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LANポートがないパソコンでも有線LANに接続できるコツとは?

LANポートがなくても有線接続は可能? ポータブルコンピューターに対する消費者需要の拡大に伴い、コンピューターの軽量化と薄型化が実現し、持ち運びに便利なノートパソコンが市場で急増しました。また、ノートパソコンの薄型化・軽量化が進んだため、ノートパソコンより厚さのあるRJ45(LANポート)は、薄型軽量のノートパソコンのインターフェースから真っ先に排除される対象となりました。しかしながら、RJ45がない場合、消費者はネットワーク接続のインターフェイスとしてWi-Fiを使用しますが、多くの場合AP信号の強度によって制限や干渉を受けたりするため、ネットワーク速度が十分ではなく、また安定もしません。そのため、安定且つ高速が必要な有線ネットワークが使用される状況が生まれました。USB-Cの薄さ&軽さと、複数のインターフェイスに接続可能な特性を活用するには、USB-C用イーサネットアダプターを利用することが、最適なソリューションであると言えますでしょう。 市場で多くの種類の USB-C用イーサネットアダプターが市販されており、さまざまな速度ニーズに従って販売されています。一般的に最も主流な仕様は、速度が1Gbps (1000Mbps)のものに落ち着いていますが、下の表に示すように、消費者は、自身のシステムやイントラネットのさまざまなサポート機能に従い購入することができます。 USB-C用イーサネットアダプターを使ったら最大の問題は製品の相互接続性だ  実際には、従来からあるネットワークインターフェイスではないため、変換後にさまざまな問題が発生することが多く、ユーザーエクスペリエンスに影響を与えます。当社はAmazonの口コミに書かれていた内容を整理し、次のカテゴリに分類しました。 上図によると、消費者の最大の問題は互換性 (25%) についてです。このタイプの製品のメーカーは、販売前に完全な互換性テストを行わないことが多いため、消費者は購入しても使用できないことが多く、消費者の信頼を失うだけでなく、返品コストもかかってしまいます。消費者が星一つの否定的なレビューを販売プラットフォームに残してしまうと、その後の売れ行きにも影響を及ぼすので、最も基本的な互換性検証を行うことは、製品が出荷される前の最も重要なポイントです。アリオンは長年にわたる互換性のテスト経験があり、量産前にさまざまなチップや、OS、プラットフォーム (ノートブック/デスクトップパソコン、スマートフォン、タブレット、ゲーム機など)によって、関連する検証テストプランを提案し、お客様が遭遇する製品の互換性に関する問題を大幅に削減することができます。 次に、消費者がこのような製品を購入する際に気にかけている問題は、切断 (21%) と速度 (19%) [...]

画面の見やすさがカギーブルーライト編

人間の目が知覚できる光は可視光と呼ばれ、赤、オレンジ、黄、緑、青、藍、紫の7色の光で構成されています。可視光の波長は約380nm~780nmの一種の電磁波で、宇宙空間でエネルギーと運動量を伝達できるため、大きな太陽の下で暑く感じたり、車のヘッドライトに直接照らされたときに刺さるように感じたりするのは、光からエネルギーを受け取っているからです。 ブルーライトとは、波長が約400nm~500nmの可視光の一種で、比較的エネルギーの強い光です。高強度のブルーライトは角膜を通って眼球に入った後、水晶体を通って網膜に到達し、角膜の炎症、乾燥、白内障、網膜症およびその他の眼の疾患を引き起こす恐れがあります。 私たちの生活の中でLED製品が多く利用されています。最も一般的に使用されている LED電球とLEDスクリーンを例にとると、次の2つのスペクトログラムから、LEDが放出するブルーライトのエネルギーが特に強いことがわかります。これこそがブルーライトが危険であるという主な原因で、特にLEDスクリーン製品を直接目で見るなど、長時間使用すると目に及ぼす危険性が非常に高くなります。 LEDのバックライトスクリーン製品が生活の中で広く使用されているため、ブルーライトの害が重要な問題になっています。アリオンは、ブルーライトのハザード評価方法をいくつか提供しており、お客様の製品開発及びアプリケーションの面で、包括的にサポートしています。現在、ブルーライトを減らす最も一般的な方法である目の保護モードは、ブルーライトのエネルギーを減少させることができですが、ブルーライトが減少すると画面が暗くなってしまいます。以下の実際のケースからわかるように、明るさは最大29.4%低下します。明るさが低下すれば、読書体験が大幅に低下してしまいます。これも克服すべき課題です。 また、ブルーライトが減りレッドライトの割合が増えると、画面が黄色を帯びてくるので、各社のブルーライトを減らす程度の基準があるかと思いますが、ユーザーエクスペリエンスに大きな違いが生じないように、一定の比率を維持する必要があります。 もう一つのブルーライトのハザード評価方法は、IEC/EN62471光生物学的安全性における、眼へのブルーライト損傷の加重指数から知ることができます。特に波長400nm~500nmの指標が他の波長に比べて高く、波長415nm~465nmで深刻な損傷があり、中でも波長435nm~445nmでの損傷が最も深刻です。 したがって、最も有害な415nm~465nmを制御し、この範囲のブルーライト強度を効果的に低減して、ブルーライト波長の全エネルギーの半分を超えないようにすることができれば、ブルーライトの悪影響を大幅に軽減しつつ、画面の持つ色の表現力も維持することができます。 実際のケースを見ると、以下で測定した画面のスペクトルから、波長415nm~465nmのエネルギー値が、ブルーライトの全エネルギーの87%を占めています。 最も影響が深刻なブルーライトである435nm〜445nmの波長は、ブルーライトの全エネルギーの11.4%を占めており、長時間使用すると、目の健康に多くの潜在的なリスクもたらす可能性があります。 十分な光と正しい使用習慣などの良好な使用環境こそ、目の健康を維持する最良の方法です。ブルーライトの少ない画面の使用を考慮するだけでなく、アンチグレアと低フリッカーも目の快適さの重要な指標です。 パネル製品の品質検証において長年の経験を誇るアリオンは、製品設計、関連するエビデンス収集から生産管理まで、すべてのプロセスにおいて包括的にメーカーを後押しし、強力にサポートして参ります。 お問い合わせ窓口 [...]

