Category Archives: 技術ブログ

ゲーム市場を変える!?バーチャル・リアリティ『VR』の世界

 ゲーム市場を変える!?バーチャル・リアリティ『VR』の世界  2016年現在、バーチャル・リアリティ(VR)がゲーム市場のトレンドです。複数のVR用コンソールが年内に発売されます。VR対応のアプリケーションは将来に渡って拡大する可能性があるとはいえ、市場は主にゲームに熱い視線が注がれているようです。アリオンは、まさに今こそがVRゲームシステムの状態を検証するための最善のタイミングであると考えています。そこで今回は、ホットなVRゲームの紹介と、特に注目を集めている3つのVRハードウェアについてご紹介いたします。   バーチャル・リアリティ(VR)ゲーム バーチャル・リアリティ(VR)ゲームは、臨場感溢れる3D体験と映像音声を結びつけることで、プレイヤーにバーチャル・リアリティ技術を手軽に体験させることができます。この言葉は、今では『VR』と略されるようになりました。現時点ではまだ構想段階のゲームから、既にリリースされたゲームまで、様々な開発段階のVRゲームが世界中に存在しています。有名スタジオでAAAタイトルを獲得した実績があるものから、小規模なインディータイトルまで様々です。そんな中、ユーザーのハートをがっちり掴むと思われるいくつかのVRゲームをここではご紹介します。   EVE:Valkyrie(イヴ:ヴァルキリー) 1.EVE:Valkyrie (evevalkyrie.com) EVE:Valkyrieの特長は、リッチなサウンドとクールに表現された映像、そして3Dによるチームプレーです。このスペースフライトFPSは、熱狂的な称賛でレビューされており、間もなくリリース予定のVRヘッドセット『Oculus Rift』(オキュラスリフト)とバンドルされています。まだ若干リリースが先に予定される、ソニーのプレーステーションVRシステムにもバンドルされます。 [参考:http://www.theriftarcade.com/eve-valkyrie/ ] 映画   Minecraft(マインクラフト)   [...]

スマートフォンのWi-Fi通信性能に関する分析試験

スマートフォンには多彩な機能が搭載されています。アリオンでは以前実施した試験内容 (ディスプレイ、カメラ、オーディオ、タッチパネル)に加えて、スマートフォンのWi-Fi性能評価を提供しています。Wi-Fi性能評価では、ラボ内にある電波暗室で試験を実施するほか、オフィスや家庭環境といった、普段わたしたちが実際に暮らす空間をシミュレートした環境下を構築し、その環境を通してユーザーが利用する際の行動により適した試験を実施しています。 実際の生活の中で、製品とルーターの間にある距離間や、製品が利用される状況は様々です。無線ルーターとの距離間は、Wi-Fi信号伝送に影響を及ぼし、また信号強度も伝送性能に影響を及ぼします。 距離による影響を確認するほか、様々な無線チャネルと無線モード(802.11)を組み合わせた確認も必要があります。試験結果のご提出により、お客様はアンテナ設計やファームウェア調整のための参考とする根拠となります。今回は、アリオンのWi-Fi伝送性能評価の一部をご紹介いたします。 1. レート v sレンジ 減衰器を使用してアクセスポイントの信号強度を減衰させたり、被試験デバイスとテスト機器の距離を変更したりすることで、距離による様々なWi-Fi伝送性能をシミュレーション測定します。 –チャネルスイープ 無線モードを固定した条件の下、様々な無線チャネルを使用して伝送試験を行います。アリオンでは高、中、低の3つのチャネルで測定しています。例えば、2.4Gにはチャネル 1、6、11と5Gには64、149、161を採用しています。この項目を実施することでチャネル毎の伝達性能のパフォーマンスと、その違いを理解することができます。 下の図は802.11nモードを使用した際の、異なるチャネルでの差異を示しています。X軸は減衰値、Y軸は伝達性能を表しています。 チャネル1では、緑色のラインのスマートフォン(Phone1)が50dBのときに、シグナルが消失しています。ほかの2台のスマートフォンは‐60dBで伝送率がなくなっているため、緑色のラインのスマートフォンは比較的伝送距離が短いことがわかります。 青色のラインのスマートフォン(Phone2)は、チャネル1とチャネル6のパフォーマンスがどちらも紫色のスマートフォン(Phone3)に近く、チャネル11のパフォーマンスのみが比較的悪いことを表しています。 この項目を実行することで、チャネル毎でのスマートフォンの伝送速度と全体のパフォーマンスを観察することができました。 [...]

