチュエーションの検証テストを提供しており、お客様の製品が他メーカの既存のソフトウェア・ハードウェア製品とスムーズに作動することを確認するのを目的としています。

お客様の問題点を洗い出し、改善のサポートをするため、アリオン以下に更なる分析とアドバイスを行っています。

互換デバイス:

  • WiFi接続デバイス:パソコン/タブレット/スマートフォン/テレビ/セットトップボックス/スマートネットワークデバイス
  • アプリの互換性:Android/iOSスマートフォン
  • USBの互換性:ハードディスク/プリンター

エコシステム:各種音声アシスタント/IoTエコシステム/Web会議アプリケーション

操作環境:各種OS/ブラウザ/ストリーミングプラットフォーム

 耐久性テスト 

ルーターに接続されるネットワーク関連デバイスの増加が見込まれ、ルーターの耐久性と安定性がユーザーの重視するポイントとなっています。

検証テスト内容:

  • 長時間の接続状態監視
  • 接続切断繰り返しテスト
  • オン・オフ繰り返しテスト
  • ストリーミング動画再生テスト

 ワイヤレス干渉テスト 

ネット接続製品が急速に普及し、人々により快適で便利な生活をもたらしていますが、ワイヤレス機器が増えるとワイヤレスの信号干渉が発生し、使用体験に影響する可能性があります。

検証テスト内容:

  • Wireless Desenseテスト
  • 干渉テスト(co-existence, interference)
  • 設置位置とルーター距離テスト(RvR)

 ネットワークパフォーマンステスト 

ストリーミングサービスの再生画質やオンラインゲームで重視されるリアクションタイム、どちらも消費者が実感できるネットワークのパフォーマンスです。

検証テスト内容:

  • データ転送パフォーマンステスト(Throughput, RF Performance)
  • 複数のclientの同時接続テスト(multi-user, multi-client)
  • ネットワーク切り替えテスト(Mesh Roaming)

当社では無線LANアクセスポイント(AP)/ルーター検証ソリューションを提供するだけでなく、専門のテスト環境やテスト設備を備えたRF Labワイヤレス通信ラボにより、お客様のニーズを応じた最適なテストプランを提案いたします。

ネットワーク・通信製品向けの評価・検証ソリューションについて、ご興味のある方はアリオンのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。