Allion Labs
性能データに加えて、SSD性能の安定性も同様に重要
SSDが普及している今、SSDを使ったことがある人であれば、従来のHDDとは異なるSSDの高速読み書きパフォーマンスを実感できていることでしょう。現在、SSDメーカーの多くは、主に固定され標準化されたパフォーマンステスト方法を利用して、その卓越したパフォーマンスを宣伝していますが、メーカーや消費者にとって、通常パフォーマンスデータの良し悪しだけでは、購入の際の参考情報としてしか使えません。
ユーザーにとって、パフォーマンスデータの良し悪しは間違いなく重要ですが、頻繁に使用するユーザーにとっては、SSDのパフォーマンスの安定性がもう一つの重要な指標となります。結局のところ、一般ユーザーの使用状況やサーバーの運用状況では、固定の連続/ランダムリードだけでなく、異なるデータサイズやホスト端末からのさまざまなシーケンス深度が発生することがよくあり、これらがSSDのパフォーマンスに大きな影響を与えるからです。つまり、固定形式のパフォーマンステスト結果では、単純なパフォーマンスデータを比較できますが、複雑で多様な使用環境でのパフォーマンス評価については、直接結論を導き出すことはできません。特に、今日の映像制作やゲーム競技ニーズが急増しているユーザーシナリオでは言うまでもなく、消費者がSSDのパフォーマンスの安定性をますます重視するようになっているため、メーカーはもはや従来の簡単な検証方法だけで答えを見つけることはできなくなっています。
実例紹介:実際のユーザーシナリオにおけるSSDの負荷パフォーマンス
アリオンは、長年にわたって大手メーカーと協業してきた豊富な経験と専門能力に基づき、実際にシステムにインストールされたものに近いパフォーマンスデータを取得するには、よりユーザーシナリオに近いテスト方法である「実際の負荷パフォーマンステスト」を考慮すべきだと考えています。
まず、特定の環境における実際の読み書き状況の分布を知る必要がありますが、IOトレースの方法で、特定の利用シナリオに対して実際の動作状況を記録し、その実際の負荷プロセスの内容を、データ分析を通じて読み書きの分布を解析します。このパフォーマンス分析プロセスを通じて、さまざまな使用環境におけるSSDの実際の読み書き状況を分析することができます。より一般向けの利用シナリオとして、通常オンラインビデオ編集、コンピューターゲームの実行、文書処理とオフィスワーク、IT担当によるプログラムの編集、ワークステーションでの大規模な画像編集処理、学生の日常的な使用などがありますが、ここからは、最も人気のある2つのユーザーシナリオを通じて、実際の事例を紹介します。
【シナリオ1】オンラインビデオクリエイター
テスト結果:SSDランダムライトのニーズが高い
オンラインビデオおよびコンテンツクリエイターは、継続してファンを満足させ、コンテンツを定期的に更新するという目標を達成するために、いつでも大量のビデオを編集して出力する必要があるため、SSDの一部へ比較的頻繁にアクセスすることになります。次のグラフ全体から、書き込み比率が大部分を占め、約80%に達していることがわかります。
次に、最も高い割合を占めるランダムライトの詳細な割合データを見てみると、主に4KB〜128KBのブロックサイズの間に分布しており、その割合は約60%を占める一方で、128KB〜1024KBの分布は約30%で、これら2つの部分だけで約90%を占めています。したがって、ビデオクリエイターの利用ニーズは主に書き込みに重点を置かれており、特に中小ランダムライトのブロックの部分が特に重要視されていることがわかります。
【シナリオ2】eスポーツプレイヤー
テスト結果:SSDのランダムリードは必須
家庭用コンピュータの中には、コンピューターゲームのみをプレイする一部のユーザー、いわゆる「eスポーツプレイヤー」もいて、その多くはより高速なデータ読み取りや、よりリアルタイムな反応を求めます。実際にプレイヤーがゲームをプレイする様子を録画して、データを利用して実際の読み書き状況がeスポーツプレイヤーの想像するものと一致しているかどうかを観察することができます。
以下のデータグラフから、読み取り動作の割合が最も大きく、データの読み取りが約70%を占めており、その中でもランダムリードが約半分(48.92%)に達しています。次に、ランダムリードの詳細な割合を分析してみると、ランダムリードのブロックサイズは広く分布しており、中でも128KB〜1024KBおよび4KB〜128KBのブロックサイズが高い割合を占めています。これらのデータから、コンピューターゲームを実行する利用シナリオでは、SSDがより頻繁に読み取り動作を行う必要があることがわかります。読み取りブロックのサイズは、およそ4KB〜1024KBの範囲に分布しています。
結論
以上の2つの実際の事例から、単一の標準化されたパフォーマンステストだけでは、実際の利用状況下のパフォーマンス指標を正確に示すことができず、また実際の利用シーンでのパフォーマンスとは異なるという盲点を生じやすいことがわかります。一般消費者はそれほど違いを感じることはないかもしれませんが、より頻繁にデータにアクセスする必要があるユーザーや、より大きなデータ容量にアクセスする必要があるユーザーは、こうした微妙なパフォーマンスの違いに気づき、SSDの実際のパフォーマンスが、メーカーの宣伝するような性能値と一致しないと感じてしまうことでしょう。消費者が購入前に持っていた心理的な期待と使用後の実際の体験が乖離すると、製品に対する疑念が生まれ、ひいてはそれがブランドに対する信頼を徐々に損なってしまう可能性があります。したがって、製品開発者にとって、製品の実際のユーザーシナリオでのパフォーマンスは、常にエンドカスタマーであるブランドや消費者が製品を選択する上で重要な要素となります。
Faster、Easier、Better ― 信頼できるSSD性能検証コンサルタント
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