画質試験はUHD 4Kテレビの生命線

家電量販店では様々なブランドのテレビが売られています。売り場を訪れる消費者は、実際に使ってみたり画質を比較したりして、数あるテレビの中から最終的な購入製品を決定します。各メーカーのモードにはすべて細やかな違いがあり、各ブランドの特徴付けがなされています。消費者の注目を集めるには、一体どのようにすれば良いのでしょうか。そのために重要となるのが、工場出荷前の色調整プロセスです。 今回の記事では、アリオンの画質試験の内容をご紹介いたします。音質試験については耳で実際に聞いて測定する必要があるので、本文中では簡単な内容のみを紹介しています。 工場出荷前の画質調整 市場にあるすべてのテレビは、開発段階で既に画質・音質の調整を受けており、一定の品質基準に到達しています。しかし、各ブランドがアピールする映像と音声の特徴を表現するためには、工場出荷前の画質調整は欠かすことができません。例えば、あるブランドはきらびやかな色彩を好み、あるブランドは柔らかな色の表現を好みます。色合いの調整には明確な良し悪しがあるわけではありませんが、ブランドが伝えたい色彩表現は様々です。 調整は通常、映像の画質(PQ, Picture Quality)と音質 (AQ, Audio Quality)の2つのカテゴリに分かれます。アリオンでは第三者試験ラボとして客観的な試験基準に則って試験を実施することで、公正な結果を提出することができます。さらに、一歩進んだ製品の比較データと報告をお客様の参考としてご提供することもできます。 試験環境のセッティング 試験担当者は反射性材料のない暗室で、決まった距離と角度でモニターを観賞します。暗室内のライトも明るさが決まっており、色味としては白色寄りの暖色系となっています。 画質について 画質試験項目 画質試験を進める際、まずテレビのウォームアップを少なくとも60分間以上行い、テレビが対応している最も高画質かつ色鮮やかなモードを選択します。テレビのモニターに明らかな色差や、正常でない光点が見られた場合、色分析器(Color [...]

映像の鮮明さを左右するハイダイナミックレンジ(HDR)

「2010年、秋の夕暮れ時、我々一行はイスタンブールのブルーモスクに到着した。空が徐々に暗くなってゆく頃合い、濃い青の夜空の下で、街路灯に照らされた街並みは非常に美しいものだった。鳥の群れが建築物の中央にあるドームの上空で飛び回るその瞬間、私と友人はカメラを取り出し、その瞬間の美しさを写真に残そうとした。しかし、カメラの機能を調整したり、違う角度から撮影したりしても、捉えた画像は自然さに欠け、肉眼に映った画像をリアルに残すことができなかった。」 図1:イスタンブールにあるブルーモスクの上空を鳥が飛んでいる様子(2010年撮影) 上述は、アリオンのシニアテクニカルマネージャーであるリックの旅行感想です。読者の皆様も同じような経験をしたことがあると思います。眼前の光景で感じた感動を写真に残すためには、撮影者本人の高い技術力はもちろん、カメラの性能、外部環境などの条件が整うことが要求されます。このほか、テレビに映る映像と現場で見る場面ではまた大きく異なります。テレビで輝度が低い映像を映し出すときは黒一面しか見えず、逆に太陽の光線が強い場合では白一面しか見えないことがあります。一体何が原因で、視覚効果の差異が発生するのでしょうか。 ハイダイナミックレンジ(High Dynamic Range:HDR) 撮影機材やディスプレイは時の流れによって技術的に洗練され、新しく変わっていきます。しかし、技術開発の制限はまだ存在しており、画面上で表示可能な動的コントラストは肉眼で捉えられる映像と比べると限られています。肉眼では光の位置、暗い場所を明確に判別でき、そして最も明るいところと最も暗い場所を対比して見ることができます。ダイナミックレンジとは、機器が識別可能な明暗比率の幅広さを表す数値のことです。太陽の光があたる場所でも当たらない場所でも目に映る世界をよりリアルに、忠実に再現するディプレイを作り出すため、メーカー各社は映像のダイナミックレンジを広げることを目標としています。そして、ハイダイナミックレンジ技術の技術基準を定めることで、規格の品質を守ろうとしています。 図2:肉眼及びディスプレイのダイナミックレンジの比較(出典:http://www.trusight.com) 二枚の画像を用いてHRD技術を利用する前と利用後の差を説明します。一枚目の図は、標準的なダイナミックレンジ(図3:SDR)です。一番左側の画像が人の目に映る街の夜景で、真っ黒な背景色と明るく輝くヘッドライトが強烈に対比しています。 シャッターを押したその瞬間から、機器が捉えるダイナミックレンジは人の目に映るダイナミックレンジより縮小し始めます。そしてポストプロダクション、マスタリング等の工程を経ることでダイナミックレンジは更に縮減し、最後に画面表示されるのが一番右側の画像です。その画像はまるで漂白されたように白飛びしてしまい、背景も暗く、ヘッドライトの光線も弱くなっています。 図3:Standard Dynamic Range(出典CES 2016,LG Press [...]

