Category Archives: 技術ブログ

G.hn-高速ネット時代の家庭内ネットワークテクノロジー

十数年前に人々がネットで世界とつながった頃は、帯域幅の制限によりメール送受信とウェブサイト閲覧くらいしかできませんでしたが、ネット技術が飛躍的に進歩した現在では、より広い帯域、より速い伝送スピード、より安定して便利な伝送が求められています。SD、HDからUltra-HD(4K)に至るまでの動画送信、異なる端末でコンテンツを同時に再生できるストリーミング機能など、ネット通信の分野では高速多機能伝送の時代が訪れました。HomePlug、MoCA、HomePNA、G.hnといった家庭用高速ネットワーク技術の中で、これからの市場を制するのはどの技術なのでしょうか? ここでは今年で満四歳を迎え、スマートホームの実現をリードし、ホームネットワークの基準となりうる規格「ギガバイトホームネットワーク(G.hn:Gigabit Home Networking)」についての概要を紹介したいと思います。 なお、アリオン(Allion Labs, Inc)は2014年8月にアジアで初の認証ラボとして、このG.hnを推進するHomeGridフォーラムより認定を受けた第三者認証機関です。更に詳細な情報や試験に関するお問い合わせにつきましては、当社営業部(service@allion.co.jp)までお問い合わせください。 G.hnとは? G.hnとは、Gigabit Home Networkingの略称であり、ホームグリッドフォーラム(HGF :HomeGrid Forum)が国際電気通信連合標準化部門(ITU-T: International Telecommunication [...]

802.11ac アクセスポイントの性能を徹底比較!

携帯電話、タブレット端末、デジタルカメラ、メディアプレイヤーといったIT製品では、Wi-Fi技術によるワイヤレス通信機能を有する製品が急速に増加している傾向にあります。Wi-Fi規格についても802.11規格をベースとして802.11a、802.11b、802.11g、802.11nを経て現行の802.11acのリリースへと至りました。無線ネットワークの発展によって通信速度と変換効率が大幅に向上しつつある中、アクセスポイント関連製品の開発競争にも激しさが増しています。あらゆるIT製品に無線通信機能が搭載されるようになったため、アクセスポイントは家庭やオフィス、公共の場など生活の場に欠かせない製品となりました。多種多様な製品が市場に溢れる現状では、品質的に玉石混交状態にあることも否めません。信号カバー率と安定性が十分なレベルとは言えない製品も散見されるのが実情です。 アリオンではこれらの現状を考慮した試験プランを立案しました。対象となる機器は市販の3種類のアクセスポイントです。項目ごとに検証結果を記載し、問題点と解決方法を効率的に把握できるよう努めました。 アリオンがこれまで培ってきた豊富な無線検証の実績から、アクセスポイントの利用シーンと重要項目を7つ策定し、機能的な重要性の高低に関わらず、幅広い評価項目を盛り込みました。また、異なるメーカーの機器を比較分析することで、機能的な優劣を把握することができます。検証項目の詳細は表2の通りです。 I. スループット試験(Conductive Throughput Test) ユーザが最も重要視する点は、アクセスポイントの通信速度と通信の安定性です。当試験では、さまざまな帯域幅のチャンネルをシミュレーションすることでアクセスポイントの一定時間内におけるスループット性能の測定結果を元に変化曲線を描き、更に平均値、極大値を計測しました。次に、信号減衰がアクセスポイントのスループットに対して間接的な影響を与えていることを確認するため、二者間(スループットとパスロス)の結果を分析しました。この結果、アクセスポイントが帯域幅とチャンネルにおいて、一定水準のスループットと安定性を兼ね備えていることを確認できました。 試験結果(図1)では、AP 3が20MHz/Ch 36と20MHz/Ch 64で共に最適な通信速度を保っているものの、20MHz/Ch 128になると速度が急落することが分かります。AP 1とAP 2のスループットは、20MHz/Ch 64時には顕著な差はありませんが、全体的にはAP [...]

