Category Archives: 技術ブログ

工場の製造工程における入荷品質管理(IQC)の重要性:事例編

当社IQCの概要編に続いて、IQC品質管理の重要性と、アリオンのサービスの優れた点をより一層ご理解いただけるよう、本記事では当社の経験からよくあるIQC問題をまとめました。 事例紹介  1. ビデオ機器のコンソール背面カバーには、はっきりとした筋状の跡が見られ、同じ位置に分布しています。 Action Item : 製造元の策定した外観検査基準に基づいて検証したところ、すべてのサンプルに筋状の跡の不良が見つかりました。この問題はかなり深刻なものであり、その程度によって、重大、中程度、軽微の3つに分けられます。評価の結果、中程度の不良を限度見本とし、製造元にはまず選別を行うよう求めました。 Sampling Rate(サンプリングレート)/Fail Rate(不良率):  F/R=996F/1342T=74.22% Value: 当社は、お客様のニーズに応じて製造元における未検出の不良や輸送に起因する潜在的な不良を特定し、生産開始前にアドバイスすることにより、エンドユーザーのクレーム防止のサポートを行っています。不良状況や生産ラインの生産・出荷のニーズに応じて、製品本来の仕様や検査方法について実践的な提案を行い、短期的な生産・出荷のニーズの解決を図りました。 Root Cause: [...]

USB4とThunderbolt 4に関する規格の違いはきちんと把握できていますか?
USB4とThunderbolt 4に関する規格の違いはきちんと把握できていますか?

USBの移り変わり  USB(正式名称:ユニバーサル・シリアル・バスUniversal Serial Bus)は私たちの生活の至る所で見られます。現在のテクノロジー製品において最も普及しているデータ伝送インターフェースで、パソコンとスマホおよびさまざまな周辺機器、更に他の分野の製品に発展し幅広く使用されています。USBはさまざまなパソコンの周辺デバイスとの接続問題を解決するために、IntelとMicrosoftが提唱したのが最初で、プラグアンドプレイを設計目標としていました。1996年にUSB 1.0が発表され、そのデータ伝送速度が1.5Mbps(Low-Speed)と12Mbps(Full-Speed)でしたが、当時はまだ市場で普及していませんでした。   USB 2.0 2000年にUSB 2.0の時代となり、理論上のデータ伝送速度は480Mbpsとなり、USBインターフェースに対応しているパソコンの普及に伴い、USBも徐々にパソコンの標準インターフェースとなり、同時にこの時期は下図のように目まぐるしくさまざまなUSBインターフェースが出始めた時期でした。   USB 3.0 2008年にUSB 3.0が発表され、理論上のデータ伝送速度5Gbpsに大幅にアップされました。同時に下位スペックのUSB 2.0との互換性も取れるようになったのですが、そのUSBインターフェースはUSB 2.0と比べると若干異なっており、種類が乱立しました。 [...]

工場の製造工程における入荷品質管理(IQC)の重要性:概要編

IQCとは? IQCとは、入荷品質管理(Incoming Quality Control)のことです。一般的な管理は入荷材料の「品質管理」より入荷材料の「品質検査」のほうが重点を置きがちです。IQCでは、受動的な検査から能動的な管理への仕組みです。すなわち、品質を事前に管理し、原材料の品質問題を最前線で発見することで、追加コストの削減や、サプライヤーの内部品質管理の改善・支援に貢献します。   なぜIQCが重要なのか?  製造業では、通常、量産後の入荷材料品質の問題が60%以上を占めており、次いで製品の試験生産時において入荷材料品質の問題(50%以上)、設計・製造工程の問題(30〜40%)、保管・輸送の問題(1〜5%)の順となっています。入荷材料品質の問題が製品品質に極めて大きな影響を与えることがわかります。 IQCは、製品生産前に、原材料や付属品の外観、機能、寸法、包装などをサンプリングによって検査します。サンプリング基準に従って、検査結果や、生産の要求、お客様のニーズなどを基に、原材料を受け入れることができるか、追加の検査、リワークまたは返品・交換処理が必要かを判断し、入荷材料の品質を生産開始前に管理します。入荷材料の検査による品質管理は、生産性を向上させるだけでなく、入荷材料の問題による不良完成品や、エンドユーザーからのクレームなど、直接的・間接的なコストを削減することにも繋がります。   IQCの標準検査手順 IQCの標準検査手順は次のとおりです。 検査比率の基準:現在のサンプリング基準は、お客様が設定したサンプリング要件や、工場で一般的に使用されているMIL-STD-1916(Ac=0、Re=1)、またはAQL(合格品質水準)に従って実施されています。    1. MIL-STD-1916国際品質管理標準とは  [...]