『4K Ultra HD』 超高解像テレビの最新トレンド

「自宅のリビングに置いてある80インチの大画面テレビで、4K解像度の映画を見たい」なんて考えたことはありませんか?4Kの大画面テレビにホームシアターのサラウンドシステムが加わることで、自宅にいながらまるで映画館で映画を鑑賞しているような、実に豪華な体験となります。 最先端のデジタル生活を語る上で、映像技術は常にホットな話題を提供してきました。ディスプレイがデジタル化の時代に突入してから、記録媒体はCDからDVD、ブルーレイに進化しました。その一方で、画質は240pから720P、1080P、そして現在では話題の4K UHD(解像度3840×2160)まで発展しています。これは、大画面だけでなく、画質に対するユーザーの要求レベルも上がってきていることを物語っており、特に4Kテレビについては業界全体でも話題となっています。 4K画質を謳った製品は数多く市場に出回るようになりましたが、同じ4Kテレビでもメーカーによって違いがあります。「ユーザーは4Kテレビに対し、いかに向き合うべきか」、「4Kテレビ市場にはどこのメーカーが参入しているのか」、「4Kテレビ市場の将来のトレンドは?」、といった問いに対して答えを出すべく、アリオンではCES 2016(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)で四大トレンドのひとつとなった4Kテレビにスポットを当て、この市場を分析しました。この記事では4K技術について解説し、さらに4K技術の強み、日常生活にもたらす新たな視野について理解を深めていきます。   4K技術の誕生 4K技術が最初に世に出たのは、リアル4Kムービーと称した2013年公開の映画『アフターアース』(After Earth)と『オブリビオン』(Oblivion)でした。これらの映画は、8Kイメージセンサー搭載のSony 4Kカメラ「F65」で撮影された作品です。 SONY CineAlta 4Kカメラ「F65RS」 Source : SONY United [...]

スマートフォンのユーザー・エクスペリエンス最適化検証―タッチ編

昨今、市販で販売されているほとんどのスマートフォンがタッチスクリーン式を採用しています。ユーザーは画面に指で軽くタッチするだけで直感的にスマートフォンを操作可能です。しかし、タッチした際に感度が鈍かったり、スムーズさに欠けたりすることがあります。競争の激しいスマートフォン市場では、細かい点が成功のキーとなり得ることから、アリオンの試験チームは、反応の敏感度、耐干渉性能、スワイプ操作のスムーズさなど、タッチパネルのディテールを深く掘り下げた測定、分析を行いました。 測定項目 測定項目は二種類あります。最初はパネル上で、スワイプ、マルチタップ、ドラッグといった、一般ユーザーがよく用いる操作の試験を行いました。 次に、タッチパネルの耐干渉性能に関する試験です。試験チームの経験では、Bluetooth、Wi-Fi、充電といった外部から加えられた行為が、タッチパネルの品質に影響を与えることから、この部分に関し、以下のような状況設定のもとに試験を実施しました。 タッチパネルの品質を試験するに当たり、下図のようにスクリーンを6本の赤ラインで4ブロックに分けました。 最初に、自動タップのアプリに提供されている直線座標を用いて平均ギャップと最大ギャップを計算しました。タッチパネル感度の測定であり、通常は、タップとタップのギャップが小さいほど良好です。二つの座標において最大の差を計算して、感度良好ゾーン(Good Zone)と感度不良ゾーン(Bad Zone)に分けました。 Android Phone 1を使って、先に自動タップのアプリでタップとタップの平均ギャップ(Average Gap)を計算し、ツールでスクリーン上に上図の6本ラインを描いてから、自動タップのアプリを用いて最大ギャップと平均ギャップを計算しました。データは下表のとおりで、領域別の感度の良し悪しがわかります。 次は、タッチスクリーンの反応速度の試験です。ハイスピードカメラで撮影して、試験対象のパフォーマンスを以下の三段階に分けます。 1. I/O [...]