主要クラウドストレージを徹底比較

情報量の爆発的な増加に直面している現代において人々は情報を求め続けており、データ転送やデータ共有、保存技術もそれに伴って高まってきました。多くの企業がこのトレンドに狙いを定め、発展著しいクラウド技術の波に乗っています。企業はこの新しい「クラウドストレージサービス」(Cloud Storage Service)を次々と打ち出し、クラウド市場という新たに登場した巨大なパイの奪い合いをしているのです。これまで主流だったハードディスクとUSBメモリーに頼ったデータ保存だけでは既に時代遅れであると言えるでしょう。クラウドストレージは、携帯電話、タブレット端末、パソコン及びスマートテレビのように、現代社会に生きる人々の生活の中で最もよく使われるIT技術となりつつあります。そして、その利用シーンとデータ転送技術の全てを一つに融合することで、双方のシームレスなアクセスを可能としているのです。 市場に溢れるさまざまなクラウドストレージの中で、一体どのサービスがどんなニーズに対応しているのでしょうか?機能、パフォーマンス、互換性及びユーザビリティを兼ね備えた革新的なサービスを提供できるクラウドベースのアプリケーションは、新たな問題や困難な課題と、ソフトウェア検証やユーザエクスペリエンス検証のニーズをもたらしています。 アリオンは利用者全員のユーザビリティを満たすクラウドストレージこそが、市場において有効な価値を築くことができると考えています。検証にあたり、市場で代表的な6つのクラウドストレージを選定しました。本稿ではこれらのサービスの比較分析と評価を行っていきます。 注)仕向け国により各社のサービス内容が異なる場合がございますので、日本国内のサービスと若干異なる場合がございます。予めご了承下さい。 6つのクラウドストレージは、現段階では基本的に全てのサービスを無料で利用可能であり、一部有料で保存容量を増加するなどのサービスを提供しています。無料で利用可能な容量が増えるにつれて、市場競争力は高まるかもしれません。しかし実際の利用シーンに基づいて観察を試みると必ずしもそうとは言えず、ユーザは各々が持つ個人用機器との互換性があるかどうかを重要視しているのが実情だと分かります。つまり、クラウドストレージを利用する場合、データ転送と保存容量だけでは機能とユーザビリティの本領を発揮できるものではないということです。本レポートでは、無料で利用可能なデータ容量に関する検証を除外し、利用状況に沿った検証を中核として、各クラウドストレージのインターフェース、ユーザビリティ、機能性、互換性などについて評価を行うことにしました。 A) インターフェースデザイン(Interface Design) B) アップロードデザイン(Upload Design) C) ブラウザ別機能対応(Browser [...]

NFCで簡単Wi-Fi接続! 「Tap-to-Connect」の世界

素早く簡単なWi-Fi接続で強固なセキュリティを実現 携帯電話やタブレット、ウェアラブル機器といったモバイル機器が市場に普及していくのに伴い、多くの電機メーカーはNFC(Near Field Communication、近距離無線通信)技術を製品の基本スペックとして標準搭載し、製品同士がより素早く、かつ便利に接続できるようになりました。市場リサーチ会社であるIHSのレポートによれば、NFC搭載のスマートフォンは世界市場で大幅に成長する見通しとなっており、出荷台数は2013年から2018年にかけて4倍以上に拡大し、12億台に到達すると予想されています。また、データ送信機能の他に、データ受信、処理能力、ストレージ機能、トランザクションといったNFCが持つ便利な機能に対する需要が高まってきています。ここで重要なのが、データの送受信を行う上でのセキュリティ問題です。NFCを利用することによって、重要なデータを漏洩することなく個人やグループ、更には公共のエリアで直接やり取りが可能となり、セキュリティ上の不安要素を取り除くことができます。 NFC技術を搭載したモバイル機器の世界出荷台数 (Source: IHS Inc., February 2014) Wi-Fiアライアンス(WFA: Wi-Fi Alliance)は市場のニーズ予測を受け、Wi-Fiのセキュリティ方式であるWPS(Wi-Fi CERTIFIED Protected [...]

