Allion Labs / Franck Chen

 

前回で説明した通り、様々なHDMI 2.1対応製品が市場に投入されています。その中で、テレビを中心としたオーディオ・ビデオ関連製品が構築するエコシステムは比較的複雑で、製品間の接続やオーディオ・ビデオ規格の多様性、各種新機能設定の独自性など様々な要因があり、リリース前に発見されなかった様々な互換性や機能性問題が発生します。

そこで今回はテレビを中心としたHDMI 2.1アプリケーションエコシステムで注意すべき、最も一般的な潜在的問題を解説します。

 

6つ潜在的な問題

 1. 4K 120Hzの信号問題 

問題点①:テレビにゲーム機本体を接続しゲーム信号の出力設定を切り替えて4 K 60 Hzから4 K 120 Hzに調整すると、テレビ画面が真っ暗になってしまったケースです。

問題点②:パソコンをテレビに接続して画面を出力し、パソコンの出力解像度を4 K 120 Hz(註)に設定、そしてテレビVRRをオンにするとテレビ画面が点滅するケースです。

*註:4 K 60 Hzでは発生しない

 

 2. HDR関連問題 

問題点:機器本体をサウンドバーに接続しサウンドバーをテレビに接続、その時の機器本体を4 K HDR動画を映し出すとテレビはDolby Visionとして識別します。しかしテレビの電源を切って再起動すると識別できなくなってしまいます。

 

 3. eARC 関連問題 

問題点①:機器とテレビを並列で接続し信号源がゲーム機から機器本体に切り替えた時、ATMOS対応ビデオを再生しても音声はサウンドバーを通して出力できず、リモコンを通して音量を調整しても音量情報が表示されないケースです。

問題点②:機器とテレビを直列で接続し入力元画面が機器本体からテレビに切り替えた時、テレビはATMOS対応の直列動画を再生しても音声はサウンドバーから出力できないケースです。

 

 4. VRR関連問題 

問題点:ゲーム機器本体をテレビに接続しVRR機能をオンにした際、ゲーム画面が黒や暗い色を画像化すると異常が発生してしまいます。

 

 5. ALLM関連問題 

問題点:シチュエーション:ALLM Onを設定しゲーム機器本体をテレビに接続した時、自動的にゲームモードに切り替わり、他の信号源に切り替えようとしてもゲームモードを自動的にオフにできません。

 

 6. UI/UX デザイン問題 

問題点:現在テレビには多種多様なHDMI CEC設備が接続されております。ユーザーにとっては信号源の切り替えを実行する際に入力源リストが自動的に検出され、接続設備のタイプ、製品名が表示され、CEC制御を直接行うことができることを望んでいます。それらの要求に合わせたデザインや考察は重視しなければなりません。以下にて事例を挙げて比較してみます。

 

事例共有

○ユーザーフレンドリー設計

信号源リストと接続デバイスリストを統合し、現在すべての接続されているデバイスと名前を自動的に検出して表示できます。そして、メニュー画面から設定の入力元ページに入ると直接CECデバイスを制御することができます。

使いにくい設計

事例1:信号源リストの表示

信号源リストは自動で検出できず、現在のすべての接続デバイスと名前も表示できません。

事例2:CECデバイスリストにアクセスする手間がかかる

信号源リストはCECデバイスリストとそれぞれのページになるため、CEC関連機器をコントロールするページにアクセスするには、他のいくつかのステップを段階的に行う必要があります。それはユーザーにとってはかなり不便でどのようにアクセスするかさえ難しいものです。

 

HDMI認証テストはアリオンにお任せ!

以上の各潜在的な問題と状況は各ブランドの関連デバイスの組み合わせによって発生したものです。製品開発時に少量のデバイスのみで簡単に基本的な機能検証を行えば、製品が発売された後に数多くのユーザーからのクレームは激増する可能性があります。

IoT産業の急速な発展に伴い、当社では20年間以上テレビ向けのテスト経験と実績があり、スマートテレビと市場の他のメーカーのソフト/ハードウェアを円滑に利用できるよう製品間の良好な相互接続性を確保してきました。それにより、リコール、返品の減少とエンドユーザーの満足度および信頼性の向上に貢献いたします。

本記事の内容やテストに関してご質問などございましたら、アリオンのお問い合わせフォームからお問い合わせください。

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