Thread認証

Thread

アリオンはThread Groupより第三者認証試験機関(ATL)として、Thread認証取得を含むトータルサービスを提供しており、お客様のスマートエコシステム拡大を迅速に支援します。

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Thread規格概要

Thread規格はIPv6ベースの低消費電力なワイヤレスメッシュネットワークプロトコルで、端末間の通信やクラウドとの通信からなるIoTネットワーク同士の相互接続を可能にします。Thread認証は、Thread Groupによって策定された認証プログラムであり、デバイスが正しくプロトコルを実行し、相互運用性・セキュリティ要件・安定性基準を満たしていることを確認するためのものです。認証試験に合格した製品は Threadロゴマークを取得でき、市場での競争力を高めるとともに、他ブランドのデバイスとより円滑にネットワーク連携することが可能になります。

Thread認証は、スマートホームおよびIoT製品がグローバル市場へ進出するための必須条件となっています。アリオンはThread Group認定の第三者認証試験機関として、専門的かつ包括的なThread認証コンサルティングサービスを提供しています。認証試験前の技術コンサルティングから事前テスト支援、認証プロセスにおける技術サポートまで、各段階でお客様の製品がThread規格に準拠するようサポートし、市場投入までのリードタイム短縮とクロスプラットフォーム統合力の向上を実現します。

Thread認証 | アリオン株式会社

Thread認証バージョン

現時点(※2025年10月15日時点)では、Thread認証は V1.1~V1.4の4つのバージョンがリリースされています。各バージョンの認証では、すべて前バージョンの試験要件をカバーする必要があります。※ 例えば、V1.3認証を取得する場合、V1.1、V1.2、V1.3の3バージョン分の試験の実施が必須です。

Thread認証バージョン

なお、2026年以降、Border RouterはV1.4認証のみ実施可能となりますが、その他のThreadデバイスについては引き続き V1.3認証の取得が可能です。

なぜ Thread 1.4 認証が必要なのか

より便利なネットワーク設定と管理

Thread 1.4 は、ネットワークをよりユーザーフレンドリーで、相互運用性が高く、安定したものにします。スマートホームの構築や拡張を検討するユーザーにとって、多くのメリットをもたらします。

メーカーに依存しないThreadボーダールーターの標準化された識別と信頼の仕組みにより、Thread 1.4では新しいデバイスをネットワークへよりスムーズかつ簡単に追加できるようになりました。これにより、新しいThreadデバイスを既存のThreadネットワークへ容易に追加でき、より安定的と信頼性が高く、かつ安全なスマートホーム環境を実現します。

より広範で信頼性の高いネットワーク

同一ネットワークに複数のThreadボーダールーターを追加することで、メッシュネットワークの強度とカバレッジがさらに向上します。Threadの低消費電力メッシュネットワークでは、デバイス同士が直接通信できるため、特定のルーターに依存しません。そのため、もしあるデバイスが故障しても、ネットワークデータは他のデバイス経由で自動的に再ルーティングされ、家庭全体で安定した接続を維持することが可能です。

Thread認証取得するにおいて発生可能なリスク

専門家のサポートなしでThread認証を進める場合、技術的なハードルが高く、途中で行き詰まるケースも少なくありません。以下は、認証取得の過程でお客様が直面しやすい課題です。

認証試験に関するノウハウや会員資格の不足

製品開発初期にThread Groupに未加入の場合、Thread規格やバージョン、認証制度の理解が不十分なケースが多く見られます。その結果、認証プロセスや会員レベルによる権限の違いを十分に把握できず、自社製品がどのThreadネットワークトポロジーやデバイスロールをサポートすべきか判断できない場合があります。

テスト設備および環境の不足

ATLのサポートがない場合、多くの企業はThreadテスト環境を構築するために必要な試験装置の入手方法が分からず、独自でのテスト実施が難しくなる傾向があります。

内部プレテスト(Pretest)の未実施・試験内容への理解不足

製品がすぐにThread認証を受けられると誤解し、推奨される内部テストを実施しないケースがあります。その結果、正式認証テスト中に多数のエラーが発生し、スケジュールが大きく遅延することがあります。

さらに、Pretestを行っていないことで試験項目や手順への理解不足が生じ、度重なる修正により認証効率が低下するなど、見えにくいコストが発生します。

開発初期における不適切なチップ選定・認証バージョンの不明確さ

チップベンダーが「Thread認証取得済み」とだけ記載し、どのバージョンで認証されたかを明示していない場合があります。その結果、本来 Thread v1.3認証 が必要な製品に対して、v1.1認証チップ を採用してしまうなど、バージョンの不一致が発生する可能性があります。

ハードウェア設計がすでに完了している場合、後から変更が困難となり、ファームウェア修正を繰り返すしかない状況に陥り、開発スケジュールが大幅に遅延する恐れがあります。

アリオンは、長年にわたり蓄積してきた技術ノウハウと認証経験を活かし、テスト計画段階からリスクマネジメントを導入しています。プロジェクト内で想定される潜在的なリスクを事前に洗い出し、高リスク領域に焦点を当てた検証アプローチによって、テスト効率とプロジェクト成功率の向上を実現します。

Thread認証コンサルティングサービス

Thread認証コンサルティングサービス

認証実施前コンサルティング

製品設計がThread要件に適合しているかを分析し、認証申請に必要な技術資料および関連ドキュメントの準備をサポートします。これにより、開発段階で最適な検証戦略を迅速に確立することが可能です。

事前テスト支援

お客様が効率的にThread認証試験環境を構築できるよう支援し、専門的かつ体系的な検証計画と試験手法を導入します。これにより、認証合格率の最大化と再試験によるリソースの無駄削減を実現します。

実試験サポート

テストシナリオの設計から、Test HarnessソフトウェアやTest Bed環境の運用支援までを包括的にサポート。試験中に発生するさまざまな問題に対し、Issue Isolation(問題切り分け)およびデバッグ支援を提供します。

認証申請およびフォローアップ

認証申請の提出から進捗管理、Thread Groupとの技術的なコミュニケーションまでをワンストップで支援。スムーズな認証取得とタイムリーな市場投入を実現します。

 

Faster, Easier, Better!スマートホームエコシステム・コンサルティングサービス

アリオンはThreadだけでなく、Matter、Wi-Fi、Bluetooth®、および WWA(Works With Alexa) など、様々な無線技術の認証試験機関としても認定されています。サービスプロバイダー、スマートホームデバイスメーカー、スマートホームインテグレーターなど、あらゆるお客様のニーズに応じて、より迅速・簡単・高品質なワンストップ認証コンサルティングサービスを提供します。

アリオンの専門コンサルタントチームによるサポートを活用することで、複数の試験所を行き来する必要はもうありません。豊富なテスト実績と高精度な無線計測機器、電波暗室などの高度な試験環境を組み合わせることで、包括的な検証ソリューション、問題解析、専門的な改善提案に対応します。これにより、製品が各種国際標準規格に適合し、より迅速な認証取得と市場競争力の強化を実現します。

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