エンタープライズ向けストレージの傾向とSSD性能検証

エンタープライズ向けストレージ機器の変化 昨今、小さくスリムなIT製品が市場を席巻しています。スマートフォン、タブレットからウェアラブルデバイスなどの製品は、個人の行動パターンを変えただけではなく、多くの企業を新しい経営形態へと発展させました。新しいテクノロジーがもたらした利便性に対処するために、リアルタイムでのデータ保存、情報の素早いシェアといった技術の重要性が高くなっています。 多くの企業は大量のデータ保存と読み書きを常に必要としています。多数の製品とサービスを支えるために不可欠なバックボーンとして、クラウドサーバは最も重要な役割を果たします。 一般的な企業におけるエンタープライズレベルのシステム運用は、大きく分けて企業内部の情報システム部門とクラウド・ネットワークサービスの二種類に分けることができます。前者は会社内部で構築、運用、利用している場合とデータセンターに管理を外注している場合があり、利用者は主に社内の人か特定のクライアントです。後者はデータセンターを構築、運用することで、不特定多数の一般ユーザーに情報サービスの提供することができます。 両者は規模と利用対象者に違いがありますが、エンタープライズレベルの運用品質としては両者とも一般家庭や個人システムより遥かに高いもので、24時間体制の高い信頼性と利便性を誇り、大量のデータを大量に保存と読み書きが可能な高いパフォーマンスと安定性を持っています。 エンタープライズ向けストレージシステムの管理において重要なのは、サーバそのものです。ビジネスユースのサーバは、主に演算処理、保存、ネットワークの三つに機能が分かれています。このうち、現在では演算処理速度(CPU、RAM)が保存速度より遥かに高いため、各企業は研究開発のリソースをストレージに投入することで全体のパフォーマンスの向上を図っています。 ソリッドステートドライブ(SSD: Solid State Drive)はその性質上、読み書きがデジタル信号で且つマルチチャンネルで行われるため、ハードディスクドライブ(HDD: Hard Disk Drive)が持つ機械特有の制限がなく、読み書き速度もHDDより早く、消費電力も低く抑えられます。しかし、NAND Flashは単価が高価な上、信頼性と寿命について考慮すべき点があるため、これまではビジネスユースのシステムとしては積極的に利用されていませんでした。 それが、近年ではNAND [...]

「認証試験」 ― スクリーンの裏に隠れた縁の下の力持ち

テレビのスイッチを押して、白熱した試合をまるで現場にいるかのように鑑賞する―――NBAからUEFAチャンピオンズリーグ、そして日本プロ野球まで、メディアは多様な番組を提供し、ユーザーはこれまで以上に豊富なエンターテイメントを享受しています。ありきたりな休息のシーンに見えますが、その背景にはテレビメーカーが長年積み重ねてきた技術革新が存在しています。かつてのアナログテレビから現在のデジタルテレビに至るまで進化の道を歩み続け、新しい規格の開発を継続してきました。これら規格の標準認証によりテレビがエンドユーザーに提供する信号品質を確保します。本レポートでは、テレビのエコシステム、そして開発担当者がテレビの性能を検証する際に必要なポイントをご紹介します。   テレビのエコシステム 一般消費者がよく知っているテレビのブランドといえば、ソニー、東芝、シャープ、パナソニック、サムスン、LG、BENQ、PHILIPSなどがあります。システム開発者はFOX、BBC、ESPNなどのチャンネルから配信される放送形式が基準を満たしているかを確認しなければならず、また、テレビメーカーはテレビが正しく信号を受信し、正常な画面を表示できることを確認する必要があります。各試験工程は技術的な難しさと関連し、信号解析検証ならびに世界各地で行うフィールドテストも含まれるため、相当な費用と時間を必要とします。実施過程において予期せぬ事態が発生するため、その場で対応しなければならない危険性を伴います。よって、事前の検証計画の作成と、どのような検証を行うのかを決定することは、テレビメーカーにとって大変重要なことです。 図1:テレビのエコシステム   グローバル・デジタルテレビ・シグナル V.S.ヨーロッパのデジタルテレビ・シグナル グローバル市場におけるテレビシグナルの種類は、ATSCを主とする北アメリカ地区、ISDBを主とする日本および中南米、DTMBを採用する中国大陸市場、DVBシステムを使用しているヨーロッパ、オセアニア、アジア、アフリカ地域に分かれています。各地域の中でもヨーロッパ地域の状況はひときわ複雑です。スペックの規定と透明度が比較的高いアメリカ市場と比較し、ヨーロッパ各国のメディアは各自が独自発展しており、使用している周波数も異なります。   あるブランドのテレビ開発メーカーがヨーロッパ市場で斬新なテレビを発表するとき、ヨーロッパの安全規定認証試験に通過する必要があり、一方でシステム側としてデジタルテレビのロゴ認証も取得しなければなりません。これらの認証を通じて、テレビ本体とシステム間の互換性を確保し、正常に信号を受信して番組が視聴できることを確認しています。たとえば、ドイツで販売されているテレビはケーブルテレビ会社KDGおよびUnityMedia、衛星放送の運営会社HD+Skyの認証を取得しなければならず、イギリスではケーブルテレビ会社FreeViewHD、衛星放送はFreesatの認証を取得しなければなりません。 ヨーロッパでデジタルテレビのロゴ認証を取得することは強制されていませんが、放送業者は彼らの利益を守るためにいくつかの放送条件を決めています。たとえば、チャンネルロックのある人気番組は、テレビのロゴ認証を取得していないと放送できない、といった規定があります。そのため、ヨーロッパのテレビメーカーはロゴ認証を取得しています。購入したテレビが認証を取得しているか確認したい場合は売り場にあるテレビのデジタルモードで認証ロゴを確認することができます。   ヨーロッパのテレビ信号分布 ヨーロッパのデジタル信号は主に三種類に分かれています。デジタル無線信号系統(DVB-T/T2)、デジタル有線系統(DVB-C)ならびにデジタル衛生系統(DVB-S/S2)があり、ヨーロッパ大陸を跨がり20カ国以上、20種類以上の信号種類があるので、標準認証を取得するだけで大変な時間が必要となります。例を挙げると、デジタル無線信号系統(DVB-T/T2)はオランダのDigitenne、ノルウェーのRiksTV、スウェーデンのBoxer HD、フィンランドのAntenna [...]