スマートフォンのユーザー・エクスペリエンス最適化検証―音質編(上)

消費者のスマートフォンに対する要求レベルがかなり上がってきています。以前に取り上げたディスプレイやカメラの品質はもとより、スマートフォンで音楽を聞く人が増えていることから、音楽愛好家にとっては音質の良し悪しこそが肝心です。しかし、単純に人の耳で音質の良し悪しを判断するのは主観的であるため、アリオンでは測定機器を用い、減衰、歪み、クロストーク、ノイズといったスマートフォンの音質を解析し、メーカーごとの違いを比較分析してみました。   試験対象 音質(音声周波数)試験は、出力と入力に分けて行いました。 出力の部分は、デジタル信号をアナログ信号に変換する(Digital to Analog、D/A)品質を指し、イヤホンジャック(プリ部)、アンプ(パワー部)、スピーカーは出力試験に属する。 入力の部分は、アナログ信号をデジタル信号に変換する(Analog to Digital、A/D)品質を指し、スマホ内蔵マイク、イヤホンマイクのジャックは入力試験に属する。 この両分野に対し、以下のように測定項目を定めました。 各測定項目の詳細説明は、こちら オーディオ製品用コンデンサ 音質評価分析(上) 標準試験下における差異   [...]

モノとモノとが結ばれる、ユビキタスなIoTの世界

いま、注目されている言葉、IoT(Internet of Things、モノのインターネット)というと、耳にしたことがある人は多いことでしょう。しかしIoTをどう言い表すべきかとなると、多くの人は言葉に詰まるのではないでしょうか。近頃の技術関連メディアはIoTの時代到来を喧伝し、市場規模が数兆ドルに達するとまで説明するところもあります。一方でIoTがどんな影響をもたらすか、よくわからないという人は多いでしょう。一体、IoTは私たちの暮らしとどんな関係があるのでしょうか。将来の産業、仕事、生活は、どう様変わりするのでしょうか。 アリオンでは、8月に本ブログに掲載した「IoT分野で注目の集まるスマートホームソリューション」で、数多くのIoTの特性を取り込んだスマートホーム用デバイスについて紹介しました。家庭でIoTが活用されることで、より生活が便利になると解説しました。今回の記事では、IoTの奥の深さについて解説致します。市場への参入、競争といった角度の異なる切り口から市場でのビジネスチャンスを読み解くことで、将来の流れを判断し、これからIoTの成長が期待できる分野を分析しています。アリオンは、IoTを成長させる要素の探求、そしてIoTの持つさまざまな可能性の予測を通して、企業が将来における市場の変化に対応するためのお手伝いをしたいと考えています。   みんなの暮らしを変えるIoT IoTはその名のとおり生活の至る所にある(つまりユビキタス的な)設備や施設を、無線または有線によってインターネットと接続し、それぞれの設備、施設、モノが相互に通い合うようにすることで、暮らしをよりよくすることを目的としています。最近、センシング機能やネット接続機能をもつ電子製品が次々と市場に出ています。その重要な先駆けとなったのがスマートフォンで、その機能はいずれもIoTへの対応を念頭に置いて誕生しており、次第に人の衣食住、移動や娯楽の面倒まで見るようになりました。実際のところ、IoTはずいぶん前から人々の暮らしの中に入り込んでいるため、もはや単なる呼び名ではありません。徐々に身の回りに現れ、目立たないうちに人々の暮らしを変えています。     全面的なIoTがもたらす新たな成長  「すべてのモノはネット接続が可能」という概念は、IoTの発展に限界がないことを示しており、設備や用品はいずれもIoTの一員になり得ます。企業管理コンサルティング会社のマッキンゼー・アンド・カンパニー(McKinsey & Company)のデータによると、2025年におけるIoT関連産業の規模は3.9兆から11.1兆ドルにのぼると予想しており、その応用分野の一位と二位に、医療介護と製造業を挙げています。これは、2025年にはIoTによりユビキタス社会が達成されることを意味しています。   長期にわたりIoTの発展に注目してきた市場調査機構のガートナー社のデータ(下図参照)によると、IoTデバイスは2020年に260億個になり、1.9兆ドルの経済価値を生むと予想しており、その一位と二位は製造業と医療介護で、これはマッキンゼーの予測と一致しています。2014年の37億個に較べると、毎年35%の成長という計算になり、このような高成長の市場はほかには少なく、かなり大きな商機と利潤を生み出すと見ています。 [...]