Allion Labs

USB-Cの登場以来、これまでのプラグアンドプレイという特性の他に、Windows OSによるユニバーサルドライバーのサポートも加わり、さらには15W電源供給とUSB Power Delivery充電技術も搭載され、こうしたメリットを組み合わせ、USBデバイスの普及が一層進んでいます。しかし、USB-Cの独自性により、USBデバイス間の通信がこれまでより複雑になり、USB-C製品の開発設計の難易度も高まっています。

図:従来のUSBインターフェースと比較して、USB-C製品はブランドや開発業者が克服しなければならない接続上の課題はたくさんあります。

USB-Cデバイス利用におけるリスクと事例の紹介

USB接続はホスト側、ケーブル、デバイス側の3つの製品から切り離すことはできません。これらの3種類の製品を設計する際、信号の伝送品質、電源(供給/電圧降下/消費電力)の安定性、ホスト側とデバイス側の正確な通信を考慮する必要があります。従来のUSBコネクタを使用していた時代では、電源の役割を識別するのが比較的簡単で、ホスト側と供給側が、デバイス側と受電側がそれぞれペアとなっていました。数が一致しているためミスマッチすることなく、使用シナリオも比較的シンプルでした。

しかしUSB-Cになると、DRP(Dual Role Power)という新しいコンセプトが導入されました。現在最も一般的な利用シナリオは、デバイス側が充電可能なバッテリーを搭載したホスト側を逆方向で充電することです。USB Power Deliveryをサポートする場合、高ワット数(SPR: 100W、EPR: 240)で急速充電が可能となるため、メーカーは電源回路の設計に注意する必要があります。

理論だけではイメージしにくいかもしれませんので、以下、アリオンがどのようにお客様と協力して潜在的な問題を発見し、解決策を提案したのか、実際のケースで補足説明します。

 事例 

1. ホスト側はUSB-Cコネクタを備えたバッテリー内蔵のノートブックPCです。このUSB-CコネクタはUSB Power DeliveryおよびDisplayPort Alt.モードをサポートしています。

2. デバイス側はUSB-Cコネクタを備えた大型モニターで、このコネクタはUSB Power DeliveryおよびDisplayPort Alt.モードをサポートし、最大100Wの電力を供給することができます。

 問題点 

ホスト側とデバイス側がUSB-Cケーブルで接続されている場合、最初はVbus 5V通信と電力供給は正常であり、DisplayPort Alt.モードを使用したビデオとオーディオの転送も問題ありません。

しかし、電力供給電圧が5Vを超えると、すぐにデバイス側の接続が切れ 、その後自動的に再接続されます。再接続されると、Vbus 5Vであれば正常に動作しますが、5Vを超えると常に切断され、自動的に再接続の動作が繰り返されます。

 解決策 

アリオンの分析によると、問題は「Vbusが5Vから5Vを超える他の電圧に上昇すると、その上昇Vbusスルーレートが速すぎて、規定値(最大30mV/μs)を超えてしまう」ことに原因があると判明しました。その結果、ノートブック側でOVPが誤検知され、環境全体がリセットされ続けるという現象が発生したわけです。測定データを次の図に示します。

この問題について、当初USB認証テストにVbusスルーレートの測定が必要な関連項目がありましたが、その測定方法について明確な公式定義がなく、各テスターが独自に測定方法を定義していたため、測定された数値があまり正確ではありませんでした。その後アリオンがUSB-IF協会に提案した結果、USB-IF協会は測定方法を統一し、現在は以下の四つの項目で、Vbusスルーレートが基準を満たしているかどうかを検証することができ、関連する問題の発生を防ぐことができます。

  • TEST.PD.PS.SRC.1 Multiple Request Load Test
  • TEST.PD.PS.SRC.2 PDO Transitions
  • TEST.PD.PS.SNK.2 Initial Sink PDO Transitions Post PR Swap
  • TEST.PD.PS.SNK.3 Multiple Request Load Test Post PR Swap

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アリオンは専門的なテストおよびコンサルティングラボとして、USB-IF認定の認証試験機関だけでなく、IT分野で30年以上のテスト検証経験を積み重ね、業界をリードする測定能力により、USB関連製品に応じたテストプランを策定し、最適なコンサルティングサービスを提供しています。さらに、アリオンは製品の性能を検証し、より迅速、簡単、正確なソリューションによって、お客様が遭遇する可能のある多くの問題を排除し、製品の開発を加速することができます。

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