ケーブル・コネクタの認証要点を把握しよう

ケーブル・コネクタは高周波信号、機械特性、電気特性と使用環境の変化などの要因によってその性能が左右されます。ケーブル・コネクタの開発メーカーはこうした環境の変化を考慮した包括的な検証を実施することで、製品の品質条件を満たし、機能のニーズを100%発揮することができることでしょう。今回のレポートでは、アリオンの専門家によるUSBケーブル認証の注意点をご紹介いたします。また、最新規格のSAS4.0、PCI-Expressに関する最新のインターフェースであるOCuLinkと、高速伝送と長距離化を可能にする光変換ケーブルであるアクティブ光ケーブル(AOC: Active Optical Cable)に関する情報の概略についてもご紹介いたします。この他、電気特性検証(Electrical Test)、メカニカル特性検証(Mechanical Test)、耐環境性検証(Environmental Test) に必要とされる設備と試験内容の基本的な部分もご紹介いたします。   USB 2.0 & 3.0認証試験紹介 USB協会(USB-IF)の定めた基準では、USB2.0ケーブル・コネクタの試験フローは8つの試験グループに分かれています。試験グループはケーブル・コネクタの持つ性質に準じて区別されており、各グループでは電気特性、メカニカル特性および耐環境性の検証項目がそれぞれ定められています。DUT(Device Under [...]

スマートホームテクノロジーと検証の要点

モバイル製品やウェラブルデバイスに加えて、近年注目を集めているのがスマートホームです。スマートホームとはホームオートメーションテクノロジーを搭載した住宅のことで、家庭内にある電化製品の自動制御によって効率的な消費電力マネジメントを実現する技術です。アメリカで開催されたCES 2014には多くのメーカーがスマートホーム製品を出展し、会場では映像や音声といったデジタルコンテンツの導入や日常生活における実運用のデモなどを行いました。ここで注目すべき点は、各ハードウェアブランドが製品とコンテンツとの統合性を重視し始めている点にあります。ハードとソフトの統合よって相互作用がもたらされ、産業全体のエコシステムが更に強固なものとなると予測されています。 IT専門の調査会社であるIDCの調べによると、スマートホーム市場は2013年から2020年までの複合年間成長率は17.74%になると予想されており、2020年には517.7億ドル(USドル)もの市場へと成長することが予測されています。これは通信事業者やケーブルテレビ事業者がスマートホームを利用したサービスを積極的に展開することが予想されているからです。アリオンは試験専門のラボとして、多数の関連会社にスマートホーム市場へと製品を投入するための協力を行っています。本項では現在の技術状況と製品開発時に注意すべき点、および今後の市場動向を紹介します。 現在、Z-wave、ZigBee、AllSeen、LightwaveRFやInsteOnなど、多くのテクノロジーがスマートホームに利用されています。それぞれに特徴がありますが、本項では以下三つのテクノロジーに焦点を絞りました。 ·          Z-Wave ·          ZigBee ·          AllSeen 表1: ZigBee、Z-Wave、AllSeenの特徴 Z-waveとZigBeeは共に近距離無線通信規格であり、主にセンサーネットワークなど低電力、長時間運用が必要となる装置のために設計されました。Z-waveはSigma Designが開発したテクノロジーですが、技術的な国際基準を持っていないため、その活用方法はホームオートメーション化に限られています。ZigBeeはIEEE 802.15.4を基準とし、医療分野、セキュリティ分野など幅広い利用範囲を持っています。これらの両テクノロジーは共にWireless Sensor [...]