デスクトップPCのWi-Fiパフォーマンスの問題点と具体策(上編)

近年では、無線LAN(Wi-Fi)とBluetoothの両方を搭載したデスクトップPCが増えています。自宅やオフィスに接続できるネットワーク環境が整っていれば、Ethernetケーブル(LANケーブル)がなくても、インターネットに接続できるのが大きなメリットがあり、利便性が高くなります。 ユーザー側で従来より快適なネットワーク環境を利用できる一方、ODM(メーカー)側にとって開発の難易度とコストが増してきます。デスクトップPCメーカーの開発チームメンバーは電子関連の専門知識を背景に持っているのが一般的ですが、有線信号(LAN)と無線信号(Wi-Fi/Bluetooth)に対する通信品質を確保するよう、専門のRFチームを構成し、無線周波数に関する設計・テスト・統合を行うメーカー企業さまもいらっしゃいました。 本記事ではODMが設計した小型のデスクトップPCはスループット(Throughput)が規格を満たさない場合はどのように検証するかをお話します。   事例紹介  ■ テスト背景  過去あるODM様は自社の無線製品に対しスループットパフォーマンス評価を含める基本機能テストをすでに実施していましたが、製品リリース後効果が期待はずれになってしまうのです。というわけで、関連検証テストをアリオンに依頼されました。 当社はまずアンテナメーカーに併せて基本の仕様設計から、アンテナ設計、ハードウェアの回路構築、機構設計及びデバイスドライバまで確認し、あらゆる方向性から問題を一つ一つ排除して根本的な問題を確認しました。 アリオンの長年の検証テスト経験では、スループットパフォーマンスをより一層向上させるために、見える問題を一つずつ解決するだけでなく根本的な原因を発見するのが必須です。 ■ テスト手順  RF性能問題をデバッグする際に、テスト方向性を間違わないよう、以下の手順に沿って確認を行うことを推奨します。 1. まず、元の状態のスループット測定データ(即ちBaselineデータ)を確認し、その後の比較用データとする 2. 今後の判断基準として、基本ソフトウェア、ファームウェア及びOS関連の情報が正しいかどうか、また既存の問題点が存在していないか確認する。以下の注意点をご参照ください: [...]

規格や速度が多種多様で、絶対に軽視してはならないUSB Type-Cケーブルの互換性問題
規格や速度が多種多様で、絶対に軽視してはならないUSB Type-Cケーブルの互換性問題

電子機器の廃棄量を大幅に低減させるため2024年の秋から、電子製品は全面的にUSB Type-Cコネクタによる充電に変更すると、先日欧州連合(EU)で議会の決議を得て正式に法律が制定されました。これにより今後より多くの電子製品はUSB Type-Cインターフェースを採用すると予測されます。同時に、大容量のモバイルバッテリーやPD充電器の給電ニーズもその影響を受け、電力仕様が48V/5Aに引き上げられるでしょう。 充電の他にも、USB Type-Cはスマホ・タブレットなどの小型デバイスとパソコン間の接続に使用されています。また、USB Type-Cを使用することで、モニターやSSDもより高いデータ伝送速度、及びより多くの種類の通信プロトコルに対応することとなります。しかし、インターフェースが全面的に統一されると、デバイス間の接続は本当により便利になるのか気になるところです。 USB Type-Cを使用している多様な製品、そのケーブルのスペックもさまざまで分かりにくい  USB Type-CにはUSB 3、USB4、Thunderbolt 3、Thunderbolt 4…などさまざまなプロトコルが含まれていて、異なる製品の利用において、対応するUSBバージョンと速度も異なります(下表)。 どれもUSB Type-Cインターフェースが使用されていますが、プロトコルのバージョンと速度が違うため、最高のパフォーマンスを得るためには、システム/デバイス/ケーブルがマッチングしていなければなりません。また、異なるデバイスやシステムでは、必要になるケーブルも同じとは限りません。 [...]