動画がスムーズに再生されない一つの原因はHDMIケーブルなのか?

HDMIケーブルはHDMIを搭載した製品の信号転送に使われています。解像度1080pのコンテンツから4K・8Kコンテンツまで、転送必要な音声、画像などのデータ量が増えています。そのため、視聴したいコンテンツにより、HDMIケーブルも含めて適切なHDMI製品を選ぶことが重要なポイントになります。 優れたHDMIケーブルであれば出力デバイスのデジタル信号をディスプレイデバイスで完全に再現することができます。低解像度の720Pや1080Pのコンテンツを再生する際、多少ケーブルの品質が良くなくても表示できたりしますが、高解像度の4K/8Kのコンテンツを再生する際はケーブルによる良し悪しの差異が顕著に現れます。帯域幅が不足しているケーブルを使用することによって、コンテンツの表示が不安定になったり、点滅したりする場合もあります。 また、使用したケーブルがHDMI2.1の最大帯域幅に満たしていない場合、例えば4K30Hzであれば表示しますが、4K120Hzだと表示できない場合もあります。 HDMIケーブルを購入する際の注意点とは? 2021年のアメリカの小売市場では7,610億ドルにも及ぶ返品総額がありました。その中身を分析したところ、消費者の期待を満たしていないユーザーエクスペリエンスの悪さが主な原因となっていました。 上述のようにHDMIケーブルはディスプレイの表示に深く関係しており、安定した環境でコンテンツを視聴できるように以下にてHDMIケーブルを購入する際の注意点をピックアップしました。 1. HDMI認証を取得しているケーブルを購入する 2.ケーブルは長ければ長いほど信号が減衰するため、15M以上のケーブルを使用する場合、品質が良いとされているケーブルを購入する HDMIケーブルの関連試験にご興味がある方はこちら アリオンでは、HDMI認証試験の実施やその他HDMI性能の確認、HDMIケーブル生産ラインのバリデーション検査など、あらゆる面を網羅したサービスを提供しております。また、コンサルティングサービスの提供やケーブルの設計、高周波信号上の問題などへの対応も可能です。 HDMI製品や検証テストに関するご質問などございましたら、お気軽にアリオンにお問い合わせください。 お問い合わせ窓口 [...]

受聴品質の知覚的観客的分析

現在の通信ネットワークでは多種多様な音声サービスが提供されており、日常の生活にとって不可欠なものとなっています。そのため、急速に発展する通信システムにおいて、音声品質を如何に確保するかが重要な課題となっており、ユーザーに快適なサービスを提供するためには、音声品質の評価方法が肝心なキーポイントとなっています。 音声品質評価の応用については、ITUワークショップでOPTICOM社から提供された情報(下図)をご参照ください。 音声品質の評価方法には大きく分けて二種類あります: 主観品質評価法 客観品質評価法 従来の主観品質評価法は、複数の被験者を集めて、あらゆる音響信号の断片の音質を判定してもらいます。通常、判定基準は1から5の間の数値で表されます。それぞれの判定基準の点数を全て足して被験個体数で除した結果が平均オピニオン評点(MOS)の値となります。 被験者を集める試験はコストも高く時間もかかりますが、音響心理学モデル(PESQまたはPOLQA)を用いた計算方法でそれらの制限を克服することができます。正しく使用できれば、これらのモデルは人間による試験結果にほぼ一致します。このような試験自動化は、開発の過程において高速な反復検証と効果的な生産ライン検証をもたらします。得られた測定結果は、人間の気質によるばらつきや測定条件の影響を受けないため、客観的な結果に分類され、高い再現性を持ちます。 主観品質評価法は、多くの被験者と時間が必要になり、コストが膨大になります。それに比べ客観品質評価法は機器を使用しているため、そのような問題はありません。 PESQ(Perceptual Evaluation of Speech Quality)は通信システムや音声エンコードに用いられていた前世代のエンドツーエンド音声品質評価の客観的音声品質評価法であり、ITU-R勧告 P.862として標準化されていましたが、その制限性から、国際電気通信連合ITUによりPOLQA(Perceptual Objective [...]