CES 2014シリーズレポート(2): 戦国時代に突入するワイヤレス給電業界

        ワイヤレス給電技術の業界団体のひとつであるA4WP(Alliance for Wireless Power)は、今年のCES2014でコンシューマー向けのブランドネーム「Rezence」(レゼンス)を大々的に発表しました。第一世代の懸念点だった材料と距離的な制限問題を克服し、最適化された磁界共鳴方式の採用により、広域かつ長距離での給電を複数機器に対して同時に可能となり、ワイヤレス給電の柔軟性が向上しました。加えて、A4WPはPMA(Power Matters Alliance)との提携を発表し、二つの給電方式、「磁界共鳴方式」と「電磁誘導方式」を協同開発に関する合意書に署名しました。この提携は、会員数でも市場販売数量でも業界をリードしているWPC(Wireless Power Consortium)にとって明らかな脅威となりました(これら3つのワイヤレス給電の業界団体に関する更なる情報については、アリオンのトレンド速報「ワイヤレスチャージングが開く新しい世界」をご覧下さい)。 WPC、A4WP、PMAという3団体が激しく対立している原因は、各団体が発表した給電規格の原理が異なることにより互換性が確保できない点にありました。この団体間での非互換問題は市場の混乱を招き、市場を限定してしまうことに繋がります。ワイヤレス給電業界において、電磁誘導方式と磁界共鳴方式があることは、両者の統一に大きな障害となる技術的な問題になっています。 現在のトレンドとしては、WPCが最多の会員数を擁する業界団体であり、対応製品の市場投入も順調です。また、WPCは電磁誘導と磁界共鳴の両方に対応したワイヤレス給電技術の標準化を進めています。このような積極的な活動は、磁界共鳴方式を推進するA4WPと、電磁誘導方式を推進するPMAに対する脅威となることでしょう。こうした危機意識がA4WPとPMAを共同開発に向かわせる間接的な契機となりました。二つの団体が持つ技術が共有されれば、WPCの牙城を切り崩す対抗馬になり得ることでしょう。 WPCが発表しているワイヤレス給電の標準規格「Qi」は現段階においてもなお、距離的な制限がある、給電能力が5Wに限られている、EMIの影響を受けやすい等々、全体の運用プロセスとしては安定していない点があります(「Qi」についてアリオンではWPCワイヤレス給電試験を実施しました。詳細は「The [...]

CES2014レポート:ポスト・スマートフォンの時代 ウェアラブルデバイス

  米ラスベガスで開催された「2014 International CES」(CES2014)を振り返ると、ウェアラブルテクノロジー(Wearable Technology)デバイスは今年の展示物の中でも特に大きな注目を受けた製品でした。各メーカーはスマートブレスレット、スマートウォッチ、スマートグラスといったウェアラブルデバイスを全力でプロモーションしました。機能面において、ウェアラブル技術はこれまでのスマートフォンやテレビのように、ソフトウェアやハードウェアの技術革新を強調するのではなく、人々の生活と深く関わる中で利用される様々な技術をアピールしています。例えば、医療分野とフィットネス分野で新しい需要を喚起することなどが挙げられます。2013年から発展を開始したウェアラブル技術は、僅か1年の間に展示会の主役になりました。 IMS Researchの調査結果では、2011年時点で20億米ドルだったウェアラブルデバイス市場における世界の売上高は、2016年には60億米ドルに達するものと予測されています。出荷台数に関しても、2011年には1400万台程度だった台数が、2016年には1億7100万台にまで増加することが予測されており、今後の大きな市場の発展が見込まれています。 ウェアラブル技術の技術展開を全体的に見てみると、それが無線データ転送技術に関わるBluetoothと、生体反応の精密な感知技術に集中していることが分かります。ウェアラブルデバイスはユーザーの生体反応(脈拍数、心拍数、体温、血圧など)を収集、記録、管理することができ、これらのデータを携帯やクラウドシステムに伝送することが可能です。ここで中心的な役回りを果たすのがBluetooth技術、特にBluetooth 4.0 LE, BLEです。Low Energyモードにより、長時間低電力で継続的な生体反応記録を可能とするこれらの技術は、数あるウェアラブル技術の中で最も優れた無線通信技術に選ばれました。アリオンのBluetooth BQTF ロゴ認証サービスは、Bluetooth技術の通信品質を確保するロゴ認証試験を提供する他、デバイス間の互換性や通信品質など、関連した品質検証を包括してご提供します。 スマートフォン市場が一定の成熟度まで発展した昨今において、これらの技術の応用を用いたウェアラブルデバイスは、コストを掛けることなく製造可能です。ウェアラブルデバイスに求められるのは、身体運動との連携に関わるニーズを満たしたものです。CES2014で分かったのは、ウェアラブルデバイスへの関心はますます上昇していることです。これはSony、LGといった家電メーカーの他、Nike、Adidasのといった著名なスポーツブランドも相次いで特色あるウェアラブルデバイスを発表したことから明らかです。 [...]