Allion Labs
2025年第1四半期、TR-398 テスト標準は Issue 3 Corrigendum 1 へと改訂されました。今回のアップデートでは、これまでの誤記や曖昧さが修正され、試験精度と一貫性が大きく向上しています。しかし、試験環境の複雑化や条件設定の違いにより、製品発売前の検証は依然として大きな課題です。
アリオンは、長年の検証ノウハウと自社開発の Allion Wireless Equipment（AWE）ソリューションを組み合わせることで、ベンダーが繰り返しのテストやデバッグにかかる時間を大幅に短縮し、製品性能の安定化を実現します。これにより、変化の激しい市場課題にも、より確実かつ迅速に対応できる体制を支援します。
TR-398 とは何か？
TR-398 は、Broadband Forum（BBF）が策定した「Wi-Fi 屋内性能試験標準」です。主に家庭用ゲートウェイやクライアントデバイス（CPE）の実使用環境における性能評価を目的としています。2025 年第 1 四半期に発表された Issue 3 Corrigendum 1 では、既存の Issue 3 に含まれていた誤記や曖昧な記述を修正し、試験手法の正確性と一貫性をさらに高めました。
バージョン間の主な違い
| 項目 | TR-398 Issue 3 | Corrigendum 1（改訂 Issue 3） |
|---|---|---|
| 公開時期 | 2024年 | 2025年 |
| 性質 | Issue 2をベースに、802.11ax 6GHz の試験条件とMesh試験項目を追加 | Issue 3 の修正・補足 |
| 対応規格 | Wi-Fi 4/5/6/6E | 変更なし |
| 試験項目 | 7 カテゴリ、21 項目 | 新規項目ないが、既存試験の詳細条件が見直される |
| 主目的 | Issue 2 ベースの Wi-Fi 性能試験基準調整 | Issue 3 ベースのパラメータの明確化、試験表現の明瞭化、基準の精緻化、一貫性向上 |
Issue 3 Corrigendum 1 の具体的な変更
| No. | 項目 | 試験番号 | 試験内容 | 変更内容 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | RF 能力 | 6.1.1 | 受信感度試験 | 試験基準を調整 |
| 2 | 基本性能 | 6.2.4 | デュアルバンドスループット試験 | 試験基準と手法を更新 |
| 3 | 6.2.6 | レイテンシ試験 | 試験基準と手法を更新 | |
| 4 | 6.2.8 | マルチバンドスループット試験 | 手法を更新 | |
| 5 | 安定性/堅牢性 | 6.5.2 | AP 共存試験 | 試験条件を調整 |
| 6 | Mesh/エクステンダー | 6.6.1 | Mesh Wi-Fi エクステンダースループット試験 | 条件・基準を調整 |
| 7 | 6.6.2 | Mesh 2 ノードリピータ Wi-Fi スループット試験 | 条件・基準を調整 | |
| 8 | 付録 | 7.1.3 | ノイズ精度 | 付録 III に移動 |
三大試験課題の準備はできていますか？
TR-398 の試験環境やパラメータ設定は非常に複雑であり、多くのベンダーが単独で試験を実施する際、次のような課題に直面します。
- 試験環境の構築が難しい
- 測定値の再現性や信頼性が確保しにくい
- 定量データと定性評価を両立できない
コンサルティングサービス：TR-398 および Wi-Fi 7試験を正確かつ的確に行う
アリオンは BBF認定のTR-398試験機関であり、Issue 3 仕様や Wi-Fi 6E の初回試験項目の策定にも貢献しました。豊富な試験・デバッグ経験を活かし、お客様が迅速かつ効率的に製品開発・認証を完了できるよう支援します。
業界課題の解決を目的に、アリオンは TR-398 試験環境専用の Allion Wireless Equipment（AWE）ソリューションを開発しました。本ソリューションは Mesh 試験に対応するだけでなく、クライアント側での Wi-Fi 7 検証にも対応可能です。さらに、TR-398 Issue 3 Corrigendum 1（Wi-Fi 4/5/6/6E 対応） と 追加の Wi-Fi 7 性能試験を同一環境で同時に実施できるため、テスト効率を大幅に向上させます。
AWE の 9 つの特徴
- BBF認定の試験機関による開発・設計
- 柔軟なスタッカブルスペース設計
- Wi-Fi 7に対応
- デバイス種別に応じた配置効率向上のための類円偏波アンテナ設計
- 試験ボックス内デバイスをリアルタイム監視する内蔵カメラ
- 試験一貫性を保証する正確なシステム損失計算
- 32 台の実機 Wi-Fi 7 クライアントを統制試験チャンバーに統合、リアルな無線性能結果を提供
- AI自動化試験
- 試験の再現性と精度に対する品質保証
数百件におよぶTR-398試験実績で支える：開発設計から性能最適化までのコンサルティング支援
30年以上の検証実績を持つアリオンは、TR-398プロジェクトを数百件にわたり実行し、大手ネットワーク機器ベンダーを支援してきました。提供サービスは以下のとおりです。
- TR-398準拠の製品検証
- 設計・仕様に関するコンサルティング
- 市場投入前の性能最適化
また、TR-398 Issue 3 Corrigendum 1 の変更点について専門的に解説し、各試験項目の目的や手法を明確化することで、お客様が送試前に万全な準備を整えられるよう支援します。
Faster、Easier、Better！Allion TR-398 試験・コンサルティングサービス
- Faster ― より迅速に：専門家によるサポートで、問題を迅速に解決し、認証をスピーディに取得します。
- Easier ― より簡単に： AI自動化ソリューションを通じて、すべてのテストが「定性的、定量的、再現性」を保証し、より効率的に製品の性能を向上できるよう支援します。
- Better ― より正確に：多様な試験シナリオとエコシステム検証により、顧客からのクレームの低減に貢献します。製品品質を確保し、競合他社に対して性能面で優位性を確立します。
製品開発・試験・認証の過程で課題に直面されている場合は、オンラインフォームよりお気軽にお問い合わせください。アリオンが、競争の激しい市場で製品を際立たせるための最適なソリューションをご提案します。