F1レースに匹敵するチーム戦略!「探索的テスト」の重要性を解説
F1レースに匹敵するチーム戦略!「探索的テスト」の重要性を解説

Allion Labs/Franck Chen 現在のスマートTVは多機能で開発が複雑化しており、ウォーターフォール式の品質確認プロセスだけに頼っていると、前半部分で起こった遅延がテストスケジュールや内容に影響しやすく、製品の重大な欠陥を発見できません。または発見が遅れて修正できなくなる可能性もあり、製品のリリースが遅れ、顧客からのクレームが絶えないというジレンマが生じてしまいます。 アリオンは、アジャイル(Agile)イテレーション(Iteration)のコンセプトを使い、探索的テスト戦略に合わせ、テレビ製品の発売前、発売中さらには発売後においても、カスタマイズされた弱点分析と戦略計画を実行し、お客様が市場におけるリスクを解決するのをサポートします。また、アリオンは、テスト実施期間中に製品開発チームと緊密に連携し、リアルタイムで提案を行います。これにより、その後の製品開発およびテストスケジュールに柔軟性と調整の余裕が生まれます。 では、探索的テストとは何でしょうか?また、半分の労力で2倍の製品テスト結果を出せるように、効率的なテスト戦略を構築するにはどうすればよいでしょうか?この記事で一つ一つ説明します。 「探索」で問題の所在を突き止め 「テスト」で重要課題を分析 Netflixで人気のレーシング番組「Formula 1:栄光のグランプリ」をご覧になったことがある方なら、F1トップチームのチーム戦略と専門的な分業に感銘を受けたことと思います。例えば、メカエンジニアの性能調整、戦略チームのシミュレーション、ドライバーのフィードバック、電光石火のピットストップとタイヤ交換など、レース中盤で突然「雨での戦い」に遭遇しても、常にチームワークと対応力が試されています。 探索的テストの概念は、練度の高いF1プロチームのようなもので、戦略チームがレース前に現状を調査して最適な戦略を策定し、レース中は経験豊富なドライバーが実際の状況に応じて臨機応変に戦術を実行し、レース後に試合の結果をまとめて分析し、次のレースへの学びと参考として、シーズン中このサイクルが何度も続けられます。その中でも戦略は、厳格なステップやアクションではなく、一事が万事としてフレキシブルに策定及び実行されています。したがって、効率のよい探索的テストは、アナリストとテスト担当者の実務経験に焦点を当てています。正しい方向性を策定して、豊富なテスト経験に合致させなければ、重要な問題を効率的に探索して見つけることができません。探索的テストの基本的な概念を理解したら、探索的テストの利点と適用タイミングをさらに比較してみましょう。 基本テストだけでは足りない?探索的テストを加えて、潜在的な製品の問題をより深く掘り下げる 同じ「シーン構造」と「テスト時間」の基準を想定すると、以下のノードテストシミュレーションの比較から、以前の基本テストに比べ、探索的テストは、現段階で製品に見つかった問題とテスト担当者の経験に基づいて、「リスクの高い方向」の重要な問題をより詳細に探索し、隠れている深刻な問題を掘り下げることが可能なことがわかります。 この比較表からわかる通り、探索的テストは一般的な基本テストに取って代わるものではないため、製品のテスト段階で相乗効果を最大化するために相互補完し、互いに一致させる必要があります。したがって、それぞれの段階における探索的テストの実行をお勧めします。 開発中の製品:基本テストの後、問題が発生しやすい部分に探索的テストを実行して、隠れた深刻な問題を特定します。 製品の新機能追加や重大な修正: [...]