2.4GHzの共存問題はワイヤレスマウスに影響を与えるか?

Allion Labs/Allen Liao   キーボードやマウス等のワイヤレスデバイスは、PCやゲームなどを利用するうえで、日常生活に欠かせないものとなっています。これらのワイヤレスデバイスは、通常Bluetoothまたは2.4GHzの無線技術を使用してワイヤレス操作を実現しています。 これらのワイヤレス通信は必要不可欠な技術である一方、ユーザーが不便と感じる場面もあります。例えば、ビジネス環境において、ユーザーが複数のコンピューターを一つのBluetooth®マウスで操作したい場合、マウス自体に、接続したいコンピューターを自由に指定できる機能が存在しないため、複数のコンピューターを制御するには、使わないコンピューターのBluetoothを一旦オフにするなど、いくつかの作業が必要でした。 このような負担を軽減するため、メーカーはデュアルモードワイヤレスマウスを販売しています。デュアルモードワイヤレスマウスは、Bluetoothと2.4GHzの無線の両方をサポートし、2.4GHzの無線はPC側ではUSBドングルを使用して接続します。マウス側のスイッチでBluetoothモードとドングルモードを自由に切り替えることができるため、簡単に2つのコンピューター間での接続を切り替えることが可能です。 利用されるもう1つの分野は、昨今非常に人気のあるeスポーツ業界です。eスポーツでは、非常に高いマウス感度と応答速度を必要とします。Bluetoothを接続に使用すると、求められる伝送スピードをほとんど満たすことができません。その理由は、USB HID仕様を通じたBluetooth®デバイスの反応が悪いためです。そのため、eスポーツ用のマウスでは、メーカーが独自に開発した高速ワイヤレス技術を使用することで、ユーザーのニーズを十分に満たすワイヤレスマウスを実現しています。独自開発の技術を使用しているため、コンピューター側ではUSBドングルを使用します。 図2:市販されているeスポーツ用マウスは、ドングルで高速伝送を実現   2.4GHzワイヤレスの共存がワイヤレスマウスに与える影響は 以前、共存状況下においてワイヤレスキーボードに発生し得る問題についてご説明しました(Bluetooth®キーボード性能検証と分析を参照)。今回は、ワイヤレスマウスの共存パフォーマンスについて説明します。オフィス環境であろうとeスポーツの大会であろうと、環境全体は様々なワイヤレスデバイスによって干渉を受けてしまいます。アリオンは豊富なワイヤレステストの経験に基づいて、2.4GHzワイヤレスの共存がワイヤレスマウスに与える影響を以下の様に要約しました。 マウスカーソルの移動中にラグが生じる マウス操作が全く機能しなくなる [...]

ケーブル・コネクタの認証要点を把握しよう

ケーブル・コネクタは高周波信号、機械特性、電気特性と使用環境の変化などの要因によってその性能が左右されます。ケーブル・コネクタの開発メーカーはこうした環境の変化を考慮した包括的な検証を実施することで、製品の品質条件を満たし、機能のニーズを100%発揮することができることでしょう。今回のレポートでは、アリオンの専門家によるUSBケーブル認証の注意点をご紹介いたします。また、最新規格のSAS4.0、PCI-Expressに関する最新のインターフェースであるOCuLinkと、高速伝送と長距離化を可能にする光変換ケーブルであるアクティブ光ケーブル(AOC: Active Optical Cable)に関する情報の概略についてもご紹介いたします。この他、電気特性検証(Electrical Test)、メカニカル特性検証(Mechanical Test)、耐環境性検証(Environmental Test) に必要とされる設備と試験内容の基本的な部分もご紹介いたします。   USB 2.0 & 3.0認証試験紹介 USB協会(USB-IF)の定めた基準では、USB2.0ケーブル・コネクタの試験フローは8つの試験グループに分かれています。試験グループはケーブル・コネクタの持つ性質に準じて区別されており、各グループでは電気特性、メカニカル特性および耐環境性の検証項目がそれぞれ定められています。DUT(Device Under [...]